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動画広告の効果最大化!「Talent YouTube+TV」No.2

「YouTube+テレビ」でブーストする、これからの動画広告

2021/05/10

コロナ禍により自宅で過ごす時間が増える中、幅広い年代に視聴され、存在感を増すYouTube。前回はその市場概況や魅力、YouTubeを活用した企業のマーケティング活動の現状をお伝えしました。

今回は、デジタル領域においてタレント・企業のコンテンツ制作に携わるFIREBUG(※)の営業統括・塚田晃作氏と、放送局と新規ビジネス開発を行う電通・川崎寛氏が、YouTubeとテレビの関係、そして、動画広告の効果を最大化するソリューション「Talent YouTube+TV」について語ります。

※FIREBUG:主にデジタル領域において、タレントのSNSサービスコンサルティング、コンテンツ制作・サポート、アーティストのプロデュース事業などを幅広く手掛ける。エンターテインメントを軸に企業に多角的なマーケティングソリューションも提供。2020年11月、電通と業務提携した。

 

Talent YouTube+TV #2

YouTubeとテレビは互いを補い合える関係

塚田:今、デジタル領域の広告営業をする中で強く感じるのは、広告の手法や種類が細分化してきているということです。これまでは商品やサービスの認知のためにテレビCMを大量に流す手法が取られがちでしたが、ターゲットに合わせた広告の選択肢が増えています。

川崎:私は現在、放送局やコンテンツホルダーのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートしていますが、テレビとデジタルの違いは当然広告主も意識しています。テレビCMとデジタル広告、それぞれの特性だったり、視聴者層の違いだったり、デジタルの方が広告効果を測定しやすかったりといったことですね。

ここ数年、タレントが自らデジタル分野に積極的に進出し、YouTubeチャンネルや自身のサイト、SNSのアカウントなどを開設し活躍する場を広げたこともあって、広告もデジタルに向かう潮流ができています。とはいえ、一概にテレビよりもデジタルがいいということではありません。どちらも「誰が商品やサービスを語るのか」ということが特に大事だと考えています。

塚田:その中でYouTubeとテレビは視聴者層が異なるので、リーチするターゲットを補い合える関係ですよね。この2つは企画次第で非常に親和性が高くなります。

川崎:テレビはマスメディアなので、どうしても万人向けを意識した枠組みに沿うものが求められがちで、世の中が驚くようなものを発信するのが非常に難しくなっていますね。

それに対してYouTubeはとてもパーソナルなプラットフォームなので、ある程度“非予定調和”なものであっても発信できるところが一つの強みです。ユーザーにとっても、テレビや日常では見られないものを見られるところが魅力ではないでしょうか。ターゲット層のそういったインサイトをうまく汲み取った企画でタレントを起用できることはメリットですし、クリエイティブ性も高められます。

テレビの制作者は、世の中で話題になっていることは紹介していきたいと考えています。YouTube発で注目度の高いものを作れたら拡散し支持も広がっていくはず。私たちは、そういったYouTubeの特性とテレビの特性をうまくつなげる架け橋になっていければと考えています。

タレントと商品の親和性を生かし、これまでの広告と差別化する「Talent YouTube+TV」

塚田:昨年、電通とFIREBUGは業務提携し、今年「Talent YouTube+TV」というソリューションをリリースしました。「Talent YouTube」とは、「タレント自身のYouTubeチャンネル」を指します。「Talent YouTube」での企業タイアップとテレビCMを組み合わせて展開するのがソリューションの骨子です。

基本的なフローは、まず、タレントのYouTubeチャンネルでクライアントの商品やサービスを使ったコンテンツを制作し、公開します。つぎに、そのコンテンツをテレビCM用に再編集し放送します。そしてこのソリューションでは、タイアップする商品やサービスを、タレントが「本当に好きで使っている」といった情報の事前収集・リサーチを進めてキャスティングに生かし、好きだからこその面白さや魅力が伝わるような動画を作ることで、これまでのテレビCMやデジタル広告との差別化を図りたいと考えています。

Talent YouTube+TV #2

川崎:そうですね。だからこそ、クライアントのオリエンの内容をそのままコンテンツに仕上げる形ではなく、タレントが商品やサービスに愛着を持っていて、それらをさらに好きになるという部分を大事にしたい。

例えば、ゲーム会社とタイアップしたコンテンツを作るとして、ゲーム好きのタレントがただプレイして「面白い」とコメントするものを作ってもあまり注目されないでしょう。タレントのYouTubeチャンネルの視聴者は、タレントの私生活や日常に興味を持っています。そこで、例えば通常見られない彼らの私生活にフィーチャーし、その中で仕事の合間や移動などの隙間時間を使ってでもゲームをプレイしている姿が映し出されたらどうでしょうか。わずかな時間でもプレイしたくなるゲームなのだと感じられるコンテンツで、魅力を伝えるということです。

そのようにタレント本人の面白さや視聴者が見たいコンテンツの中に、クライアントの要望と商品の魅力をどううまく融合させるかを考え、電通とFIREBUGのクリエイティブによって、注目されるコンテンツをつくっていきたいと考えています。

塚田:このソリューションではタレントの好感度以上に、取り上げる商品やサービスとの親和性を重視します。広告することが決まって初めて本人がその商品を知るのではなく、本当によくて使っているといった“リアルな声”が大切。それがYouTubeでのタイアップの最大の強みですし、そうして作られたコンテンツをマス層に向けたテレビCMにつなげていきます。

ファンや仲間の「応援」が話題コンテンツへの後押しに

塚田:「Talent YouTube+TV」では、YouTubeのコンテンツをテレビCM化するまでの間にもいくつかのフローをもたせることを考えています。YouTubeコンテンツ自体がバズるような仕掛けを作ったり、主演のタレントとは別のタレントに「応援」してもらうような形でムーブメントを醸成し、テレビCMにつなげるイメージです。

例えば出演するタレントが本当に好きなコスメのタイアップで、そのコスメをキーにしたドラマ形式のコンテンツをクリエイターが作ったとします。それにまつわるPR施策として、同じ事務所の先輩タレントが完成したコンテンツに対して何か反応を示す、応援するようなスキームを作るのも面白い。または、出演者本人が好き、本当に商品を紹介したいという熱意を上手に活用し、商品のPRをできることにタレント自身がけた外れの反応を示していること自体を記事にする手もありますね。

Talent YouTube+TV #2

テレビCMも商品紹介用のものを別途作るだけでなく、YouTubeコンテンツの予告編のダイジェスト的なものにして、後押しする方法もありますね。

川崎:1990年代から2000年代初頭のテレビ放送は、「電波少年」シリーズや「ASAYAN」など、非予定調和で面白い番組がたくさんありましたよね。タレント自身がチャレンジをしている姿を映し出すような、視聴者にとって“展開が読めない”企画をまずYouTubeでやりましょうという。そのYouTube動画の番宣や予告などをテレビCMで行い、見てもらえるきっかけにできればと。

塚田:テレビCMによってYouTubeのコンテンツがさらに注目されるということですね。このソリューションでは企画力を生かしたコンテンツとテレビCMでの拡散力を掛け合わせて、YouTubeの動画広告の効果を最大化していきたいですね。