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食ラボの視点 ~「食と○○」を考えるNo.12

「7つのテーマ、7年後の予言」を考える~7.ニュービジネス

2018/07/19

ニッポンの「食」の行方を、電通「食生活ラボ」のメンバーであれこれ考えてみました。例えば今から7年後の2025年には、この国の「食のシーン」は、どんな様相を見せているでしょうか? 掲げたテーマは7つ。それぞれの分野で知見を積む「食生活ラボ」メンバーが考えた、近未来の予想図です。

異分野のプレーヤーによる新しい食のカタチが次々と

ハレの日の外食などは今後もプロの料理人が主役だと思います。ただ、それ以外の食および食の周辺においては異分野のプレーヤーによるイノベーションが生まれていくと考えます。

実際その動きは始まっています。例えば最近「完全食」(人間に必要な栄養素を全て含んだ人工食品)が一部で話題になっていますが、その開発者はもともとIT企業に勤めていた全くの食の門外漢だったりします。異分野の発想や知識が新しい食を生む原動力になるのです。

食ビジネスについてはさらに顕著です。近年シェアリングサービスが盛んですが、海外では飲食店向けの「シェアキッチン」の誕生も。小規模の店舗にとっては、キッチンを共有すれば初期投資や家賃を抑えることが可能になります。これは飲食業というより不動産業のアイデアです。

イラスト:大嶌美緒(電通「食生活ラボ」)

日本の場合、副業解禁を機に“小商い”の隆盛が想定されますが、営業許可を得た業務用キッチンをシェアするサービスがあれば、一般の人でも自家製の料理で商売できる、そんな時代になるかもしれません。おいしさだけでなく、食をより豊かに楽しむための進化が、さまざまな人を巻き込みながらなされていくことでしょう。


 
人が生きていくための源であるからこそ、生活のあらゆる面と影響し合い、社会構造の変化や文化の潮流までも映し出す「食」。電通「食生活ラボ」は、そんな食にまつわるソリューションを提供することで、食を通じて世の中を良くしていくことを目指すプロジェクト。各種の得意分野と知見を持つメンバーで社内横断的に構成され、その社外にまで広がるネットワークを生かしたラウンドテーブル型のイノベーション創出に取り組んでいる。現在、社内構成メンバーは約20人。プロジェクトの源流は1980年代前半にまでさかのぼり、以来各種の知見の蓄積とアップデートを続けている。