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2018年デジタルの10大潮流No.10

ブロックチェーン技術がもたらすもの

2018/02/28

前回に引き続き、電通イージス・ネットワークのカラが発表した「TOP 10 TRENDS」から、2018年のデジタルの10大潮流を紹介する。

10-1

ブロックチェーンは、AIやビッグデータと同じく、誤解されることが多いバズワードだ。ブロックチェーンとは、暗号を用いて信頼できるユーザー間でネットワークをつくる技術のこと。集団間の取引を、検証可能で透明性が高く、改ざんできないような方法で記録できるのが特徴だ。

この技術を使った最も有名な例がビットコインだ。この通貨には、取引を裏付ける中央官庁や中央銀行は存在しない。その代わり、全ての取引はコミュニティーにまとめて保管される記録によって裏付けられている。

ブロックチェーンは、DApp(分散型アプリケーション)と呼ばれるアプリを構築する際の基礎となる技術、またはオペレーティングシステムのことである。その意味では、グーグル、フェイスブック、インスタグラムをはじめ、数十億人が使用しているサービスの構築に使用されているHTMLやiOSと同様の役割を担うものといえる。17年には、上記の企業のように生活を一変させるようなブロックチェーン用アプリを生み出すため、さまざまなプロジェクトに8億ドル以上の投資が行われた。

10-2

初期のブロックチェーン活用例をいくつか挙げてみよう。

・食品
中国では食品の生産地から販売店までのトレーサビリティを簡易な方法で消費者に証明すべく、さまざまな企業を通して追跡している。

・旅行
個々の旅行者と旅行業者との間に直接的で一対一の信頼関係を構築できるので、旅行情報比較サイトを使う必要がなくなる。

・メディア
広告主と媒体社との間で取引を行い、個人に対して透明性が高く信頼できるメッセージを届けられる。

プログラマティックが過去5年間で変革をもたらしたのと同じように、ブロックチェーン技術は今後5年以内にメディア業界を変える可能性がある。今はまだ応用の初期段階だが、ブランドはその技術を理解し、信頼性や透明性の課題を解決するためにどう役立てられるかを考える必要がある。

また、メディアをはじめとするさまざまなブランドは、今後登場する新しいエコシステムに対して、自分たちがどこに適合できるかを理解しておくことも必要になるであろう。

【Carat's 10 Trends for 2018】

  1. ECと小売が融合する
  2. 顧客ロイヤルティーとポイントシステムの進化が止まらない
  3. 強まる中国ブランドの影響力
  4. ニッチ市場を狙え!
  5. 拡大する「音声」の可能性
  6. 異業種のパートナーシップがイノベーションを起こす
  7. 体験の共有が鍵になる
  8.  拡張マップが新しい体験を生む
  9. スマートシティーがあらゆるデータを活用する
  10. ブロックチェーン技術がもたらすもの