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スマートホームの利用実態からポストスマホを考える

スマホの「次」の世界はどうなる?No.3

2019/01/31

スマートホームの利用実態からポストスマホを考える

スマート家電の主な利用機能は「スマホ連携」と「自動化」

この数年で、インターネット接続やAIスピーカーなどと連動した家電が急速に増えています。また住宅設備でもスマホなどとの連携が珍しくなくなってきました。いわゆる“スマートホーム”を構築する機器です。

しかし、家電や住宅設備は耐用年数が長く、話題になっているほど実際の生活に浸透していないのが現実ではあります。ポストスマホを考えるにあたり、今回はスマホ連携などの家電のインターネット接続や、人感センサー動作、音声操作に関する実態調査を見ていきたいと思います。

まず、電子レンジなどの白物家電、テレビなどの黒物家電、そして照明やインターホンなどの住宅設備の中で、インターネットにつながるものを保有している、もしくは音声操作や人感センサーを活用しているものがあるか聞いてみました。

グラフ1

結果は、最も普及の進むテレビでさえ20%強という状況。該当する機器の保有率はテレビとその周辺機器、照明、エアコンという順でした。

利用率で見てみるとどうでしょうか。利用率は保有率からは下がることもあり、該当する機器を何かしら一つでも使っている人は全体の25%程度でした。さらに個々の機器や機能を使っている人は、利用者総数からさらにブレークダウンされるので、それぞれのボリュームはとても少なくなります。

しかし、この先進的な生活をしている人たちの実態を知ることで、スマホの次を予感させる便利な生活が見えてくるのです。

ここからは、これらの機器が実際どのように使われているのかを見ていきます。
現在活用や普及が進んでいる機能は、「スマホ連携」と「自動化」の二つが大半を占めています。

グラフ2

「スマホ連携」は操作と通知で、「自動化」はON/OFFと最新化・最適化がメインです。以下、具体的に見ていきましょう。

「スマホ連携」はテレビ、スピーカーなど黒物家電で進む

「スマホ連携」の価値は、遠隔でタイマーセットができることや、スマホ上で設定を済ませれば機器に指示が送れることです。対応機器の保有率は黒物家電の方が圧倒的に高く、スマホ連携利用も白物家電に比べて進んでいることが分かりました。

グラフ3

従来、テレビの録画設定はテレビ画面の番組表から設定するもので、テレビが目の前にあることが前提でした。スマホで設定ができる状態であれば、出先でも録画予約ができ、家族でテレビを見ている時でも、皆が見ている番組を邪魔せず設定ができるのです。

これらは今に始まったことではなく、そういうことができると多くの人が知ってはいるのですが、生活に取り入れる機会がないのが現状です。

黒物家電以外でも、エアコンやお風呂などを外出先からタイマーセットすることができる環境も、とても合理的な機能だと思います。

スマホへの通知内容は、ロボット掃除機や洗濯機の作業完了やアップデートの完了、エラーのお知らせなど。どこにいても気付くことはもちろん、帰宅時に合わせて洗濯を終わらせておくような設定も可能です。

完了通知だけであれば、本体のアラームでもよいのかもしれませんが、エラー内容の確認や、タイマーはスマホで行った方が便利です。

私自身、洗濯機のエラーが出た時、エラーコードと洗濯機の型番を調べてインターネットで対応を確認したことが何度もあります。今後はこういった確認作業に加え、サポートセンターとのやりとりなどもスマホがハブとなりどんどんシームレスになっていくのだと思います。

「自動化」が進む、照明、トイレ、エアコンなどの住宅設備

では、もう一方の「自動化」はどうでしょうか。こちらはスマホ連携以上に一般化が期待できる領域です。なぜなら、スマホというデバイスが不要であり、操作を覚える必要もないからです。

機器やテクノロジーにお任せする生活に違和感がなければ、誰もが利用する可能性があります。

ユニバーサルサービスという言葉がありますが、多くのサービスは操作が必要であり、そのためにUI(操作画面)をできるだけ分かりやすくすることが重要といわれています。

しかし自動化は、そもそも操作が不要ですので、基本的にUIは必要とされずUX(製品を利用した体験)のみを設計することになります。調査からは、主に住宅設備で利用が拡大していることが分かりました。

グラフ4

まったく触れずに自動で動作する機器で最も普及しているものは照明です。最近のマンションの多くが玄関周辺は人感センサーの付いた照明を設置していますし、電球自体にセンサーが付いたものも登場しているので、照明は最も手軽に自動化が導入できる領域といえます。

一般的なところではトイレも挙げられます。用を足した後、自動で洗浄をしてくれるトイレを設置しているご家庭も多いのではないでしょうか。

人感センサーや温冷感センサーの付いたエアコンも増えています。このセンサーによってリモコンでの温度変更や、電源を止めて温度調節をするような必要がなくなります。

これらの例は、インターネットにはつながっていませんが、簡単に自動化が導入できる領域はどんどん広がっています。

スマホ連携より自動化が便利⁉ スマホは確認のためのデバイスに

これからどうなっていくのかを考える時に注目すべきは、既に利用している人がこういったスマホ連携や自動化の「何を価値に感じ、どのような生活になっているのか?」という点です。

スマホ連携に慣れている人は、スマホで何でも確認や操作ができることが当たり前になっています。機器の近くまで移動する必要はありません。外出先からでも操作や確認ができるようになっているのです。

また、自動化の普及で操作をしないことに慣れていくと、何でも自動で快適な環境にしてくれることが当たり前だと思うようになっていくのではないでしょうか。

グラフ5

自動化に慣れた人の約半数が、他の人の家で操作をすることを忘れることがあると回答しています。お邪魔した家のトイレを流し忘れるようなことが、実際に起こっているのかもしれません。

さらにこの先、自動化に慣れた人が増えていけば、今度はスマホで操作や設定をすることを面倒に感じる人が増えていくのではないでしょうか。

例えば、照明が暗かった時に、AIスピーカーに「ちょっと暗いなぁ」と言うと、少し明るくしてくれます。そして都度明るさをセンシングして、そのデータストックを基に、利用者が最適化の操作をしなくてもいいように調節をしてくれるようになります。

最適化のデータのストックやデータを判断するAIもクラウドに存在するため、照明など現状は単体で自動化を実現している機器も、近い将来は、インターネットに接続することが当たり前になっていくでしょう。

ON/OFFだけでなく自動で環境を最適化するための機器が家庭に多く存在し、それらのマネジメントをクラウドサービスで行う場合、スマホはPC同様、単なる確認デバイスとなっていくことが推察できます。

確かにスマホは便利で、みんなが持っているデバイスなので、ついつい連携をしたくなりますが、自動化は、最も手間がかからないサービスです。家電のスマホ連携は過渡期のサービスになる可能性は否めません。スマートホームからもポストスマホの兆しが見えてきています。

【電通調査2018 概要】
スクリーニング調査
 調査時期:2018年12月
 調査手法:ウェブアンケート調査
 調査対象者:全国15~59歳男女
 調査サンプル数:20,000ss
 ※エリア、性年代は人口構成比に準ずる

本調査
 調査時期: 2018年12月
 調査手法:ウェブアンケート調査
 調査対象者及びサンプル数:スマートな白物家電・黒物家電・住宅設備利用者各300ss/自動で動作する住宅設備機器利用者 75ss
 ※スクリーニング調査における保有者の性年代構成比に準ずる

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