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「地域活性化」が難しい二つの理由 

ろーかる・ぐるぐるNo.123

2018/01/11

「地域活性化」が難しい二つの理由 

おせち1
おせち2
osechi
おせち4
おせち5

いつも通りのおせち料理を、母とぼくと妻。いつも通りのメンバーで囲むお正月。その準備で母が疲れ切っているのも、いつも通り。香川県高松式「あん餅」の雑煮が良いか、角餅すまし汁が良いか。年明け早々の小競り合いもいつも通り。特にお客さまもなく、近所に初詣に行く以外することもなく、ダラダラするのも、いつも通り。

こんな日常に幸せを感じるなんて、やっぱりぼくも老けたものです。

さてさて。先日電通で1年間研修を受けている自治体の方々とお話しする機会がありました。『ウォールデン 森の生活』の著者H・D・ソローも「老人は事実上、青年に対してほんとうにたいせつな助言を与えることなどできはしないのだ」と言っています。当日は資料を準備して一方的に「講義」する代わりに、じっくり、ざっくばらんな「議論」をしました。テーマは「地域活性化のプロジェクトって、何が難しいんだろう?」。率直に悩みを語り合ったところ、論点は大きく二つに集約されました。

研修生の皆さま
研修生の皆さま

一つは「そこに目的はあるのか?」「実は目的が曖昧なケースが多い」ということでした。なんとなく「地域を活性化する」という方向性は共有していても、具体的にどういう状態を目指すのか、その姿をハッキリ共有しないままプロジェクトがスタートすることも珍しくないようです。

たとえば、ほとんどの自治体にとって「人口減少に歯止めをかけること」は大きな目的です。しかしあまりに実現が難しいので、しばしば「都市名の認知を獲得すること」に目的をズラします。さて。もしここで言う「認知」が世の中に広く名前を知られていることなら、それって本当に必要なんでしょうか。「神山の奇跡」と呼ばれる徳島県神山町や「子育てをする共働き世帯」を狙い撃ちした千葉県流山市は、そんなに「認知が高かった」のでしょうか。たぶん「認知」はあっても邪魔になりませんが、「認知が高いから、人口減少に歯止めがかかる」わけでもなさそうです。とすると、なんのために「都市名の認知獲得」をしようとするのか、分からなくなっちゃいます。

もう一つの悩みが「そこに人はいるのか?」「現状を本気で変えたいと願っている人がいるケースが意外に少ない」ということでした。

たとえば「シャッター商店街は、本当に困っているのか?」。確かに困っているところもあるのでしょうが、そこの不動産価値が今でも十分残っていたり、あるいは住居として利用していたりで、変に活性化されることを望んでいないケースを、ぼくも知っています。

あるいは、日本全国で一次産品のブランド化が盛んに行われていますが、意外に「よそがやっていないようなことにチャレンジして、独自のブランドをつくろう」と考える人は少ないものです。たとえば、貴重な和牛肉も、すでにいくつかのグループの海外進出が完了してビジネスが始まっているところに全国のブランドが横並びで一斉に売り込みをかけたため、最近アジアのとある国では商品の過剰供給から「値下げ競争」すら始まっていると聞きました。

有名な「ゆでガエル」ではありませんが、横並びの取り組みしかできないのであれば、なかなか現状を打破できないでしょう。

考えてみると「経営レベルで明確なビジョンがある」こと(つまり「目的が明確なこと」)と「変革の主体となるミドルマネージメントがいる」こと(つまり「主体的に頑張る人がいること」)は、企業のイノベーションをお手伝いする際にも欠かせない二つの要素です。その点、民間も行政も変わりはないのですね。

それにしても、参加してくださった若き公務員の皆さんの熱いことといったら! よく言われる「無難だけど、お堅い公務員」イメージとは程遠く、率直にホンネをぶつけ合うことができたので、とても刺激的な時間でした、

さぁ。今年一年、老け込むことなくいろんなことにチャレンジをして、またこのページでご報告しようと思います。

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