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女性オーディエンス・インサイト特集No.3

2020/04/14

01世代~46世代、12の世代の女性の価値観とは?

第2回では、女性のデジタルサービスを概観し、デジタルサービスの中にどのようなクラスターがあるかをご紹介しました。今回はテーマを変えて、10代後半から70代前半までを5歳刻みで価値観や傾向について詳細に分析します。

女性の5歳刻みの世代別特徴

具体的には、ライフスタイルや生活の中で好きなもの、美容関連の意識、人生観、他人との関わり、社会意識関連、消費意識関連、世代ごとに影響を受けてきた雑誌や漫画など、メディア接触の状況などを調査することで世代ごとの特徴を把握することを試みました。

図表1は、今回の調査で判明した各世代の特徴の一覧です。表頭の左から、各世代の名称、各世代をあえて一言で表した時の特徴、各世代において際立った特徴と関連した事象です。

【図表1】女性の5歳刻みの世代別特徴

五つの世代別特徴とは?

特筆するべき五つの世代別特徴を見ていきたいと思います。

① 見たかったテレビ番組は見逃したくない01世代
01世代は「見たいテレビ番組を見逃すと悔しい気持ちになるほうだ」の<非常に当てはまる>と<やや当てはまる>の合計が78.8%で他の世代に比べて最も高く、かつTVerやNHKオンデマンドなどのテレビ番組見逃し視聴サービスに<よく触れる>と<たまに触れる>の合計が46.4%と、こちらも全ての世代の中で最も高くなりました。

特に、前者は、ここ10年ほど叫ばれ続けてきた<若者のテレビ離れ>という現象を説明できない結果といえますが、調査対象地域が関東、中部、関西だったことの影響かもしれません。しかし、実際のところは、スマホネイティブで生まれ育った01世代、すなわちキャッチアップ世代とテレビとの距離はわれわれマーケティング従事者が思うより遠くないのかもしれません。

【図表2】テレビ番組の見逃し視聴サービス(TVer、NHKオンデマンドなど)
【図表3】見たいテレビ番組を見逃すと悔しい気持ちになるほうだ

② 96世代は、ギラギラするよりエシカル、堅実
96世代は「エシカル」と「フェアトレード」への興味が他の世代に比べて強いことが分かりました。前者は、倫理的に正しいということを意味し、エシカルに寄り添った商品サービスを利用するといった行動を取ったりします。後者は、開発途上国の生産者をサポートするためにフェアトレード認証製品を購入することなどを意味します。

96世代は、<非常に興味・関心がある>と<やや興味・関心がある>の合計が、エシカルで15.2%、フェアトレードで28.4%と全世代で最も高く、同世代は堅実なライフスタイルを実践しているエシカル世代であることが分かります。

【図表4】エシカルへの興味関心
【図表5】フェアトレードへの興味関心

③ 81世代は、矢沢あい作品の隠れファン?!
81世代は「矢沢あいの作品にはのめり込んだ」の<非常に当てはまる>と<やや当てはまる>の合計は43.2%となり、最もファンの多い世代であることが分かりました。81世代が小中学生の時に矢沢あいさんの作品が登場し始め、その時に読んだ体験価値がそのまま81世代の中で引き継がれていきました。

また、1999年には『NANA』が連載を開始しましたが、81世代が高校生くらいの時でした。思春期に経験したことがその後の価値観形成に大きな影響を与えるといわれています。81世代はコギャル世代の一角を占めますが、メンタリティー的には純朴な心根を持つ層が多いと当ラボでは考察しており、同世代の意識や価値観を読み解くには、矢沢あいさんの作品にヒントが隠れているかもしれません。

【図表6】矢沢あいの作品にはのめり込んだ

④ 日本経済低迷時代を乗り越えたPCネット世代
PC(パソコン)ネット世代は、大学生の頃にWindows95が発売されたため、PCインターネットに対する親和性が高く、それが故に多くのITベンチャー起業家を輩出した世代です。このPCネット世代は、就職氷河期にリクナビを使った初の世代で、その後も働き盛りの時にリーマンショック(2008年に発生。同世代が20代後半から30代前半の頃)が起きるなど、国内外の経済低迷の影響を受け続けました。こうした76年前後に生まれたナナロク世代ともいうべき層は、時代が変革していく荒波の中を生き抜いてきた世代といえます。

【図表7】わたしは、日本経済の低迷で困難や苦境にぶつかった世代だと思う

⑤ 紙媒体への関与が強い46世代
いわゆる団塊世代を含む46世代は、紙媒体への関与が他の世代と比べて強いことが分かりました。紙の雑誌に<よく触れる>と<たまに触れる>の合計が45.6%、紙の新聞が同じく66.8%と、全世代で最も高いスコアとなっています。46世代にリーチする際の紙媒体のポテンシャルの高さが今回の結果からうかがえることになりました。

実際の事例として、「50代からも輝く女性に」をスローガンにした雑誌『ハルメク』は2019年上半期の雑誌販売部数が24.8万部を超えて、女性誌販売部数で1位に輝きました(一般社団法人 日本ABC協会調べ)。同誌は、ウェブサイトでの情報発信の他、通販事業、リアルイベント、LINE上で公式アカウント開設など、さまざまな取り組みを行うことで読者の支持を獲得してきたことが奏功したといえるでしょう。

【図表8】紙の雑誌(電子雑誌/雑誌のオンラインサイトは除く)
【図表9】紙の新聞(新聞のデジタル版/新聞のオンラインサイトは除く)

時代背景も加味したインサイト構築で見えてくる価値観

価値観形成は、メディア環境の変化や影響を受けた情報コンテンツの他、物心ついたときにあったものなかったものなど、森羅万象ありとあらゆる物に影響を受けます。そういった複雑な構造を分解して可視化するのは一筋縄ではいきませんが、このように年齢階層を5歳刻みで分けて、各層の生まれ育った時代背景も加味することで各世代の価値観を比較的容易に見ることができます。そうすることで、より深いインサイトを構築することができるでしょう。

次回はデジタルサービスと雑誌の親和性について解説します。

【調査概要】
●調査名:女性年齢階層12区分調査
●対象エリア:関東(東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県)、中部(愛知県/岐阜県/三重県)、関西(大阪府/京都府/兵庫県/奈良県)
●対象条件:15~74歳女性
●サンプル数:3,000ss
●調査手法:インターネット調査
●調査期間:2019年11月1日~5日
●調査機関:ビデオリサーチ