loading...

言葉ダイエットNo.4

2020/07/15

いきなりパワポに向かうのは止めなさい

あなたの企画書、「企画書文学」になっていませんか

パワーポイントを立ち上げて、文章を打ち込んでいく。

そんなふうに企画書をつくる人は多いと思います。これは絶対にやってはいけない悪手です。

いきなりパワポに打ち込む人の企画書は、すぐに分かります。

  • 一文が異常に長い
  • 繰り返しが多い
  • カタカナ用語が連発される

例えば、次のような文章です。
 

ターゲット間における話題を醸成するために、衝撃的なインパクトのあるソリューションでエンゲージメントをドライブし、訴求ポイントをリーチさせます。


これが「企画書文学」です。世の中のほとんどの企画書が、この読みにくい文体で書かれています。

いきなりパワポに打ち込むと、企画書文学の型をなぞってしまい、似たような読みにくい企画書が出来上がるのです。

回りくどくて読みにくい企画書文学にサヨナラして、短く端的に書く。そんな文章術を僕は「言葉ダイエット」と呼んでいます。

『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』
『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』宣伝会議刊、215ページ、1500円+税、ISBN 978-4-88335-480-1

この記事では、「言葉ダイエット」で読みやすい企画書をつくる方法を紹介します。

下書きをしよう

いきなりペンでマンガを描く漫画家はいませんよね。まずは鉛筆で下描きをして、その後、ペン入れをします。

ビジネスパーソンも同じです。パワポはあくまでプレゼンの最終的な見た目を整えるためのもの。パワポを立ち上げる前に、下書きで内容を固めなければいけないのです。

下書きは、何でやっても構いません。ワードでもiPhoneのメモでも、付箋でも、頭の中で想像するだけ(僕は移動中によくやります)でもOK。あなたのやりやすい方法を選んでください。

まずは伝えたいことをリストに書き出します。その後、リストを取捨選択し、大まかな流れを決めます。ここまでやって初めて、パワポを立ち上げることが許されるのです。

「まとめ」でない。「ストーリー」である。

企画書における「文章の書き方」で大切なのは

  • 「させていただきます」禁止
  • カタカナ語を使わない
  • 修飾語を使わない
  • 具体的なことだけを書く

…といったポイントです。詳しくは本連載の第2回第3回をご一読ください。今回の記事では、書き方以前の、企画書の「内容」について説明します。

そもそも企画書は、提案のために作るものです。大辞林によれば提案とは「議案・考えなどを出すこと」。ざっくり言えば「私は、こう思っています!」が提案です。

しかし、多くの企画書は「私“も”こう思っています!」という内容になっています。自分の考えを伝えるのではなく、相手のことを「分かっていますよ〜」と忖度してしまう。

例えばコピーライターの仕事でも、大きな競合プレゼンほど「クライアントに忖度した企画書」になりがちです。受け手にしてみれば、新しい発見が何もないので、極めて退屈です。

企画書をつくるときは、「クライアントのオリエンのまとめ」や「市場状況のまとめ」ではなく、「ストーリー」を書くことを意識してください。ストーリーだと思えば、自ずからあなたの考えが盛り込まれ、受け手の興味を引く内容になります。

例えば、次の文章を見てください。広告会社がスニーカーメーカーに販促キャンペーンを提案している企画書です。

BEFORE:
御社のスニーカーは10代の若者がターゲットです。入学シーズンは繁忙期なので、需要増が見込めます。若者の生活に合わせたメディアでコミュニケーションをすることが大切です。
ここにはクライアントの知らない情報がひとつもありません。こんなスライドが2、3枚続いたら、すっかり飽きてしまうでしょう。

この単なる「まとめ」を「ストーリー」にしたのが、次の文章です。

AFTER:
御社のスニーカーは10代の若者がターゲットです。入学シーズンは繁忙期なので、需要増が見込めます。しかし、若者たち本人にとっては、繁忙期なんて関係ありません。青春を謳歌する上で必要だからスニーカーを買うだけです。コミュニケーションにおいても、若者のリアルな生活に合わせたメディアを選ぶことが大切です。
いかがでしょうか。この後に提案するメディアプランの内容が同じでも、印象はまるで変わると思います。そこに書き手の考えがあり、ストーリーがあるからです。

ビジネスにもあなたらしさを。

相手に嫌われたらどうしよう…そんな過剰な心配が、長くて読みづらい企画書文学の量産につながっています。最近はスライドを進めるたびに

「次のスライドに進まさせていただきます」

と断りを入れる人まで出てきました。

しかし、提案は本来、自己主張です。あなたらしく、あなたの考えを伝えましょう。まとめではなく、ストーリーにしましょう。そうすれば読みやすい企画書を、楽しみながら書けるはずです。

その他、企画書づくりのノウハウに興味があれば、ぜひ拙著『言葉ダイエット』をご一読ください。

新規CTA
新規CTA