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“ワクワク”のスイッチをONにせよ。〜オンライン教育の本質と可能性〜No.2

2020/06/17

「ライフストーリー」にワクワクが隠れている

BBT大学ロゴ

床面積0㎡。日本初、100%オンラインで経営が学べるBBT大学。世界110カ国に居住する在学生が、サイバースペースに集結する。その最前線で教壇に立つグローバル経営学科長の谷中修吾教授に、オンライン教育の本質と可能性について聞いた。(第2回)

オンライン教育が注目を集める今、どうしても手法論に目が行きがちです。しかし、長年、100%オンラインのビジネス教育の現場に身を置いてきた私としては、オンラインであろうがリアルであろうが、教育の捉え方こそ命と思っています。前回お話しした通り、私にとっての教育とは、「ワクワクを思い出し、そのスイッチを入れる場」なのです。

谷中氏講義風景
谷中教授によるオンライン講義の様子。東京・麹町のスタジオから配信し、世界110カ国に居住する学生が受講。谷中教授はBBT大学の人気科目『マーケティング基礎』を教えている。


そのため、教育コンテンツを提供する中で、いかにしてワクワクと素直に向き合う機会をつくるかが重要になります。一体、どうすれば実現できるのでしょうか。私は、いつも、人の「ライフストーリー」に着目します。文字通り、「人生の物語(脚本)を紡いでいく」ということです。言わば、過去の自分も、現在の自分も、未来の自分も、同時に存在していて、映画の脚本家のように、全体を俯瞰しながら重要な出来事を見いだします。

すると、ライフストーリーの「軸」が見えてくるのです。その「軸」には、必ずといっていいほど、ワクワクの源流が隠れています。ライフストーリーを紡ぐ上で大きなヒントになるのは、「過去の自分」すなわち、自分のルーツとなっている原体験です。過去に熱中したこと、のめり込んだこと、情熱を注ぎまくったこと……。生々しい原体験を拾い上げていくと、不思議なことに、それぞれの「点」に共通する要素が見えてきます。

その共通項に基づいて再び原体験をひもとくと、さらに多くの「点」が見つかる。「点」をつなげると「線」になり、ライフストーリーの「軸」の出来上がり。そして、そこには、自分を突き動かすワクワクがひもづいているものです。つまり、原体験の発見が、ライフストーリーの「軸」を浮き彫りにし、ワクワクを思い出す出発点になると、私は考えます。

Air Campus イメージ
Air Campusの授業風景のイメージ

何事も「背景」(Background)にこそ、重要な情報が隠れているもの。科学でも、芸術でも、ビジネスでも、要は「その現象の背景にあるもの」をひもとくことで、気づきが生まれるわけです。背景が見えてくると、物語は動きだします。企業活動に例えるなら、マーケティングリサーチをすることで、世の中のニーズが見えてくる。そのニーズに応えるための商品が生まれる。その商品を流通させるために、自社のルーツに立ち返りながら、必要なコミュニケーションを考える。つまり、ストーリーが生まれるのです。

強い原体験は、ストーリーの「軸」になる。そして、改めて自らのルーツを認識して、本来のワクワクを思い出します。結果として揺るぎない軸が確立し、この時点で、もはやガイドは不要となります。軸が見えると、人は、勝手に動きだすのです。自分という物語の主人公が、ワクワクする未来へ向かって、どんどん歩み始めます。

ストーリーの軸が固まれば、魅力的な演出も浮かんでくる。その自己演出がまた、ライフストーリーをワクワクするものしてくれる。ワクワクの仕組みが分かってくると、もう、誰もワクワクをとめることはできません。

アバター卒業式
BBT大学では教授が自らワクワクをカタチにする。2020年3月、新型コロナに対応して、谷中教授が「アバター卒業式」をプロデュース。卒業生が自宅からアバターロボットを操作して、大前研一学長から卒業証書を受け取った。

BBT大学における私の授業やゼミでも、学部・院で学ぶビジネスパーソンそれぞれの個人的なライフストーリーを強く意識して対話します。マーケティングやスタートアップの講義でありながら、個人のワクワクに焦点を当てるのです。一度、自分でライフストーリーの軸に気づくと、人はパワフルに自走していきます。したがって、私がビジネス教育で行なっていることは、ビジネスの専門スキルの伝授を通じて、個人のライフストーリーの軸を浮き彫りにするきっかけをつくることといえるかもしれません。