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未来を予測するキーワードNo.8

2020/01/15

社会課題解決ビジネスを育てる“コモンビジネス・バーチャル・ネスト”とは?

「言うは易し、行うは難し」ということわざがありますが、ネットを通じて資金調達や人材確保などができる現在でも、新しいビジネスを起こすのは容易ではありません。

アイデアは出るものの、実際に実行するとなるとリソースやノウハウ、人材の不足などの壁を越えられない。またはその壁を乗り越えたとしても大きくブレークスルーすることなく、そのまま事業停止に至る、といったケースも多いと思います。

起業や新規事業というとハイリスク・ハイリターンのイメージがありますが、モノ余り・低成長の現代の日本において多くの人に求められているのは、介護や高齢者サポートといった社会課題と結びついたローリターンのビジネスです。

このローリターンの社会課題解決型のビジネスを効率的に生み出す仕組みづくりという視点はまだまだ欠けており、ベンチャーキャピタル(VC)やファンド以外で新しいビジネスを支える担い手は少ないように思います。

いかにして、ローリターンでもサステナブルな新しい事業を生み出しつづけるか?そのアイデアの一つとして提案したいのが、「コモンビジネス・バーチャル・ネスト(地域コミュニティーの役に立つビジネスを仮想的に育てる巣箱)」です。

コモンビジネス・バーチャル・ネスト

まず、市場のような役割を果たす仮想空間(バーチャル・ネスト)をつくります。そこで、アイデアを出すビジョンプランナー、アイデアを技術と結びつけビジネスモデルをつくるストラテジスト、製品や顧客体験をデザインするデザイナーが参加し、仮想のビジネスコンセプト(製品やサービス)をバーチャル上につくり上げていきます。

そして、それを地域住民や有識者(リタイアしたシニア住民の活用も有効です)などのバーチャル・ネスト上の評価者が「仮想空間」上で評価します。さらに高い評価を得たものは、コンセプトをつくったチームと賛同した評価者が、実際のプロトタイプをつくりビジネス化を検討します。

コモンには、製品やサービスの受益者に近い立場の地域のステークホルダー(住民や企業)が主体的に参加する仕組みにする、という意味を込めています。

例えば、コモンビジネスを考える授業を地域の中学や高校に導入したり、新しいビジネスの誕生に大きく貢献した住民や企業に税制や公共スペースの活用などを優遇する、といった仕組みが考えられます。

高齢化や人口減少などにともなう社会課題が深刻化する日本では、この先も一般企業や政府、自治体でもカバーできない領域にある困りごとが増えていくと考えられます。ローリターンでも地域住民に必要とされているビジネスを育てる手法として「コモンビジネス・バーチャル・ネスト」は有効でなないでしょうか。


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