食ラボの視点 ~「食と○○」を考えるNo.11
「7つのテーマ、7年後の予言」を考える~6.外食
2018/07/10
ニッポンの「食」の行方を、電通「食生活ラボ」のメンバーであれこれ考えてみました。例えば今から7年後の2025年には、この国の「食のシーン」は、どんな様相を見せているでしょうか? 掲げたテーマは7つ。それぞれの分野で知見を積む「食生活ラボ」メンバーが考えた、近未来の予想図です。
「エンタメ化」と「AI化」、そしてシェフはイノベーターに
2025年の外食は「エンタメ化」と「AI化」が進んでいると思います。まずエンタメ化ですが、これはすでに始まっている事象です。外食は、ハレの日に食べる外食と、日常食を簡単に済ます外食の2種類に分かれますが、エンタメ化は“ハレの日”のもの。
SNSにより、今の食はおいしさと共に、つい写真や動画に撮ってシェアしたくなる「体験」が重要です。グルメイベントが流行しているのは、青空の下でビール片手に料理を楽しんでいる「体験」を共有したい、という傾向の象徴です。そういったエンタメ化は今後さらに加速するでしょう。
次にAI化ですが、未来ではSNSのビッグデータをAIが分析して、流行のメニューをタイムラグなく、瞬時にアウトプットする外食産業が増えるでしょう。
さらに、大衆チェーン店の調理現場は、ロボットでオートメーション化されると思います。深刻な人手不足という業界課題からも、その流れが顕著になるはずです。
とはいっても、人間の作業がなくなるわけではありません。今までにない新たな料理や調理法の発明は、人間の役割です。料理人が“イノベーター”として新たな領域を開拓し、それを基にAIがシステム化・自動化して料理を提供する。そのような流れが来るのでは?とみています。