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ティーンフルエンサー大解剖No.2

“日本一かわいい女子高生 ?!“の実態をさぐってみた!
ティーンフルエンサー的★支持率の集め方

2018/01/15

連載第1回では、人々の興味の幅が従来のマスに対してだけでなく、ニッチなものにまで広がってきたことを「ティーンズ・カーブ」という図で紹介しました。

そのニッチなジャンルのうちの一つが、今回私たちが注目している「ティーンフルエンサー」(ティーンのインフルエンサー)です。彼女たちの存在は大人こそ知らないものの、同世代の若者から大きな支持を得ています。

・彼女たちがなぜ支持されているのか?
・彼女たちを支持している人たちは何を求めているのか?

連載第2回ではこれらに焦点を当てて「大人が知らない女子高生の世界」をひもといていきます。今回のインタビュー対象は「女子高生ミスコン2016-2017」の準グランプリと審査員特別賞の受賞者2人です。選抜過程で彼女たちの自己PRの場にもなったLINE LIVEを使ってインタビューをしました。

審査員は同年代!SNS時代のミスコンとは

「ミスコン」といえば、選考の主な基準はあくまでも「美」であり、審査員はその道のプロであることが多いのではないでしょうか。それに対して「女子高生ミスコン」では出場者と同年代の若者が審査員になります。

ファイナル審査まで彼女たちが公の場に姿を見せることはほとんどありません。では彼女たちはどのように支持率を上げるかというと、それまでの期間、SNS(Twitter、Instagram、LINE LIVE)を駆使して自分を表現していき、個人で「いいね数」や「視聴回数」を上げるための努力をしていきます。そして、それを見て応援したいと思った同年代の若者たちが審査員となって投票をする仕組みです。

つまり、ファイナリストに選ばれるには出場者自身が“注目のつくり方”を知っている必要があり、同世代からの“共感喚起力”がないと「いいね数」も「視聴回数」も稼げません。これはデジタルネイティブ世代だからこそ持っている能力。その手法は大人たちにはまねできない独自なものとなっています。

キーワードは「空気を読むセルフプロデュース術」

では、彼女たち独自の“注目のつくり方” “共感喚起力”とは一体、何なのでしょうか?

彼女たちは今でこそ事務所に所属し、メディアへの露出があるものの、ファイナリストに選ばれるまではごく普通の女子高生でした。そんな彼女たちがSNSで上手に自己表現ができた理由は、

・知らない人に見られることに慣れている
・反応すべき相手・情報に対する目利きがある、距離感の取り方が分かっている
・知らない人に対する共感力がある

が挙げられます。知らない人に自分の顔を見られることに対して抵抗がないのは、彼女たちの世代ならではです。

また、インタビュー中に感じたことでもありましたが、彼女たちは非常に「素」で接してくれることが印象的でした。話を聞いていくうちにコンテスト中に意識したことは、

・自分へのリアクションに全て反応するように心掛けた
・同世代の悩みに対して、自分なりの意見で答えるようにしていた

ことだといいます。

インタビューによって分かったティーンフルエンサーの心得3カ条

①SNSでは自分のキャラクターを押し出す
ゆま:Twitterではカジュアルな話題。Instagramでファッション
みなみ:LINE LIVEは今ファンとつながるためには欠かせない!
②ファンとのインタラクティブはティーンフルエンサーの基本
ゆま:リクエストで踊ったり歌ったり一発芸やったり
みなみ:会話。悩み相談をする
③同性ウケできる人こそがティーンフルエンサー
同世代の女の子のニーズに応えるために、
メーク、ダイエット、美容…情報発信をすることで注目度が上がる

ジャスミンゆま
亀井南美

いわゆる昔のカリスマは「盛る」という行動によって自分を精いっぱい大きく見せており、そのカリスマ性の武装でファンを集めていました。一方で、今、共感喚起力がある子は、自分のダメな部分を見せることに躊躇がなく、「わたしもダメだったけど、こうして頑張ったよ!」とファンに寄り添う姿勢に変わってきています。

一番の驚きは全くの他人に対して、その人のSNSアカウントや投稿から、どんな返事が喜ぶのか読み取れる能力があること。ファンの欲しがっているレスを読み、返してあげられる。この能力が“注目のつくり方”“共感喚起力”につながっていると考えられます。

まとめ:小さなコミュニティーを生みだすティーンフルエンサー

ティーンフルエンサーの魅力はどこにあるのか? クラス、部活、習い事、趣味…世の中には数え切れないほどのコミュニティーが存在していますが、今まではその中でカーストが発生していました。

女子高生のコミュニティー

しかし、ティーンフルエンサーはユーザーの求めている情報を視聴者と同じ目線で発信することによって、そこに集まる支持者だけで自ら小さなコミュニティーをつくり出しています。

また、そのコミュニティーはグルーピングされているかのように見えて、ティーンフルエンサー⇔ユーザーの1対1の関係性です。しかもその小さなコミュニティー内では、ティーフルエンサー本人以外とは常に対等な立ち位置でいることができます。

ユーザー同士が直接関わる機会は少ないですが、SNS上ではティーンフルエンサーと他ユーザーとの会話がオープンなので間接的に“自分が好きな対象”を他人と共有したことになります。リアルでの人間関係や立場を切り離してコミュニケーションを楽しめる場、それがユーザーの求めているものではないでしょうか。


女子高生ミスコンとは?

全国で女子高生は約172万人。その中で37万件以上のエントリー(2016年度実績)を獲得しナンバーワンを決める、女子高生が選ぶ女子高生のためのミスコン。このミスコンの新しいところは、日本全国に設置されているプリクラ機でエントリー&投票可能なところ。選考過程では一般の方が主体となり、グランプリ決定までの過程を視聴者参加型で楽しめます。

亀井南美
亀井南美 女子高生ミスコン2016-2017準グランプリ/フリュー賞
ジャスミン友茉
ジャスミン友茉 女子高生ミスコン2016-2017審査員特別賞

オフィシャル番組
https://www.youtube.com/channel/UCEeyy_fypedVHh1Lscu16CQ

Twitter
http://j.mp/JKmisscon_Tw

Instagram
https://www.instagram.com/jkmisscon17/?hl=ja

つまり、ティーンフルエンサーとは「自分の欲求を自分の欲しているレベルで満たしてくれる」ユーザーにとって非常に心地よい存在なのです。