2018年デジタルの10大潮流No.9
スマートシティーがあらゆるデータを活用する
2018/02/27
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークのカラが発表した「TOP 10 TRENDS」から、2018年のデジタルの10大潮流を紹介する。
今、人々はさまざまな場所に移動してウーバーや「CityMapper(シティーマッパー)」、「Waze(ウェイズ)」、「Strava(ストラバ)」などのアプリを使い、都市はそれらのデータを取り込んでいる。次は車や信号など、ネットワークに接続されたあらゆるモノから取得したデータを利用する段階へと進むだろう。取得したデータをどのように活用しているのか、いくつかの事例を紹介しよう。
ランニングやサイクリング用アプリの「Strava(ストラバ)」は、都市プランナーが同アプリのデータを使って情報を取得していたことを知り、そのデータをより有効に活用してもらえるようコンサルティング部門を設置した。
グーグルのナビゲーションアプリの「Waze(ウェイズ)」は、都市計画に携わる人々や交通機関とデータを共有し、リアルタイムで交通の流れをチェックしたり、今後の計画を立てたりできるようにしている。
ナビゲーションアプリの「CityMapper(シティーマッパー)」は、独自のデータからさまざまな洞察を得て、夜間運行バスの新ルートなどのサービス開発に活用している。
太陽光発電システムの都市設備を開発しているストロベリーエナジーがつくったスマートベンチは、無料Wi-Fiの提供と充電機能を備えている他、花粉の飛散量や大気汚染度、気温をモニターしてくれるという。
オーストラリアでは、センサーを使ったスマート電力ネットワークをつくり、エネルギー需要の正確な予測に役立てている。韓国の高陽市は、センサーネットワークをつくって火災や砂嵐の検出をサポートすると同時に、高齢者の居場所もモニターしているようだ。そして中国のアリババは、スマートシティー化のための技術を提供する契約をマカオ市と締結した。
スマートシティーは、すでに多くのデータを屋外広告のターゲティングに用いている。また、スマート・ストリートファーニチャーやスマート・トランスポーテーションなど、新しい技術を提供する機会はこれからますます増えるだろう。そして、その一部は民間が出資する可能性も考えられる。