コロナ禍の今こそ必要。社員の声を経営意思決定に反映する「WE.CAPTURE」
2020/07/20
多くの場面で企業の変革が求められています。
「コロナ禍の今、社員の働き方をもう一度考え直したい」
「企業ビジョンの強度・共感度を高めたい」
「PMI(企業統合による組織再編)に当たり、社員の本音を知りたい」
そんな経営層の声に対し、「企業の経営課題を解くカギは、実は現場の社員にあるのではないか?」という思いから、電通ビジネスデザインスクエア(以下、BDS)では、VISITS Technologiesの協力・技術提供により、社員一人一人の意見やアイデアを経営の意思決定に生かすサービス「WE.CAPTURE」をスタートさせました。
どのような課題に応えるサービスなのか、BDS高橋舞氏にその内容、活用例を教えてもらいました。
すべての従業員の個性を生かし、企業の未来をかたちづくる
BDSでは「愛せる未来を、企業とつくる。」をミッションに掲げ、さまざまなクライアントと共創プロジェクトに取り組んでいます。新しいクライアントに出会うたび、驚かされるのが企業ごとに異なる社員の皆さんの個性です。その個性をもっと活用することができたら、もっと愛せる未来がつくれるに違いない。そんな思いが、「WE.CAPTURE」が生まれるきっかけになりました。
私はこれまでいろいろな企業の組織変革プロジェクトに関わり、効果検証を担当してきました。でも、多くの場合、「この会社についてどう思いますか?」「どんなところに魅力を感じますか?」とES調査(従業員満足度調査)で自由に意見を書いてもらっても、すべてを読んで正しく分析するのは非常に困難です。かといって「五つの選択肢から選んでください」という定量アンケート方式では、その選択肢以外の意見を拾うことができません。
このような課題を解決するためのひとつの方法として、すべての従業員から意見やアイデアを網羅的に集め、ロジカルに評価・分析・可視化する「WE.CAPTURE」を開発しました。すべての従業員から意見を募るプラットフォームを用意し、集まった何百何千ものアイデアを定量的・構造的に可視化することで、経営の意思決定に資するものにすることが可能となります。1万人以上の大規模な企業でも対応可能です。
「WE.CAPTURE」では、まず従業員の皆さんに問いを投げかけ、オンラインで自由に意見やアイデアを出してもらいます。こうして集まった意見を、ただリスト化するだけでなく、従業員自身にお互いの意見を評価してもらいます。自然言語処理によって多様なアイデアをカテゴリー化されたマップとして可視化するとともに、各カテゴリーは評価結果から導き出された共感度スコアとして定量化されます。そのマップを元に、課題解決に向けたアクションを決めていく。こうしたプロセスにより、単に従業員の意見を集めるだけでなく、皆さんが本当に良いと思った施策、共感するアイデアに取り組むことができるのです。
さらに、例えば、「このアイデアは全社的にはあまり評価されなかったけれど、アメリカの従業員からは高く評価されている」「工場勤務の従業員からは共感されなかったけれど、営業部員からは評価が高い」といった、部署によるグラデーションも可視化できます。「会社としてはこの施策を打つけれど、個々の部署ではこの案を採用しよう」と、柔軟かつ論理的に施策のストーリーをアイデアの地図に加えていくことができます。
こんな時こそ従業員の声を。「WE.CAPTURE」活用例
このように、「WE.CAPTURE」は「社員の意見を聞いてみたいけど…」と思ったことがある、あらゆる場面で活用できます。どんな困りごとを解決できるのか、具体的な活用事例を紹介しましょう。
1.企業カルチャー変革・企業ビジョン策定
コロナ禍において、企業ビジョンの強度を高めよう、企業カルチャーを見直そうという動きが高まっています。同じ企業に勤めているにもかかわらず、本社勤務の従業員はリモートワークができ、工場勤務の従業員は現場でフル稼働。そんな働き方の格差が広がり、その会社で働く意義が見えにくくなっていたり、組織の求心力が低下していることがその要因です。経営層だけでなく、社員からも「こんな時代だからこそ、企業の未来を自分たちでデザインしたい」「私たちはどこへ向かうべきか考えたい」という声が上がっているそうです。
