「○○ランキング1位!」美容系商材のランキングバッジ効果を徹底解明No.1
ランキングバッジは、ビューティーケア商材の販売にどれだけ効果的?
2019/09/13
「2018年○○が選ぶベストコスメ第1位」「○○クチコミランキング第1位」…。このようなフレーズが表示されたバッジを、最近よく見かけませんか?
雑誌やウェブメディアなどのパブリッシャー、口コミサイト、ECサイトなど、発信元はさまざまですが、このような「ランキングバッジ」(と私たちは呼びます)は、生活者にとって、ひとつの大事な情報源となってきています。
そこで電通と電通デジタルは、共同調査プロジェクトを立ち上げ、ランキングバッジが生活者にどの程度影響を与えているのかをリサーチしました。その調査結果を2回にわたってご紹介します。第1回はランキングバッジのメディア的な価値にフォーカスします。
口コミ情報の重要性が高まっている社会的な背景と、その延長線上にあるランキングバッジの意義。これらを把握することで、広告/プロモーション領域の知見が深まり、メディア提案の質向上につながるはずです。
なお、調査項目が多岐にわたるため、本記事ではデータを一部割愛して説明します。具体的なスコアが知りたい場合は、記事末尾の問い合わせ先までご連絡ください。
ビューティーケア商材の購入において、各世代で信頼される情報源は?
今回は、ビューティーケア(フェイスメイク、フェイスケア、ヘアケア、その他〈ボディケアなど〉)商材を例に、どのような情報源が信頼されていて、どのようなフローで接触されており、その中でランキングバッジがどのような位置づけになるのかを、調査結果に沿いながら概説していきます。
まずは、「どのような情報源が信頼されているか」を世代別に見てみましょう。
大まかな傾向ではありますが、世代別での差異が確かに見えてくる結果となりました。
20代以下は、SNS、インフルエンサー、口コミサイトの参照率・信頼率が高い一方で、商品サンプルやテスターの参照率が低いという結果が出ました。それは試さなくてもいいと思っているわけではなく、特に自分と近い「影響力のありそうな人やサイト」の情報によって、それを代替していると考えることができるでしょう。ネットとSNSで第三者情報を収集して、ランキングバッジのお墨付きで購入を判断する、といったパターンが想定されます。
30代は、口コミサイト、キュレーションサイト、ランキングバッジの参照率・信頼率が高い点が特徴です。商品サンプルなどの店頭系情報の信頼率が比較的低いということや、ネットで調べたことを最終的にランキングバッジで確認し、購入しているということを踏まえると、20代以下との連続性を強く感じます。
転じて50代は、商品サンプルやテスターなどで実際の使用感を確認してから購入を決めている点が特徴的です。不特定多数の口コミやランキングバッジよりも、実際の使用感やデパートの美容部員などを信頼しているといえるでしょう。また、テレビCM、雑誌、通販カタログといった伝統的なメディアの情報を頼りにする傾向があります。
40代はその中間的な特徴を持っています。広義な意味での口コミ情報よりも、自分なりの情報源や実際に店頭で体験したことなどを参照・信頼して購入しています。
購買フローのどこでランキングバッジに接触する?
次に、生活者は購買フローの中でどのような情報に接しているのかを、フェイスケア商材の「パーツケア」を取り上げて見てみましょう。私たちは、接する情報源のパターンによってクラスタリングを行い、五つのグループに分類しました。
ここでクラスター1「口コミ重視さん」の行動を時系列的に検証してみましょう。
今回の調査では三つのフェーズを設定しています。①商品に関心を持った「思い立ち期」、②より商品のことを知り、買おうか考える「検討期」、③実際に購入する「購入期」。それぞれの段階でどんな情報源を頼りにするのかを聴取しています。口コミ重視さんは、
①「思い立ち期」には、インターネット上の記事や美容情報を発信するインフルエンサー(特にYouTuber)との接点で情報を仕入れるようです。
②「検討期」の段階でもインフルエンサー(特にYouTuber)は引き続き頼りにされるとともに、ここでランキングバッジが参照されるのです。
③「購入期」になると、その商品についての具体的な口コミを探しつつ、背中の後押し的にランキングバッジを参考にするようです。
ランキングバッジは情報として、今どんな位置づけなのか?
ランキングバッジはユーザーからの評価を可視化したものであり、生活者が口コミを重視するようになったことの延長線上に位置づけられる現象です。調査結果をひもときながら確認してきたように、ブランドが発信するオフィシャルな情報を補完するものとして検討~購入フェーズで機能していること、特に若年層にとって信頼できる情報源としての意味合いを強めていることが確認されました。
詳細は本連載の第2回に譲りますが、ビューティーケア商材の消費行動が活発な18~29歳の若年層でランキングバッジが支持される傾向が、以下のようにデータで示されています。
今回は情報接触の観点から議論を組み立てましたが、次回はそれを下敷きに、どんな種類のランキングバッジが購買にどう影響を及ぼすのか、具体的にどういった点が生活者に見られ評価されているのかについて、電通デジタルチームが解説していきます。
調査結果に関するお問い合わせ先:電通デジタルap4@dentsudigital.co.jp