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スマホ×関心多様化=「ティーンズ・カーブ」

ティーンフルエンサー大解剖 №1

  • 天野 彬

2017/11/07

スマホ×関心多様化=「ティーンズ・カーブ」

今、最もデジタルを使いこなしているのが2000年以降に生まれた10代の若者たち。「ポスト・ミレニアル世代」と呼ばれる彼らの中には、インターネット上で強い影響力を持つ「インフルエンサー」が数多く存在しています。マーケティングでも重要な意味を持つ彼らの実態を読み解くことで、今の私たちを取り巻く情報環境の現在形を描き出すことができるはず―。

そんな観点から、電通ギャルラボはティーンのインフルエンサー=「ティーンフルエンサー」と名付け、その実態から時代背景の考察にいたるまで、強い影響力のある女子高生、男子高生たちにフォーカスした連載をスタートします。連載初回は、ティーンフルエンサーが生まれてきた時代背景・メディア環境の変化など、ちょっと大きめの話からです。

ポスト・ミレニアル世代がメディアを変える !?

2000年以降に成人を迎えた世代をミレニアル世代(Millennial Generation)と呼びます。主に米国など海外で使われていた言葉でしたが、現在では日本でも「若者」を指す言葉として認知されつつあります。しかし注目すべきは「2000年以降に生まれた」ポスト・ミレニアル世代で、この2000年以降の生まれの先頭集団に位置するのがまさに今の高校生。

SNSで人と人とがつながり合いながら、日々自らの情報を発信し、拡散する。ストリートに集うよりも、オンラインでつながり合い情報をシェアし合う。つまり、自らメディアとなり、世の中を動かしていく彼ら/彼女たちこそが、まさにこれからのメディアの主導権を握る存在といえるのです。

なぜティーンズ・カーブが生まれるのか?

そんなデジタルネイティブともいえるポスト・ミレニアル世代は、情報の受け取り方が個性的。みんなと同じものではなく、自分だけが好きなものを、こだわりを持って選びます。芸能人だけでなく、自分の関心に沿った情報発信を行っているYouTuberやInstagramerへの憧れも強く、接する時間も熱意も非常に強くなっています。

つまりそれは、ニッチなもの、細分化されたものへの探究心や趣向性にたけているということ。これは、インターネットならではの情報構造がもたらした結果です。

そして、一人一人が自分自身の関心に即した情報行動を行うことで、人々全体の関心の在り方は指数関数的に分布することになります。それはつまり、二極化するということでもあります。

特に注目が集まる一部の「勝ち組」と、ぽつぽつと集まる「その他大勢」に分離します。クリス・アンダーソン著『ロングテール』では、そうした法則をEコマースサイトの売り上げデータから導き出しながら、「その他大勢」に連なる多様な生活者のニーズを積み上げていくことで大きなビジネスチャンスを得ることの重要性を説きました。

それから10年。スマホネイティブなティーンにおいては、関心の断片化(Fragmentation)の傾向はより加速し続けており、私たちの着目するティーンの関心あるモノ・コト・ヒトについても、そうした分布に従った「カーブ」を描きます。

あるトピックスがどの程度の注目を集めるのか、それをサマライズしていったこの図を「ティーンズ・カーブ」と名付けたいと思います(下図参照。現段階でのコンセプトスケッチとご理解ください)。

ティーンズ・カーブ

縦軸は「注目度/話題度」。上にいくほど強いことを意味しますが、やはり一部のものに集中する急勾配の軌跡を描いています。横軸には様々なモノ・コト・ヒトのトピックスが並べられており、この図上では吹き出し上で配置をしています。

あらゆる世代の中で最も強く、そしてより長くカーブを伸ばしていく(=多様な関心トピックスがある)のが10代のティーンフルエンサーたち。彼ら/彼女たちがYouTube、Instagram、Twitter、LINE LIVEなどを駆使して発信する情報は、一つ一つは細分的なものであったとしても、その総和としてはマーケットにとってとても大きなインパクトを持つ―つまり多様化と二極化を同時に体現したこのティーンズ・カーブ構造を把握しておくことが、今後のマーケティングにおいて重要になるといえます。

昨年公開された映画「君の名は。」は、2016年トップの興行収入を記録しました。ティーンズ・カーブのトップに位置するような人気を得たこの作品も、その躍進の理由にはSNSでの拡散の積み重なりが挙げられています。インターネットがさらなる普及を遂げた結果、生活者の関心は多様化しつつあると同時に、より強い注目度・話題度への集中も進めているのです。

一億総シェア時代の情報の広がり方

そのようなティーンズ・カーブを構成し、トレンドを生み出す原動力となっているが、SNSなどで情報発信をしながらレコメンドし合う一般の生活者たちです。オススメを紹介し合い、自分のことをブランディングしながら情報を広めていく生活者たちは発信者であり、日々シェアするものはないか探し回っています(ここでのシェアは他者に情報を伝え渡すことを指す広い言葉として位置付けています。オンラインはもちろん、オフラインでの口コミなども含みます)。

そんな状況の中で、特に強い情報源としてのポジションを獲得するインフルエンサーが数多く生まれています。そして、そのようなインフルエンサーを中心にコミュニティーが生まれ、このようなスモールユニットから新たな流行が生まれる事例が増えているのです。

さらに近年では、SNSはじめデジタル環境がいっそう深化し、一般の生活者の目にするトピックスがより多様になっています。多様性が可視化されることにより、それを誰もが認識し、さらに多様化は進みます。そして、その枝分かれする情報の洪水に流されぬよう人々が頼るのが、「人」を単位とした情報の道しるべ=インフルエンサーという存在なのです。

ティーンフルエンサーが革新するメディア構造 

現代のメディア構造を見晴らすには、10代のインフルエンサー、ティーンフルエンサーの存在を知るのがいちばんの近道かもしれません。ポスト・ミレニアル世代として、SNSで人とつながり合う時代の申し子ともいえるティーンフルエンサーを深掘りするのがこの連載のミッションです。

影響を受けるだけでなく、自ら影響を起こし、トレンドの波を起こしていくような存在となっている彼らを深掘りすることで、現代の情報環境についての深い洞察、そしてコミュニケーション/マーケティング/プロモーション施策の立案に生きる知見を皆さまと共有したいと思います。

今回はイントロダクションということで、いささか概念的な話が続きましたが、次回以降はインタビューや密着取材を通じて、ティーンフルエンサーのマインドやライフスタイルをより具体的に描き出していきますので、引き続きよろしくお願いします!

女子高生ミスコンとの協業/今後のリサーチの展開について

このプロジェクトは、女子高生ミスコン/男子高生ミスターコンを主催するエイチジェイと私たち電通ギャルラボとの協業リサーチです。エイチジェイの協力のもと調査対象者を集め、取材しています。

★女子高生ミスコン
10月5日~10月15日までのSNS投票を経て、10/27〜12/8までプリ機投票とSHOWROOM審査を現在実施中。ぜひご注目ください!

★男子高生ミスターコン
現在10名のファイナリストによるドキュメンタリー番組が、AbemaTVにて毎週日曜20時-21時で放送中です。こちらも併せてご注目ください!