これからの時代、働き方はますます多様になるでしょう。でも、強いビジョンを掲げ、その志に共感する従業員が集まれば、どんな働き方であっても同じ目標に向かって歩いていけるはず。「WE.CAPTURE」なら、従業員からのリアルな声を共有し、企業ビジョンを策定できます。
2.事業変革・サービス変革
事業やサービスを展開する上で、従業員の皆さんこそ事業の課題をバリューチェーンの隅々まで知り尽くしているのではないでしょうか。課題に対し、時間をかけて問題点を見つけ、一つずつ解決していくのは非効率的です。どこをどのように改善すべきか、課題を発見し、取り組むべき優先順位を決定するのに「WE.CAPTURE」は大きな力を発揮します。
3.PMI施策の最適化
M&Aなどにより二つの企業を統合する時、文化の違いをどのように乗り越えるか、どのようにシナジーを生むかが大きな課題となります。私自身、統合から数年を経た企業に入社したことがありますが、やはり企業文化はバラバラのまま。システムや業務の統合はできても、人や文化、社の空気は何年たっても変わらないのだと痛感しました。そこで「WE.CAPTURE」では、統合される2社の企業文化の違いを可視化し、スピード感を持ってPMIを推進するためのサポートをしていきます。クライアントからのお問い合わせが多いのも、この領域です。
4.特命チーム組成
あるプロジェクトを立ち上げる時、参加メンバーを決めるのに苦労した経験はありませんか?「なんとなくこの人がいいような気がする」という勘と経験で、メンバーを選んだこともあるのではないでしょうか。でも、人選を間違えたためにプロジェクトの推進力が弱まることも。そこで役立つのが「WE.CAPTURE」です。
例えば事業変革を行う場合、事前に「WE.CAPTURE」でアイデアを出してもらえば、決定案に近い考えの従業員をプロジェクトチームにアサインできます。もちろん、あえて逆の考えを持つ従業員をメンバーに加えることも可能です。従業員から出されたアイデアに対し、他の従業員がどのように評価したかを分析し、ロジカルにチームを編成できます。
コロナ禍の今こそ、よりスピーディーに事業課題の解決を
「WE.CAPTURE」は、コロナ禍の今こそ、真価を発揮するサービスです。新型コロナウイルス感染症により、社会の変化が加速しています。このような状況下では、企業が次に何をすべきか、企業の成長を妨げている問題は何か、スピーディーに情報を集めて対応しなければなりません。そのためのヒントは、従業員の皆さんが働く現場にあります。BDSでは、コロナが引き起こす業務・事業課題に特化したパッケージ「WE.CAPTURE for COVID-19」も同時に提供しています。
ウイルスによって働き方がどう変わったのか。取引先との関係がどのように変わっていくのか。会社のビジョンはどうあるべきか。こうした声を現場からすくい上げ、企業として次の打ち手を決める上で、このパッケージは大きな武器になるでしょう。すべてがオンラインで完結し、最短3週間で意見をとりまとめられるため、スピード感をもって変革に向けた施策を打つことができます。
従業員中心で施策を考える、デザイン思考の企業経営
近年、人を中心に物事を設計する「デザイン思考」が定着しつつあります。大切なのは、人に寄り添い、問題を解決すること。新しい事業や企業文化をつくる時にも、トップダウンではなく、現場で働く社員を中心に問題に取り組むことが重要ではないでしょうか。いかにその人の視点に立って、物事を考えるか。そんな従業員中心の「デザイン思考」が、これからの経営のあり方にふさわしいのではないかと思います。
現場をよく知る社員一人一人の声に耳を傾ければ、ボトムアップ式で施策を打ち出すことができます。ダイバーシティーが叫ばれる時代だからこそ、「WE.CAPTURE」で全従業員の自由な意見をすくい上げ、経営の意思決定に活用してください。
「WE.CAPTURE」リリース:
電通、全従業員の声を経営意思決定に活用する企業経営層向けサービス「WE.CAPTURE」の提供を開始