男コピーライター、育休をとる。No.12
制作者に聞く、ドラマ「男コピーライター、育休をとる。」。
2021/07/06
ウェブ電通報で2017年から2018年に連載されていた魚返洋平氏によるエッセイ「男コピーライター、育休をとる。」。2019年の同タイトルでの書籍化を経て、この夏、WOWOWにてドラマ化が決定しました。主人公「魚返洋介」を演じるのは、瀬戸康史さん。
折しも国会では、育児・介護休業法の改正案が成立したばかりのこの6月。「会社員の育児休業」というホットなトピックに焦点を当てたこの作品の脚本を手掛けるのは、映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」の細川徹氏。脚本家の細川氏と、今回のドラマ企画を立ち上げたWOWOWプロデューサーの井口正俊氏に、ドラマ誕生の秘話や制作裏話などを聞きました。聞き手は、原作者の魚返氏です。
なお、この座談会の時点(2021年6月1日)では、細川氏および魚返氏はドラマの映像をまだいっさい見ていません。
◆WOWOWオリジナルドラマ「男コピーライター、育休をとる。」
(7/9(金)にWOWOWオンデマンドにて全話一挙配信・WOWOWプライムにて放送スタート)
ドラマ化のきっかけは、コロナ禍でした
魚返:「男コピーライター、育休をとる。」はもともとウェブ電通報で連載されていたので、今日のトークはなんだか「ウェブ電通報に戻ってきた!」という感じで、ちょっと感慨深いです。
今回のドラマ企画の発端は、プロデューサーの井口さんにあったそうですが、井口さんは以前からウェブ電通報の記事を読まれていたんですか?
井口:ちょくちょく拝見しています。もともと広告業界に興味があったということもあるのですが、ウェブ電通報って時代の最先端を切り取っている印象があって。僕はドラマをつくる立場ですけど、世の中にアンテナを張る意味でもよくチェックしています。それで、魚返さんのコラムも、連載当時に毎回読んでいました。
魚返:その時点で、ドラマにしようみたいな思いはあったんですか?
井口:いえ、単純に「コンテンツとして面白いなー」くらいの目線で見ていましたね。
当時、僕も息子が生まれたばかりだったんですけど、ドラマの撮影が重なってしまったこともあって、育児をかなり妻に任せてしまっていたんです。なので、どちらかというと、内容に共感するというよりは、仕事の合間に楽しく読むコンテンツの一つ、という感じでした。
魚返:それがどうして、ドラマの企画にしてみようとなったんでしょう。
井口: 昨年のコロナによる自粛期間中に働き方が変わったことが大きかったですね。この時に、育児にちゃんと向き合えてなかった自分に気づいたことは、大きなきっかけとなりました。
自分はなかなか育児に時間を割けていなかったので、魚返さんがコラムに書かれていたような育休は、連載を読んでいた当時の自分にとっては遠いテーマだと思っていました。ましてや自分が育休をとるなんてことは、到底自分事として考えられていませんでした。
でも、自粛期間中は基本的にリモートワークになったり、保育園も閉鎖したり。子どもと二人きりで過ごす機会が必然的に増えて。そうすると、例えばよく自転車の後ろに子どもを乗せて公園に連れて行っていたのですが、「自転車をどうこいだら子どもがお昼寝をしやすいかな」と研究し始めたりするんですよね。
それがちょっとうまくいった時には、すごくうれしい。しかもその感情は仕事で得られる喜びとはまったく質が違う新しいもので、「こういう幸せってあるんだな」って感じてしまったというんでしょうか。その感情に気づいた時に、「ひょっとして育休をとっていなかったのは、もったいないことだったのかもしれない」と、改めて感じ始めたのがスタート地点だったと思います。
魚返:コロナなんてまったく予想もしていなかった時に書かれたエッセイですが、コロナをきっかけにドラマ化に向けて動き始めたというのは、とても興味深いです。
井口:コロナ禍で家族との距離が変わった人って多いのではないでしょうか。だから自分と同じ働く世代には、僕が感じたのと同じような価値観の変化が生まれたケースも、もしかしたらあるんじゃないかと思ったんです。
魚返:なるほど。原作は2017年の話なんですが、ドラマは劇中で明示されていないものの、コロナ禍の起きなかった現在を舞台にしてるのかなと思ったんです。
井口:はい。コロナのない2021年のイメージですね。自分がコロナがきっかけで考えた子どもや家族のことを描きたかったんですが、リアルにコロナ禍を舞台にするのはやめて、もうちょっと違う方法にしようと。あえてコロナっていう前提がない世界に設定して、それでも共通する発見がみえてくればいいなと思いました。
ドラマに全然向かないエッセイだと思ってました
魚返:原作者の僕が言うのもなんですけど、育休がテーマのこのエッセイは全然ドラマチックじゃなくて、映像化に最も向いていない部類のものだと思っていたので、最初にドラマ化のお話をいただいた時は驚きました。井口さんには「ドラマにできる」って勝算があったんですか?
