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スマホより便利? AIスピーカー利用実態から見えること

スマホの「次」の世界はどうなる?No.2

2018/11/19

スマホより便利? AIスピーカー利用実態から見えること

モバイルデバイスの利用実態調査や新たに登場したデジタル機器の調査から生活者の心理を探り、ポストスマホについて考える本連載。今回はAIスピーカーの利用実態調査から見えてくる、ポストスマホの兆しを探ります。

AIスピーカーを使い続けたい人は9割以上!

昨年以来、AIスピーカーが複数発売されています。AIスピーカーが日本国内で簡単に買えるようになってから約1年がたち、どのくらい普及しているのかを調査したところ、保有率は8%でした。

8%には家族が購入したものも含まれるため、実購買者はこの数字より少ないということになります。一般的な普及まではもう少し時間がかかりそうですが、AIスピーカーの利用実態に、これからのヒントが多く含まれています。

保有率グラフ

AIスピーカーを現在利用している人のうち、今後は利用しなくなるだろうと回答した人は約5%でした。逆にいえば9割以上の人が今後も使い続けるだろうと感じています。この定着率は非常に高いと感じました。

AIスピーカー購入理由のトップが「何となく便利そうだと思ったから」。高い定着率の理由は、使ってみると期待通り「便利」という実感があるからだと思います。

何ができるのか、使ってみないとよく分からなかったAIスピーカーですが、使ってみると、先進体験というより、今の生活を便利にしてくれる機能がちゃんとあったのです。

実際にAIスピーカーでどんな機能を利用しているのかも確認したところ、トップが「音楽を聴く」次いで「天気のチェック」という結果でした。この二つは、半数以上の人が利用している象徴的な機能です。

以下「アラーム」「ニュースの読み上げ」「インターネット検索」と続きます。正直、これらを見ると、特に新しいことはないと思われるでしょう。全部スマホでできる機能です。

しかし、AIスピーカーを持つと、AIスピーカーがあるところでは、これらの機能はAIスピーカーで使うようになります。ここが大きなポイントです。

利用機能グラフ

スマホの次を実感させるAIスピーカー

第1回で“スマホは環境である”ということをお話ししましたが、AIスピーカーはスマホ以上に環境という言葉が適切なデバイスだと思います。

テレビやエアコンの操作は本体に触れず、リモコンで操作することが大半だと思いますが、AIスピーカー利用者の家庭では、いくつかの機能が音声だけで操作できる環境が構築されています。

AIスピーカーは初期の設定時以外はほとんど“デバイスに触れません”。触れずに操作するデバイスの登場は、触れて操作するスマホの次を実感させているようです。

私自身、二つのAIスピーカーを利用していますが、AIスピーカーがある部屋にいるときは、スマホで何かを調べることがおっくうに感じることがあります。

目の前にネットにつながったPCがある仕事の環境とは違い、家では常にスマホが手元にあるとは限りません。食事を作っているとき、掃除をしているとき、洗濯をしているとき、手が離せないケースは多々あります。

今まではスマホが最も手軽なデバイスだと思っていましたが、AIスピーカーがある生活に慣れると、天気を調べるのも、音楽を聴くのも、AIスピーカーの方が楽で便利だと感じることが増えました。調査でも約半数の人がそのように感じていると回答しています。

感じたことグラフ

スマホは多機能で便利なデバイスであり、スマホを持つことによって買い物の仕方が変わったことも事実です。しかし、タッチパネルで操作するスマホ以外の方法で実行した方がもっと楽で便利な機能もあります。

全てスマホに集約される、というような未来を想像していた方も多いと思いますが、AIスピーカーの登場とその利用実態を見ると、今のスマホは過渡期にあると捉えることもできます。

機能ごとにデバイスを使い分けることは、生活者にとってストレスになることもありますが、音声だけでよいことや、フィードバックに画面表示が必要ないものは、どんどんスマホから切り出されていくと思います。

まずは音楽や天気、タイマー、家電の操作、ニュースや自分あてのメッセージの通知などがAIスピーカー経由になっていくでしょう。

一部の先進層で起こっていることは、時間経過とともに一般的な行動に変化していきます。AIスピーカーはじわじわと普及し、多くの家庭の当たり前になると思います。AIスピーカーの普及とともに、AIスピーカーと連動可能な家電も増えていくでしょう。音声で家電が操作できるようになると、スマホも音声で操作する領域が増えてくるかもしれません。

生活者の行動変化は既に起こっています。これからの当たり前を見つけるためにも、新たなサービスやデジタルデバイスによる兆しの発見と、一般化の可能性を引き続き探っていきます。

【電通調査2018 概要】
スクリーニング調査
調査時期:2018年9月末
調査手法:ウェブアンケート調査
調査対象者:全国15~59歳男女
調査サンプル数:20,000ss
※エリア、性年代は人口構成比に準ずる

本調査
調査時期:2018年10月上旬
調査手法:ウェブアンケート調査
調査対象者及びサンプル数:全国15~59歳男女AIスピーカー利用者 300ss
※スクリーニング調査における保有者の性年代構成比に準ずる

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