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ビデオリサーチ調査
コロナ禍の中、志村さん関連番組などが高視聴率

2020/05/25

    ビデオリサーチは5月22日、新型コロナウイルス感染拡大が及ぼすテレビ視聴への影響について、4月の視聴状況を発表した。
    (グラフ・表=ビデオリサーチ提供)

    同社は4月23日付のリリースで、緊急事態宣言の対象が全国に拡大され、日本中で外出が減り、在宅勤務など自宅で過ごすことが増える中、2月以降の視聴率データとウェブアンケートによる意識調査を基にコロナ禍でのテレビ視聴について発表したが、今回は今年4月の視聴状況を昨年4月と比較し、時間帯ごとのテレビ視聴傾向や高視聴率番組の傾向などについて紹介している。(データはすべてテレビ視聴率調査・関東地区・2019年4月1日~30日および2020年4月1日~30日)

    関連記事:ビデオリサーチ調査 「 コロナ禍でテレビの見方はどう変わっているのか」[2020.04.24]

    1.時間帯別の視聴率からみる、生活者の行動の変化

    在宅勤務や休校でテレビ視聴が終日増え、朝のピークは7時台から8時台に移動
    ≪60分ごとの視聴行動比較≫
    1日のテレビ視聴の動きを世帯視聴率でみると、リアルタイムの総世帯視聴率は8~23時台で今年4月のほうが高いことが分かる。
    今年4月のテレビ視聴は1日を通して高い傾向が見られ、また、朝のピークには昨年と異なる特徴がみられる。昨年4月は7時台であった朝のテレビ視聴のピークが、今年4月では1時間遅れ、8時台に移動している。休校・在宅勤務・時差出勤など、起床時間がいつもよりも遅くなる要素が多かったことの影響が考えられる。(個人ベースの視聴を表す個人全体視聴率でも世帯視聴率と同様の傾向がみられる)

    12-18時の時間帯でのテレビ視聴が大幅に増加
    ≪時間帯別の視聴行動≫
    時間帯ごとの視聴率を見みると、リアルタイムの総世帯視聴率はグラフに示すすべての時間帯で昨年4月よりも今年4月のスコアが高いことが分かった。特に「12-15時」「15-18時」の時間帯では10ポイント程度、スコアの上昇がみられた。また、タイムシフト行動率も「12-15時」を筆頭に若干の上昇がみられた。
    (個人全体視聴率でも世帯視聴率と同様の傾向がみられた)
    12-18時は、通常であれば学校や仕事などのために外出している人が多い時間帯だが、休校や在宅勤務で在宅率が上昇し、テレビの視聴も多くなっていることが考えられる。

    2.高視聴率番組からみる視聴傾向の変化 ※スコアはすべて関東地区・個人全体視聴率

    【リアルタイム視聴率】
    コロナ感染拡大の情報に注目が集まり報道番組が高視聴率獲得 志村けんさん関連番組も軒並み高視聴率に
    今年4月と昨年4月を比較すると、トップ30の半数程度をバラエティ番組が占める傾向は変わらないものの、番組を個別でみていくと、上位には3月29日に亡くなった志村けんさんに関する番組がランクインした。
    さらに、今年4月は新型コロナウイルスについて取り上げているニュース番組や情報番組のランクイン数が増えており、在宅率の上昇、新型コロナウイルス関連の報道、ウイルスに罹患した有名人の訃報などが、視聴する番組に影響を与えていると考えられる。

    【タイムシフト視聴率】
    今年4月は新ドラマに加えて、バラエティや再放送ドラマもランクイン
    今年4月クールは放送が延期された新ドラマが多く、上位をドラマが独占した昨年4月に比べるとバラエティ番組のランクイン数が多くなった。また、過去に放送されたドラマの再放送(特別編・傑作選含む)が多くランクインしているのも今年の特徴といえる。

    【総合視聴率】
    志村けんさん関連番組・緊急事態宣言発出前後の報道番組が 高視聴率を獲得
     ≪総合高視聴率番組TOP30≫
    昨年4月はドラマが上位に多くランクインしていたが、今年4月はトップ10に1番組のみで放送延期の影響がうかがえる。代わって上位にランクインしているのはバラエティ番組・報道番組で、報道番組は特に4月6・7日が高く、緊急事態宣言発出前後のニュースへの関心の高さがうかがえる。

    同社は「前年同月と比較することで、今年の4月は生活者の環境の変化・編成の変化など特別な要素がテレビ視聴に影響を与えていることが分かった。今後、緊急事態宣言が解除された後も、働き方や余暇の過ごし方の変化など、新型コロナウイルスの感染拡大前と異なるライフスタイルが浸透していく可能性がある。
    当社は、今後もテレビ視聴率をひとつの切り口として、生活者の変化を捉えるよう努めていく」としている。
    プレスリリース:https://www.videor.co.jp/press/2020/200522.html