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食ラボの視点 ~「食と○○」を考えるNo.6

「食の7つのテーマ、7年後の予言」を考える~1.ファミリー

2018/06/07

ニッポンの「食」の行方を、電通「食生活ラボ」のメンバーであれこれ考えてみました。例えば今から7年後の2025年には、この国の「食のシーン」は、どんな様相を見せているでしょうか? 掲げたテーマは7つ。それぞれの分野で知見を積む「食生活ラボ」メンバーが考えた、近未来の予想図です。

あらゆる局面がシームレス化する「家族の食卓」

家族の「食」には、「こうあるべき」という束縛があります。家で食べるべき、手作りにすべき…など。今後はそういった“べき論”から解放され、シームレスになっていくのではないでしょうか。

例えば、家族が食卓を囲む「場所」。ワーキングママや、パパの家事・育児参加が増えれば、家のソト・ウチや役割分担といった境界は薄れていきます。一方、家族で食事をしたい気持ちはあり続けるはず。その中で場所は問わなくなると考えます。

私も2児の母ですが、時間のない日は最近増えてきたイートインなど、外で日常食を済ませたくなります。今はそこに罪悪感がありますが、今後は共働きが増えると「場所よりも、大事な人と大事な時間を過ごす方が大事」という感覚にシフトするでしょう。

それを後押しするのがテクノロジーの進化です。外で済ませるにしても、家庭の味をちょい足しできるアイテムや、外で再現できる“場所”が出てくるかもしれません。

イラスト:大嶌美緒(電通「食生活ラボ」)

料理の内容も同じで、「手作りであるべき」という考えから徐々に解放されていくのでは。冷凍食品なども高品質になり、むしろ「家族と過ごせる時間が増える」とも捉えられるはず。そうした感覚が増え、「こうあるべき」という垣根は消えていくと思います。


 
人が生きていくための源であるからこそ、生活のあらゆる面と影響し合い、社会構造の変化や文化の潮流までも映し出す「食」。電通「食生活ラボ」は、そんな食にまつわるソリューションを提供することで、食を通じて世の中を良くしていくことを目指すプロジェクト。各種の得意分野と知見を持つメンバーで社内横断的に構成され、その社外にまで広がるネットワークを生かしたラウンドテーブル型のイノベーション創出に取り組んでいる。現在、社内構成メンバーは約20人。プロジェクトの源流は1980年代前半にまでさかのぼり、以来各種の知見の蓄積とアップデートを続けている。