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コロナ禍における企業PR活動No.2

2020/05/25

コロナ禍で広報は、メディアにどう情報を伝えるべき?

新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大に伴い、コミュニケーション領域のオンライン化が急速に進みました。企業の広報活動も例外ではなく、電通パブリックリレーションズ(以下、電通PR)にもオンライン化についての相談が急増しています。今回は特に「メディア対応」に絞って解説します。

<目次>
コロナ禍で急速に進む広報活動のデジタルトランスフォーメーション
オンライン会見での記者とのコミュニケーションをどうするか
コロナ禍でのメディアへの情報提供

コロナ禍で急速に進む広報活動のデジタルトランスフォーメーション 

まず、コロナ禍とメディア対応のこれまでを、時系列で簡単に振り返ってみましょう。

2月26日、政府によるイベント開催に関する自粛要請により、多くの企業が3月に予定されていた各種の記者会見やイベントについて中止・延期の判断をしました。実施する場合は、規模を縮小した上で、リアルとオンラインの併用が中心となりました。

4月7日の緊急事態宣言の発出後は、オンライン会見での対応が前提に。特に翌8日に、兜クラブで企業の決算説明会やリリース投函の自粛要請が出されてから、オンラインでの決算会見の準備に入る企業が増加しました。

さらに、6月に集中する株主総会については、リアルの場所を設けつつ、オンラインでの参加/出席を認める「ハイブリッド型バーチャル株主総会」に注目が集まりました。現在、そうした株主総会を実施および検討中の企業が46%に上ります(※企業広報戦略研究所調べ)。

直近では、新社長発表や、在宅勤務が長くなる中での従業員向けのメッセージ、顧客向けのオンラインコミュニケーション分野での当社への相談も増えています。ステークホルダーに応じたメッセージ開発や、顧客に飽きずに見てもらうためのオンラインコンテンツの工夫も課題となっています。

まとめると、下図のように、あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションにおいてオンライン化を検討すべき状況といえます。

広報活動においてオンライン化を検討すべきターゲット・オーディエンス
電通PR作成

オンライン会見での記者とのコミュニケーションをどうするか

コロナ禍が本格化し始めた頃、オンライン会見に関する相談の多くは「記者とのコミュニケーション(質問のやりとり)をどうするのか」ということに集中しました。

実際のオンライン会見の場では、これまで電話会議、チャット、質問受け付け用メール、個別に連絡など、さまざまな手法が試されました。会議アプリのビデオ画面の「反応マーク」をもって“挙手”とする方策をとった企業もありました。

そしてこの数カ月の試行錯誤の結果、電通PRがサポートしている企業では、「質問チャット」が定着してきたように思います。

チャットの活用では当初、記者からの質問を主催者側で一度集約して、代表的なものを選んで回答するケースが目立ちました。しかし最近では、「チャットの全質問を公開した方がフェアであり、関心の高い事項が参加者に分かりやすい」という判断が多くなってきています。

なお、「オンラインにすることで報道量が減るのではないか」という心配の声もありましたが、電通PRでサポートしたケースでは特に報道量が減った案件はありませんでした。むしろオンライン会見の映像や素材は、多くのメディアで活用されています。

メディア側の反応としては、当初は

囲み取材ができないと意味がない。

(オンライン会見を通じて)提供してもらう素材だけでニュースになるわけがない。

という声がありました。しかしコロナ禍が長く続き、オンライン会見が増加するに伴い、現在では、

外部の取材や撮影は相当抑えている。リモート映像をどう活用するかに完全にシフトしている。
(在京テレビ局 報道番組スタッフ)

と、確実に受け止め方が変わってきています。

オンライン会見の様子

オンライン会見の様子
オンライン会見の様子。上がスタジオ風景、下が記者向け画面

さて、記者会見に限らず、オンラインコミュニケーションでは相手の「反応が見えない・掴みづらい」という悩みの声もあります。そして相手の反応が見えないと、資料の読み上げに注力し、早口になってしまう傾向があります。

対面時と同じようにすることが重要ですが、オンライン会見時におけるスピーカーや司会者・担当者にとってのテクニックをご紹介します。

オンライン会見でのスピーカーや司会者・担当者のテクニック


コロナ禍でのメディアへの情報提供

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くのメディアに在宅勤務が導入され、出勤組・在宅組に分かれての対応が始まりました。

テレビ局ではロケやスタジオ収録の自粛が、出版社では発行日の延期などの対応がありました。また、ウェブメディアでは早くからオンライン取材への切り替えが進みました。

報道・情報番組では、キャスター間の距離を取り、ゲストがリモートで参加する風景も定着。最近ではテレワークで制作されたドラマも登場するなど、各種の取り組みが行われています。

そんな中、メディアからは、コロナ禍における企業からの情報提供について以下のような声が聞かれます。

さまざまな取り組みの中止・延期はあると思うが、企業からの情報提供は続けてほしい。コロナ関連以外のネタも引き続き追いかけている。
(在京テレビ局報道番組スタッフ)

生活者にとって必要な情報とは何か?企業として何ができるか?といった視点での情報が欲しい。
企業リリースが減って、ネタ不足気味になっている。
(新聞社デジタル編集部)

こうした状況の中で、企業からの情報発信事例を見ると、自社の強みや資産を生かした社会課題への活動と、その発信が特徴的です。

企業の社会的な活動に関する発信事例


今回は、企業の広報活動の中でも、主にメディア向けのオンラインコミュニケーションを中心に取り上げました。今後はさらに、各種ステークホルダーに向けたオンライン施策開発や、活用場面の多様化が想定されます。

各ステークホルダーに向けた広報活動のデジタルトランスフォーメーションは、関連部署にとっての最大のテーマになり得るでしょう。

次回は、「コロナ禍で評価を高めるPR~海外事例から見る五つの特徴~」の予定です。