井口:実をいうと「できる!」というよりも、「挑戦したいな」という方が表現としてしっくりくるかもしれません。
魚返さんが書かれた原作の終盤で、海に行くくだりがあるじゃないですか。家族で旅行に行って、娘さんに海を見せようと思ったら寝ちゃっていたっていうシーン。あの場面と、それから「いつか人生を終える時、走馬灯という名のダイジェストムービーが流れるとしたらそこに登場する瞬間のいくつかは、この半年からノミネートされるのかもしれない」っていう言葉が、とても印象的で感動したんです。
魚返:改めて言われると、大袈裟な表現ですね(笑)。
井口:でもね、自分が自粛期間の時に、なんとなく感じていたことが、この言葉に集約されているなと思ったんですよね。
最後にあのシーンにたどり着くような物語をつくりたい、というのが出発点になって。ではどういう形だったらドラマとして成立するのかなって、脚本の細川さんたちと相談しながら一緒につくっていきましたよね。
細川:そうですね。脚本の依頼を受けた時、単に育休のドラマってだけだと難しそうだなと思ったんですよ。でも原作を読んでみると、魚返さんは「ドラマチックじゃない」とおっしゃいましたけど、僕は逆にドラマチックだなと思いましたよ。育児をしていると起こりうる小さな気持ちの変化がきちんと紡いであって。それが最終的に海のシーンに向かっていくように絵が見えた感じでした。
魚返:そうですか!?うれしいです。
細川:このシーンに限らず、魚返さんの表現って面白いなって思うところが多々ありますよね。例えば、育児の大変さを円グラフで表現しているところとか。乳首を端末に見立てたり(※1)とか(笑)。普通の育児エッセイでは出てこない表現がちりばめられていて、まじめなだけではない面白いものにしていけるって予感がしていたのを覚えています。
井口:このドラマは1話15分×12話という枠でつくっているんですけど、僕としては、働いている人に見てほしいなっていうのがあって。どういうシチュエーションだったら見てもらえるか考えた時に想定したのが、通勤電車の中でした。通勤電車といってもその時間すべてを動画視聴に費やすわけではなく、きっとSNSを見るであろう時間なども考慮すると、ジャストサイズは15分かなと思って、そういう企画書にしたんです。それを細川さんにお渡ししたら細川さんから「15分って尺は面白いですね」ってお墨付きをいただいて。
魚返:細川さんに脚本を依頼された決め手はなんだったんですか?
井口:この企画の脚本や監督は、どんなテイストの方に入って頂くのがベストだろうと考えていた時に、たまたまWOWOWで放送していた映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」(※2)を見たんです。これが決め手ですね。松重豊さんと北川景子さんが出演されている妊活をテーマにした作品なのですが、これを手掛けたのが細川さんで、コミカルな部分とテーマにしっかり誠実に向き合う部分のバランスが素晴らしく、ちゃんと笑えるしちゃんと泣けたんですね。
魚返:分かります!妊活ってすごくセンシティブなテーマなのに、こんなふうにコメディを成立させられるんだって、僕も思いました。
細川:センシティブなテーマという意味では、育休ドラマにも通じるものがありますよね。でも、原作にある面白さをできるだけ生かしてつくりたいという思いがあって。啓発しているような感じに受け取られるのは嫌だし、あくまでも面白く見ることができて、ちょっとだけ「男が育休とるのも悪くないな」みたいな感じを狙いたいなって早い段階から思っていました。
ただ、育休は妊活以上に関係する人や当事者は多そうなので、より気を配る必要はあります。そういう意味で、やはりコミカルとシリアスのバランスは難しかったです。
でも今回バランスをとりながら脚本を書けたのは、「ヒキタさん!」をやっていたのも大きかったかもしれませんね。
“会社員”以外からはどう見える?
