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採用課題は、経営課題。採用にもクリエイティビティを。No.9

就活の地域格差をなくすには?世界から称賛された「47 INTERNSHIP」

2021/07/09

<目次>
史上初、47都道府県の学生が参加するインターンシップを開催
初年度から全国1500人以上の学生が応募
一度きりのイベントではなく、継続する取り組みに。2期生の募集を開始


「Z世代」とも呼ばれるいまの若者たち。新たな価値観を持つ彼らのキャリア形成への考え方は大きく変化しています。若者と企業、社会がよりよい関係を築けるよう、「電通若者研究部(以下、電通ワカモン)」(※1)は、就活のリデザイン・採用クリエイティブ開発に取り組んでいます。

2020年、新型コロナウイルスの影響を受け、初めての緊急事態宣言が発令された際、就活市場もまた、混乱を極めていました。各社がオンライン形式での会社説明会を実施するなど、新しい就活の在り方を模索するなか、電通ワカモンとエンカレッジ(※2)は共同で、学生と企業の新しい出会い方の発明に挑戦しました。

エンカレッジは、47都道府県に大学支部を持つキャリア支援NPO法人。電通のクリエイティビティとエンカレッジが持つ強みを掛け合わせ、就活の地域格差に一石を投じるべく生まれたのが、「47 INTERNSHIP」です。

47INTERNSHIP
※1電通若者研究部(電通ワカモン):若者と社会の関係性をデザインすることをミッションとして掲げているプランニング&クリエイティブユニット。就職活動のリデザインを通して、若者と企業の新しい出会い方のプロデュースを行っている。
 
※2 エンカレッジ: 47都道府県の100を超える大学支部で活動するキャリア支援NPO法人。学生が運営の中心メンバーとなり、1対1で行うキャリア面談などを各大学支部が開催している。

 


史上初、47都道府県の学生が参加するインターンシップを開催

47 INTERNSHIPは、各都道府県から大学生(または大学院生)をそれぞれ1人ずつ選出、計47人の学生が参加できる、オンライン形式のインターンシップ。2020年の参画企業は、AGC、江崎グリコ、サッポロビール、JTB、電通、三井住友銀行(五十音順)の計6社。複数企業の合同開催の枠組みにすることで、全国の学生が、日本を引っ張る企業群と、自宅にいながらにして接点を持ち、理解を深めることができる機会を設計しました。

企画の精緻化にあたって、地方の学生たちにヒアリングを進めている際、皆さんが口をそろえて言うのが「地方にはチャンスが少ない」という言葉でした。この課題を解消する仕組みをつくりたい。そんな思いから3日間のプログラムを設計し、「チャンスは、どこにいたって掴(つか)めるんだ。」というコピーを掲げました。

47 INTERNSHIP ステートメント
47 INTERNSHIP
キービジュアルでは、地方も都会も関係なく同じチャンスをつかめる就活の絵を象徴的に体現すべく、日本国旗(日の丸)を人物に模した47種類のZOOMあるあるをGIFアニメーションで制作しました。


47 INTERNSHIPは、世界最高峰のクリエイティブアワード「D&AD賞2021」のブランディング部門にて、最も素晴らしいクリエイティブとして評価された作品に与えられる「Yellow Pencil」を受賞。キービジュアルのデザイン性に加え、コロナ禍だからこそ行った“取り組みのデザイン”まで含めて評価していただきました。

初年度から全国1500人以上の学生が応募

昨年の47 INTERNSHIPは、初の取り組みにもかかわらず、全国の1500人以上の学生から応募がありました。エントリーシートの課題は1問だけ。「変わり続ける時代の中で、あなたが解決したいことを教えてください」という設問です。

選考基準は、「課題に対する愛があるかどうか」。フードロス、空き家問題、遠隔医療など、一般論としての社会課題の説明を聞きたいのではなく、なぜそれを解決したいのかという「Why」を言語化できている学生の皆さんと、お会いしたいからです。正解がない世の中に対してどういう問いを立てているのか。この視点でチーム全員ですべてのエントリーシートに目を通し、各都道府県から47人を選出していきました。

インターンシップは、8月下旬から9月下旬にかけて、DAY1からDAY3まで計3回にわたって開催。1回あたり6時間以上、オンライン上で熱いやりとりが交わされました。

DAY1は、参加学生一人一人がエントリーシートに記入した課題を紹介。自己紹介を踏まえ、グループで解決したい課題を模索していきました。

DAY1:参加学生の自己紹介の様子
47 INTERNSHIP
DAY1:学生グループごとに、解決すべき課題を決めてディスカッションしている画面
47 INTERNSHIP

DAY2のテーマは、「ニューノーマルの時代の企業の行動や振る舞いを考える」。DAY1でグループごとにそれぞれ定めた課題をどう解決するか、参加企業6社と個別にディスカッションを実施。企業への理解を深めながら、企業のリソースを活用し、どう課題を解決できるか模索していきました。

最終日のDAY3は、学生が企業に提案する形式で最終プレゼンテーションを行っていただきました。終始オンライン形式での開催でしたが、最終プレゼンの後には感極まって涙を流す学生も。DAY1からDAY3までの約1カ月間、プログラム外の時間にも多くの班が自主的に打ち合わせを重ねてくださったこともあり、どの提案も質が高く、驚きました。

DAY3:最終プレゼンテーション用に学生がまとめた資料47INTERNSHIP

ご参加いただいた企業の皆さまからは、これまでの採用活動では築けなかった全国の学生との関係性を築けた、などといった声を頂き、満足度100%の評価も頂きました。また、参加した学生全員からも「参加してよかった」との回答を頂きました。ここで、学生の感想の一部を紹介します。

「最後まで『やりぬいた』と自信を持って言える経験になり、チームの中での自分の役割について考えるきっかけになった。特に私は普段は空気を読んで自分の意見を言わずに終わることが多かったのですが、本気で向き合って何度も衝突して、そこから本質理解に進めたというのはとても良い経験になりました」

「3日間のインターンではありましたが、1カ月間という長い期間でチームのみんなと一緒に本当に考え抜いて一つの大きな課題に取り組むことができ、オンラインイベントで一番楽しかったといっても過言ではないほどの満足感を得られました」

「○○社には正直興味がなかったが、とてもいいフィードバックをくださるのがとてもありがたかったです。社員の方々の考え方や性格もとても胸に響き印象が変わり、○○社が私の行きたい会社になりました」

47都道府県の学生が、つながって、ぶつかって、交じり合って考える場を設計することができ、企画者・主催者としても喜ばしい取り組みになりました。

一度きりのイベントではなく、継続する取り組みに。2期生の募集を開始

電通のクリエイティビティは、広告領域のみならず、採用をはじめとしたあらゆる企業活動に拡張していけるものです。47 INTERNSHIPは一度きりのイベントではなく、継続した取り組みとして、2021年も開催します(応募締め切りは、7月15日)。今年のテーマは、「地域課題解決のためにできること」です。

47 INTERNSHIP

課題に愛を持って取り組む、学生の皆さんのご応募をお待ちしています。

47 INTERNSHIP について詳しくはこちら:
https://47-internship.en-courage.net/

電通ワカモン
電通若者研究部(電通ワカモン)は、高校生や大学生を中心とした10~20代の実態を調査し、企業や社会、ブランドが若者とよりよい関係を築くために、プランニングからクリエイティブ開発までを一貫して行う電通内の特命異能ユニットです。
https://dentsu-wakamon.com/
 

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