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「2018年 物販系ECプラットフォーム広告費の推計調査」解説―急拡大する物販系ECプラットフォームの広告市場規模は1123億円

2019/07/29

「2018年 物販系ECプラットフォーム広告費の推計調査」解説―急拡大する物販系ECプラットフォームの広告市場規模は1123億円

24時間いつでも買い物ができる。お店に行く手間が省ける、世界中のあらゆる商品が手に入る―。

Eコマース(EC)、いわゆるネットショッピングがスマートフォンの普及によって日常化しています。そして「広告市場としてのECプラットフォーム」にも熱い視線が集まっています。

電通グループ3社(D2C/CCI/電通)は、2018年の国内の物販系ECプラットフォーム広告費を推計、また2019年の予測も発表しました(※広報リリース)。市場拡大の背景を、電通メディアイノベーションラボの北原利行が解説します。

北原利行氏(電通メディアイノベーションラボ)



2018年の物販系ECプラットフォーム広告費は1123億円

ECプラットフォームにおける広告出稿への関心が高まっています。電通グループが今年発表した「2018年 日本の広告費」でも、「ECプラットフォーム上の広告が増えている」というトピックを取り上げました。

経済産業省の推計によれば、2018年の国内におけるB to C-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は17兆9845億円(前年比109.0%)です。

そのうち物販系が9兆2992億円(前年比108.1%)、飲食や旅行などのサービス系分野は6兆6471億円(前年比111.6%)、ゲームや電子出版などのデジタル系分野は2兆382億円(前年比104.6%)となっています。

構成比でみると、EC市場全体の51.7%、ほぼ半分を物販系が占めています。次いでサービス系が37.0%、デジタル系が11.3%です。

ECプラットフォーム広告費 内訳

電通グループではこうした状況を受け、成長著しいB to C-EC市場においてもっとも規模が大きく、広告販促活動が拡大していると思われる物販系分野にフォーカスし、「物販系ECプラットフォーム広告費」(※)の推計調査を実施しました。

※生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物販系(物品販売系)ECプラットフォームにおける広告費が本調査推計の対象。旅行サービス、金融サービス、チケット販売、飲食サービス、理美容サービス、オンラインゲーム、電子出版、有料動画・音楽配信などのECプラットフォームにおける広告費は対象外。
 

その結果、2018年における物販系ECプラットフォーム広告費を前年比120.6%の1123億円と推計しました。

「2018年 日本の広告費」における「インターネット広告費の伸長率」は118.6%でしたが、物販系ECプラットフォーム広告費はそれよりも高い割合で、急速に伸びていることが分かりました。

物販系ECプラットフォーム広告費 2018
推計範囲:主に物品販売を行うECプラットフォーム上で取引された広告の年間取引額。

2019年の物販系ECプラットフォーム広告費の見通しについては、さらに成長速度が加速し、前年比128.3%という伸び率で、1441億円まで拡大すると予測しています。

今回の調査の目的は、注目が集まっている物販系ECプラットフォーム広告市場がおよそどのくらいの規模なのか、その概略を把握することにありました。今後は、詳細な分析を進めるとともに、「日本の広告費」の中でどのように取り上げていくかを検討していきたいと思っています。

ECプラットフォームの広告が注目される背景と今後の見通し

いま、あらゆる商品・サービスがインターネット上で売買され、消費行動のかなりの部分がネット経由になっています。そうした流れに対応して、企業のマーケティング活動や広告活動がシフトしている状況は、物販系ECプラットフォーム広告費の高い伸び率にも顕著に表れています。

ECプラットフォーム上に掲出される広告は、実際にモノが売れる現場、消費の現場に近いところにメッセージを出せるというメリットが、広告主である企業から非常に高く評価されているのではないでしょうか。

「お客さまがいらっしゃるところに出す」のが広告の基本であり、ECプラットフォームはいわゆる店頭系プロモーション、OOH的な役割も担いつつあると言えます。

もうひとつ、インターネット上の広告にはいわゆるアドフラウド、ビューアビリティー、ブランドリスク等の問題がありますが、信頼できるECプラットフォーム上に自社の広告を掲出できることが、安心感にもつながっていると考えられます。

いまのところ、ECプラットフォーム上の広告は物販系、サービス系を問わず「サイト内検索」に連動して掲出されるタイプの割合が多くを占めていますが、今後もユーザーデータと連動する運用型広告が増えていくと思われます。利用者の検索履歴や購買履歴などに紐づくかたちの広告ビジネスが展開され、企業の広告活動、販促活動のプランニングにECプラットフォームが組み込まれていく未来像が垣間見えます。

大手を中心に多くのECプラットフォーマーが積極的に広告事業を展開する中、企業側もデジタルマーケティングを深化させていくために、ECプラットフォーム上のデータをさまざまなかたちで活用するようになっていくと見ています。