魚返:ところで僕が利用した制度としての「育児休業」というのは会社員のもの(※3)で、原作でも会社員としての実感を書いてるんですよね。ただ、それを例えば会社員ではない細川さんから見た時にどう感じられたのかなって聞いてみたかったんです。育児のために時間を割くこと自体は、会社員特有のものじゃないですが。
細川:率直に、半年とか休んでドキドキしないのかな……って思いました。僕は子どもが生まれた時、ちょうど仕事に余裕があって、2カ月くらいずっと子どもの世話ができていました。それは今も基本的には変わってなくて、撮影や稽古で見れない時もありますが、家で仕事をしている時には当然のこととして子どもを見ています。
でも、もし僕が会社員だったら「休みたいんです」っていうのは、かなり勇気がいる。みんなが育休をとっていればすんなりと言えるのでしょうが、そうではない環境だとちょっと言い出しづらいに違いありません。そういう感じをドラマに反映していくのは、僕にとっては想像の部分でしたね。
魚返:原作だと、そこは全然ハードルなくクリアしちゃってますもんね。
細川:ドラマにする場合は、幅広い共感を得る必要があります。多くの企業ではまだ、男性の育休取得にはハードルがあると思うので、少し調整をしました。
魚返:主人公なりにどうやって上司を説得しようか考えまくるくだりですね。今回のドラマは特殊さと平凡さのバランスが面白いですよね。そもそも広告会社ってちょっと特殊なイメージがあるし、ドラマではよくネタにされがちじゃないですか。でも広告会社の人が見て「また、デフォルメされて描かれているな、ハハハハ……」という部分もありつつ「ここはちょっとリアルだな」と思える部分もあるといいなって思ってました。それでそうだ、研修のシーンなんかは、いろいろと口を挟んでしまって(※4)すみませんでした(笑)。
細川:いえいえ。言ってもらって良かったです。研修ってさすがに外部からだと分からないことなので、僕も最初は想像して書いていて。だけど魚返さんに教えてほしいなと思っていた部分でもあったので、魚返さんの意見がとても助かりました!
スタッフたちの育児経験が生きた現場!
魚返:ドラマの中の“魚返”は、瀬戸康史さんが演じてくださっていますが、細川さんが脚本を書いている途中の段階で配役は決まったんですか?
井口:確か1話か2話を書いていただいている時にオファーをしたんじゃなかったかな。ご本人的にも、年齢に見合った父親役をやってみたいというご希望がもともとあったそうなんですが、僕たち的には瀬戸さんの新しい一面を映像作品で見てみたいという想いでオファーさせて頂いたんです。そうしたら、企画の切り口であったりキャラクターを面白がってくださって、承諾をいただいたという感じでした。
細川:瀬戸さんに決まったあとも、瀬戸さんのイメージをそんなに意識せずに脚本は書きましたね。今回は自分で監督をやるわけでもないので、純粋に脚本は脚本として。魚返さん的には、自分の役を瀬戸さんが演じると聞いた時には、どう感じました?
魚返:いわゆる「二の線」の方なので、さすがに最初びっくりしたし、気恥ずかしかったです。かっこよすぎると思って(笑)。
細川:そりゃ恥ずかしいですよね(笑)。
魚返:周囲の人に突っ込んでほしいのに、実際の僕と瀬戸さんの距離に気を遣ってくれているのか誰も突っ込んでくれない。しょうがないから自分で「異世界転生しました」とか言っています(笑)。
逆に、妻の役を演じてくださった瀧内公美さんは、容姿がというよりも、雰囲気的に妻に近いものを感じたんですよ。
井口:以前、魚返さんにいろいろ取材をした時、僕がお話を聞いた奥さんの印象としては、結構サバサバされた女性だったんですね。それをキーワードにいろいろ考えて、瀧内さんにたどり着きました。
魚返:原作には妻はどういう人間なのか細かく書いていなかったので、細川さんにもいろいろ妻について質問していただきましたよね。細川さんは主人公の“妻”の造形をほぼイチからつくる感じだったのではと思うのですが、どうやってイメージを固めていったんですか?
