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F2の悩み多き “モヤモヤフルネス”な日常とは?

F2はモヤモヤ・イライラMAXの“モヤモヤフルネス”年代?! №2

  • 村田 玲子

2017/07/12

F2の悩み多き “モヤモヤフルネス”な日常とは?

モヤモヤフルネスなF2は約9割

前回のコラムでは、F2の 「悩みごとの多さ」という共通項に気付いたことをお伝えしました。一つ一つは小さなことでも、悩みや葛藤が積み重なり絡まり合い、彼女たちの心におりのようにたまって「モヤモヤ」が生まれていることが見えてきたのです。

独自調査を行い、普段の生活でモヤモヤやイライラやストレスを感じる割合を調べたところ、該当する人がF2全体で約9割、「いつも」と「しばしば」を足した頻度の高い人は約6割に上ることが分かりました。

Data source : ビデオリサーチ「モヤモヤWEB調査」 2017年2月

その原因はさまざまな悩みが複合的で積み重なっており、私たちはこの状態を「モヤモヤフルネス」と名付けました。さらにこの「モヤモヤフルネス」な日常がF2の消費行動に影響を与え、企業視点で見ればビジネスチャンスにつながっていることが見えてきたのです。

この「モヤモヤフルネス」、F2特有のものなの?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。確かに、悩みのない人間なんていません。ただ、厚生労働省の調査(平成25年 国民生活基礎調査)で見ると、F2は男性や他の年齢層と比べて悩みやストレスがあるという人が最も多いことが分かっています。

他の年代より悩みやストレスを最も抱えているF2

悩みの原因も、F2特有のものがあります。男女の悩みの原因を比較すると、例えば同じ年代の男性、すなわちM2は「自分の仕事」のウエートが高いのですが、F2の場合は「自分の仕事」以外に、「家事」「育児」「子どもの教育」などが、こまごまと積み重なっています。

前回のコラムで、F2の役割の多さについても言及しましたが、男性や他年代に比べた悩みの多さ・複雑さも、そこに起因しているのではないかと考えられます。

さまざまな悩みが集積するF2ライフ

モヤモヤのリアル

 

ではF2はどんな「モヤモヤ」を抱えているのでしょうか。以下は、彼女たちから聞こえてきた「モヤモヤ」の代表例です。

例えば専業主婦は、PTAや町内会などでとかく当てにされがち。よく話に出た内容としては、学校や地域のために尽くしているにもかかわらず、最近の風潮からなんとなく肩身が狭く感じてしまう、他の人がまぶしく見えてしまう、というものです。

インタビューの自己紹介でも、とかく「ただの専業主婦です」とか「お気楽な専業主婦です」といった自分を下げた感じの表現が多いのが印象的でした。

共働きの女性であれば、夫と比較して収入や仕事時間の少なさという引け目から遠慮して家事分担の話を言い出せない方が多いようです。また、育児休業から復職したり、専業主婦から再就職をした人は、家族の意識が変わらず、それまでのように自分がメインで家事育児もこなさなければならない話もよく聞きました。

ワーキングシングルであれば、既婚者よりも自分自身の将来不安が強いところに加えて、親御さんや兄弟からも頼られやすいということもあるようです。

F2の4大モヤモヤとは?

これらたくさんのモヤモヤを整理すると、大きく四つのパターンに分類できます。

① 複数の「顔」を持つがゆえのモヤモヤ
② 多様な選択肢に「自己肯定感」が揺らいでモヤモヤ
③ 経済不安からくるモヤモヤ
④ 体の不調からくるモヤモヤ

①は、母・妻・娘・社会人など、複数の「顔」=役割を担っているにもかかわらず、それに対する理解や承認が少ないことが原因のモヤモヤです。

周囲からの評価の少なさへの不満はもちろんありますが、それよりも強く感じるのは、社会規範も含めて「こうあるべき」という理想像を本人自身もなんとなく持っていて、役割をうまくこなせなかったりすると、罪悪感や自分を責めてしまってモヤモヤ、という様子でした。

また、F1からF2になると家事育児と仕事を合わせた総労働時間が平日も休日も大幅に増加。さらに世帯年収は増えても自分のお小遣いが大幅に減っています。F2ライフは自分で自由に使える時間やお金なし、制約と我慢が多い、「自分のことは後回し」にしている様子がよく分かります。

自由に使える「時間」や「お金」の少ないF2ライフ

②は、自己肯定感の低さです。最近は生き方の選択肢が増えていることから、本当にこの生き方でいいんだろうかと自信をなくしたり、人と比べて落ち込むといった「自己肯定感の揺らぎやすさ」がよく聞かれました。

以前は、友人関係などは物理的に会う機会が減ることで自然に疎遠になったりしましたが、今はSNSを通じ、自分と違う生き方や生活が見えやすくなっていて、こういったことを助長している部分もありそうです。

加えて、ライフコースが多様になっているがゆえに、悩みを共有するにも同じ立場の人が意外と近くにいない、ということもあるようです。

③は、経済的な不安感という必ずしも自分の努力だけでは解決できない悩みの多さです。現在のF2は、いわゆる就職氷河期世代が多くを占めます。今ちょうど40歳の人の大卒就職率は55%と過去最低でした。

当時の社会風潮もあり女子は特に就職が厳しかった時代で、思ったような就職ができず派遣社員を続けてきて、この先の将来に不安を感じている人、シングルであればなおさら、という人は少なくありません。

④は、重なる心身の不調感です。F2は体の変化が大きい時期に当たります。医学的には35歳ごろから女性ホルモンが減ってきて、40歳を過ぎると急激に低下するとされています。

産婦人科の先生によると、今は出産年齢が遅くなっていることや、仕事を持つ女性も増えて仕事の重みが増す時期とこうした体の変化が重なるようになり、昔よりも生活の上で影響を受けやすくなっているのではとのことでした。私たちもインタビューで、こうした体の変化に付いていけない、周りにも分かってもらいにくい、言いづらい、といった声はとても多くありました。

このように、まさにモヤモヤフルネス、略して「モヤフル」なF2ライフ。だからこそ、F2はつぶされないようにモヤモヤとうまく付き合ったり、切り抜ける行動をとっていることも分かってきました。

次回はその切り抜け方に着目し、モヤフルライフに伴う行動から、どんなビジネスチャンスがありそうかについて、話を進めたいと思います。