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【予言】 英語コミュニケーションは大阪ノリから始まる

電通兆候研究所「シンプタンク」のそろそろこれキますよ。 №3

  • 吉田 ちか
  • 水野 和佳

2017/07/28

【予言】
英語コミュニケーションは大阪ノリから始まる

SYMPTANK=SYMPTOM+THINK TANK 電通兆候研究所「シンプタンク」のそろそろこれキますよ

電通社員たちが“謎の紙上研究員”として、世の中のキザシ(SYMPTOM)をあれこれ探っていくコーナーです。

今回のテーマ「日本人と英語の未来」/【予言】英語コミュニケーションは大阪ノリから始まる  研究員No.11 水野和佳

東京オリンピック・パラリンピックが3年後に迫り、ますます日本にたくさんの外国人がやって来る。インフラは着々と整備されているが肝心の「人」はちゃんと心構えができているのだろうか?日本人特有の「真面目さ」が語学習得のネックになっているかも?ユーチューブチャンネル登録数88万人(2017年7月現在)を抱える大人気ユーチューブクリエーターの「バイリンガール」こと吉田ちかさんに、これからの日本人はどう英語に向き合えばいいのか、そのヒントを聞いた。

吉田ちか氏(左)と、水野和佳氏
吉田ちか氏(左)と、水野和佳氏

吉田:国内で英語を使う機会が、最近増えていますよね。オリンピックもあるし、外国の方を案内できるくらいは知っておきたいと、注目度が上がっています。

水野:一方で、案内したいけど、うまく話せないから教えてあげられないというジレンマもありますよね。だから、ちかさんがブログで「外国人に道を聞かれたら直後の行程だけ教えて、その先は別の人に聞いてもらえばいい」と言っていて、「なるほど!」と思いました。次のステップくらいなら自分が話せる範囲の英語で説明できるし、それくらいの勇気は持てるかもって。

吉田:まずは日本語で話し掛けてもいいと思います。日本のことを知りたくて来日している人たちだし、日本語を勉強している人も多いはずだから。英語で対応されてばかりだと逆にがっかりするかも。

水野:確かにそうですね。もしかしたら、外国人に話し掛けるのが苦手なのって、日本の英語教育に問題があるのかも。日本の授業は、先生から一方的に指名されて答えることが多くて、受け身な感じ。でもアメリカは「これどう思う?」って先生が問い掛けたら、一斉に手が挙がってディスカッションが始まりますよね。そういう文化が小さい頃から根付いていて、とにかく活発に発言する土壌があると感じます。

吉田:友達同士の日常的な会話も、日本だとカジュアルな内容が多いけど、欧米は人生観や政治観について深く語り合うことが多いですよね。意見や知識がないと話せない場面もたくさんある。語学力うんぬんの前に、会話力が高いんだと思う。

水野:コミュニケーションがもっと上手にできたら、少しは違うのかな。例えば、日本人は知らない人とは基本あいさつしないですよね。でも海外だと、エレベーターに乗り合わせたら「Hi!」って当然のようにあいさつをする。あの感じが日本にもあればいいのに。

吉田:日本語は敬語がきちんとしているから、言葉自体に堅苦しさがあるのかも。あと、日本人は発音とか文法を完璧にしたいという意識が強いから、人前で英語を話すのが苦手なんですよね。そういう日本語の性質や日本人の気質も、フレンドリーさに影響している気がします。しかも日本文化って、説明過多の傾向があるから、丁寧過ぎる一面も。それゆえラフに物事の全体像を捉えたら、あとは自分で考えてやってみるっていう機会が少ないので、世渡りするためのサバイバル力が身に付きにくいのかも。

水野:同じ日本でも、関西はちょっと違ったりして(笑)。大阪では、知らないおばちゃんがアメちゃんをくれるって、よくいいますけど、本当にくれるんですよ。そこから会話が始まるって、コミュニケーション上手ですよね!

吉田:まずは大阪のフランクな空気の中でコミュニケーションに慣れてから、アメリカに行ってみるとか(笑)。

水野:「大阪プチ留学」ですね(笑)。

吉田:これから東京オリンピック・パラリンピックに向けて多くの人が来るけど、それぞれの国に対して、例えば「フランス人は英語をしゃべらない」など、先入観やイメージで判断しがちですよね。でも、実際は現地に行ってみないと分からないことがたくさんあります

水野:自分が生きている世界だけではなく、いろいろな考え方や文化があるのを知るには、本当に外に出ていかないと。そういう機会づくりを、国が積極的にしてくれたらいいのにな。半年間でもいいから「サバティカル休暇」みたいに、仕事もしながら現地に溶け込んで過ごすだけで変わるかも。希望者が殺到しそうですね(笑)。

吉田:今後は、バーチャルで海外に行くのもアリかも! 最近、マイクロソフトのホロレンズを体験したんですけど、360度見渡せて臨場感あるし、環境に慣れるのには良さそう。

水野:確かに。VRとかアプリとか、「お勉強」ではない感覚で英語が学べる、アミューズメント施設があってのいいかもしれませんね。

吉田:レストランに行ったら全部英語とか?(笑)

水野:それ楽しそう。とにかく日本人は受け身だから、楽しみながら自分から飛び込まないと! 5年後、10年後、外国の方に日本語で話し掛けるところからでいいから、私たち日本人にもラフなコミュニケーションの感覚がもっと備わっていてくれたらいいですね。

吉田ちか氏

ユーチューブを6年間やっているので、そろそろ新しいことをやりたいなと思っています。これまで作り上げてきた560本以上の動画がベースにあるので、そこからの展開をいろいろ考えています。動画で出てきた単語をアプリ上で単語帳に入れられるとか、もう少し深く学習できるプラットフォームなど「動画×何か」をそのうち発表しますのでお楽しみに!

 

Just jump into a new world!

「英語」と聞くとそれだけで身構えてしまう日本人はまだまだ多いけど、まず日本語で話し掛けてみる、というのは目からウロコでした。目が合ったらにっこりほほ笑んでみる、駅で困っていたら日本語で助け舟を出してみる、エレベーターで「お先にどうぞ」と言ってみる。そんなことからスタートしてみたら身近なグローバル化もそう遠くないかもしれません。完璧でなくてもいいんです。間違うことを怖がるのやめませんか? どうしても不安な人はまず大阪へ(笑)。関西のノリに慣れたら一気にコミュニケーション上手になれるかも!? 少しずつでも積極的になれれば対外国人というシチュエーションだけでなく、日本人同士でもより一層フレンドリーな関係がつくれるはず!

水野和佳氏