細川:最初に魚返さんをつくってから、奥さんだったらこういう時どうするだろうっていうのを想像しながらつくっていった感じです。
魚返さんも奥さんもかわいいキャラクターにしたいと思ったんですよ。魚返さんと初顔合わせをしたときに、隙を見つけようと思って話を聞いたのに、なんかあんまり見つからなくて。
魚返:いや、そんなことないですって(笑)。
細川:財布を忘れて出かけるみたいなおっちょこちょいな面もあとになって知れたりしたので、そういうのを反映して、ちゃんと、ほどよくダメにしていこう、みたいな(笑)。
魚返:瀧内さんが演じる魚返「愛子」(※5)、僕は好きなんですよ。
井口:瀧内さんも素晴らしかったですね。
魚返:今回は監督の山口淳太さん(※6)も、脚本会議の段階から参加されてたんですよね?
井口:そうですね。山口さんも実はお子さんが生まれたばかりだったそうです。
細川:監督を山口さんに打診しようとしてるって聞いた時、僕からは、お子さんはいらっしゃるのかどうかだけ質問したんですよ。子育てって、地味だけど大変なことっていろいろあるじゃないですか。そういう小さいリアルをいくつも体験していないと、それをちゃんと人に伝わるように表現するのも難しいかなと思ったんです。
井口:これは今回ご一緒した東北新社の中澤プロデューサーの発案なんですが、監督以外でも、今回のスタッフは育児経験者の方たちに多く入っていただいたというか、意識してお声がけしたところがあるんです。
魚返:映像化する中で、いろんな人の育児の記憶とか実感みたいなものが、細かいところに積み重なっているのかもしれないですね!
井口:まさに!瀬戸さんが現場でおむつの替え方を迷っている時があったのですが、いろんな人が「そうじゃない、こうだよ」って言いたがるっていうね(笑)。
多少なりとも子育てに関わった人っていうのは、言いたくなるんでしょうね。懐かしさもあってだと思うんですけど。
魚返:そういえば、僕がほんの少しだけ現場見学に行かせていただいた時にも、そういうやりとりを見ました。ちょうど子どもが生まれる病院のシーンだったんですけど、そこでスタッフの方が「コロナに関係なく産科のお見舞いはマスクをしないといけないんじゃないか」とか「いや、しなくてもいいんじゃないか」って議論になっていたのがすごく面白かったなぁ(笑)。
井口:あのシーンも、撮影準備段階で監督から、病院にいる奥さんはノーメイクのはずだから、男性はあまりわらわらとお見舞いに来ないんじゃないかという話があって、脚本を変更して頂いたんです。そういう細かいところで「実はこうなんじゃないか」みたいなアイデアがいろんなスタッフから出てくる、和気あいあいとした温かい、いい現場になったなと改めて思います。
脚本家&プロデューサーおすすめの見どころとは?
魚返:お二人がドラマづくりをしている中で、ご自身が子育てされた経験と重ね合わせた場面とかセリフとかがあれば教えてください!
細川:僕はドラマと同じように、育児を結構頑張ってたんです。それで、自分が先に限界を迎えてしまいました。「これ限界だわ……」みたいなことを言って、ケンカになった気がしますね。
魚返:ああ、その台詞、脚本にありましたね!(笑)原作にはないシーンだったけど、あれは印象的でした。
細川:オリジナルで追加した部分は、僕自身の体験とか当時の気持ちを反映してたりもしますね。
赤ちゃんが生まれるまではまったく興味がなかったのに、生まれたとたん溺愛してしまったり、赤ちゃんのうんちくを語り始めたりっていうのも、僕の体験です。
魚返:子ども嫌いだったのは細川さんも同じなんですね(笑)。
細川:でも、基本はやっぱり魚返さんの原作を基にしているものだから、魚返さんのお子さんが見た時に悲しい気分にならないように結構気を遣いました。
子どもが生まれてからは実際にはめちゃくちゃ愛されているので、これをコメディのドラマ作品として成立させるために、生まれた瞬間に主人公の態度をパッと切り替えることにしたんですよね。
井口:ドラマの中では“主人公・魚返”って育休をノリでとっているんですね。最初は全然ダメな感じで描かれているんですけど、僕からしたら育休をとる時点ですごいなって。
ちゃんと育児にコミットしていく姿っていうのが、なんというか僕からみたらすごく優秀なところからスタートしているなって感じで、自分と重ね合わせる、ということはあまりなかったです。
でも一番共感したのは、夜中に限界が来てどうしてもラーメンを食べに行きたくなるというくだりです(笑)。あのシーンは、共感される方が意外と多かったですね。
魚返:なるほど。主人公は、育休の動機が僕以上に不純だし、ワキが甘い(笑)。でも逆にすごく素直なところもあって。ストレートに弱音を吐けたり、妻への愛情を臆面もなく出すじゃないですか。ああいうのは素敵だなあと。
細川:そうですか?でも、あのエッセイを見ると口では言ってないだけで、いろいろ書かれている気がしましたよ。それを、より分かりやすくセリフで言っているってことだと思います。
魚返:ちょっと不思議な感覚ですね。脚本を読んでいると、とある同業者だったり後輩だったりの、もう一つの育休のケースを見ているような感覚にもなりました。
もっとうかがいたいお話は山ほどあるのですが、そろそろ終わりの時間ですね。最後にこの作品の見どころをお話しいただけますか?
細川:育休のドラマというと、家にずっと子どもといて家事をしてと、絵の種類が少ないようなイメージがあると思います。ですが、原作にもある魚返さんの想像とか例えとか、そういうものも含めて映像化して出てくるので、絵的にも楽しく見ていただける育休ドラマになっています。今回、僕は脚本担当なので自分で撮らないのをいいことに、好き勝手書いちゃいました(笑)。それを山口淳太監督がどうやって映像化したのかというのも、見どころじゃないでしょうか。
井口:驚くような感じになっていますよ。
細川さんと一緒に脚本をつくっているときに、細川さんがよく「金曜の深夜にやるドラマなので、見たあと気持ちよく寝られるようなドラマにしたい」と言われていました。僕は制作中はどちらかというと、ストーリー展開などばかりに目がいっていたのですが、今編集に立ち会って完成が見えてきた時に、やっと細川さんが言っていたことが分かりました。
育休というテーマを扱うと、どうしても教科書的なイメージだったり、イクメンの四苦八苦ドラマだったり、ちょっと既視感みたいなフィルターがかかってしまいかねません。でも、これは笑いの部分もヒューマンドラマの部分もあって、見終わったあとに幸せな気持ちが残るようなドラマになっています。
ぜひ、夫婦だったり恋人だったり、自分が大切に思っている方と一緒に見ていただきたいです。
魚返:僕もまだ、脚本から先の映像を見ていないので楽しみです。これを読んでくださっているみなさんにも楽しんでいただけたらうれしいですね。今日はありがとうございました。
◆WOWOWオリジナルドラマ「男コピーライター、育休をとる。」
(7/9(金)にWOWOWオンデマンドにて全話一挙配信・WOWOWプライムにて放送スタート)
※1
ウェブ電通報の第2回「おっぱい、ウンチ、そして育休」および、書籍の第2章を参照。前者で「香盤表」に見立てられたタイムテーブルが、後者(初版)では円形で表現されている。
※2
映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」は、ヒキタクニオ氏のエッセイが原作。細川徹氏が脚本・監督を手掛け、2019年に公開された。
※3
正確には、「被雇用者」全般のための育児・介護休業法に基づく制度。
※4
ドラマの第1話に登場する、新入社員に向けたコピー研修の場面。脚本を読んだ魚返氏が、研修の実際についてコメントしたことを言っている。
※5
劇中で主人公の妻の名前は「愛子」だが、主人公同様、実在の妻の名前とは異なる。
※6
監督の山口淳太氏は、「ヨーロッパ企画」に所属する映画監督・映像ディレクター。2020年に監督をつとめた映画「ドロステのはてで僕ら」は国内のみならず海外でも高く評価され、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ブラジルのファンタスポア映画祭などで、受賞多数。