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企業や産業全体の変革をドライブする「突破考」No.4

次世代デジタルマーケの一手。Cookieに「置き換わる」テクノロジーとは?

2021/12/09

企業や産業全体の変革をドライブする「突破考」は、どのように生まれ、どんな未来をもたらすのか? 知られざるストーリーに迫り、明日のビジネスへの糧を見つけるオリジナル番組『突破考』。

第4回となる今回は、Cookieに置き換わる「データクリーンルーム」を通して、デジタルマーケティングの新たな未来像を探っていきます。

モデレーターは佐々木紀彦(PIVOT CEO)。そしてゲストMCに株式会社電通 DTC(データ・テクノロジーセンター)の前川駿氏、さらにアサヒグループ食品株式会社 コンシューマ事業本部 マーケティング一部の小林芽生子氏、LINE株式会社 OMO販促事業推進室 室長の江田達哉氏、ヤフー株式会社 セールスプロモーションユニット ユニットマネージャーの岡田憲氏にご登場いただきました。

※本記事はNewsPicksからの転載記事です。


Cookieに置き換わるデータクリーンルームとは?

佐々木:そもそもCookieとは具体的にどういうものでしょうか?

突破考前川:Cookieとは顧客を特定する技術で、ドメインの異なるサイト間で顧客情報を一時的に共有することができます。この技術によって、企業は広告効果の計測や顧客の趣味嗜好を推定しながら、マーケティング活動をすることが可能になりました。

ここ10年でCookieはデジタルマーケティングの基礎を支える存在となっています。

突破考
佐々木:そのCookieが将来使用できなくなることで、どのような影響が出ますか?

前川:Cookieは便利ですが、顧客情報を顧客の許諾が曖昧なままネット上に流通させ得る技術でもあります。これが将来的にデータクリーンルームと呼ばれる技術に置き換わることで、企業は顧客情報を守りながらマーケティング活動することが可能となります。

佐々木:デジタルマーケティングにおいて重要な役割を果たしてきたCookieですが、小林さんはクライアントとしてマーケティングに関わる立場から、Cookieレスをどのように捉えていますか?

小林:Cookieレスによってターゲティングなどのデジタルマーケティングの戦略が取れなくなると言われているので、それに対してどのように対応すればいいかが課題となっています。検討している対策はありますが、具体的に何をするかは固まっていない状態です。

突破考
前川:Cookieが完全に使えなくなる時期は来年の春以降から再来年末の間と言われています。アサヒグループ食品だけでなく、今現在デジタルマーケティングを活用しているクライアントは、将来Cookieレスになった際の対応策を求めている状況です。

佐々木:そんなCookieレスを乗り切るためのデータクリーンルームとは、具体的にどういう技術なのでしょうか?

前川:特定の技術を持ったデータサイエンティストのみがアクセスできる特殊な部屋をデータクリーンルームと呼んでいます。データクリーンルームは、プライバシー保護とクライアント企業のマーケティングニーズを両立できるデータ基盤を兼ね備えており、将来広告や販促などの様々な分野で活用できると考えています。

突破考

佐々木:Cookieとデータクリーンルームの違いはどこでしょうか?
前川 データクリーンルームはCookieと異なり、長期にわたって顧客情報などのデータを蓄積できます。データクリーンルームで集められた顧客情報はIDで統一されているので、情報を判別しやすくなりました。これらのデータを有効活用することで、クライアントは継続的にマーケティング活動を行えます。

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また効果的なマーケティング戦略を打たない状態で販売した商品を買い続ける顧客は平均で12%でしたが、データクリーンルームを活用して特定の顧客に広告を流したことで、商品を買い続ける顧客が19.8%まで上がりました。

突破考
佐々木:アサヒグループ食品はデータクリーンルームを使用して、電通と一緒にデジタルマーケティングを実行していますが、結果はどうでしたか?

小林:データクリーンルームを活用したことで、顧客の購買行動のデータまで可視化できるようになりました。

佐々木:データクリーンルームの課題はありますか?

前川:データクリーンルームを扱うには、特定の技術にプラスしてプライバシーについての深い理解が必要なので、それらの能力を持つ人材が少ないことが課題です。

またクライアント企業側もデータクリーンルームの理解は必要なので、クライアント向けの啓蒙活動も必要だと感じています。


販促領域のデジタル化


佐々木:広告と同時にキャンペーンなどの販促領域もデジタル化が必要不可欠になってきていますよね。

前川:マーケティング活動をする上で、プラットフォーマーが顧客情報をどう顧客に還元していくかが重要になります。

佐々木:LINEとPayPayというプラットフォーマーの立場でマーケティングに携わる江田さんと岡田さんからデジタル販促について具体的な内容をご説明いただいてもいいですか?

江田:私はLINEのデジタル販促を担当しており、「LINEで応募」という誰でも簡単に応募ができるキャンペーンプラットフォームに携わっています。

突破考
特徴は、LINEアプリをご利用いただいていれば、ユーザーがキャンペーンに参加する際、ご自身の情報の入力を省けるところです。またクライアント様は、ユーザーが買ったものを把握でき、LINE公式アカウントからその人に合ったメッセージを1to1で送ることができます。

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岡田:私はPayPayを使用したソリューションを展開しています。決済連動型であるPayPayの特徴を生かした「PayPayギフト」という、顧客が商品を購入するだけで参加できるキャンペーンに取り組んでいます。

突破考
ユーザーはPayPayを使用するだけでキャンペーンに参加できますし、クライアントは一部のユーザーに絞ることなくPayPay利用者全員に販促を進めることが可能となりました。
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前川:「LINEで応募」やPayPayなどプラットフォームの仕組みによって、ユーザーが何かを購入してキャンペーンに参加すること、ポイントを集めることのハードルは下がっていると思います。


デジタル販促の将来性


佐々木:デジタル販促の伸びしろや課題はありますか?

岡田:オンラインとオフラインの購買データを融合させて、顧客ごとに必要な商品を案内できると、商品と顧客の継続的な繋がりを生み出せると思います。
ヤフーとLINEで一緒に進めていく際の考え方として、「ストック型」ソリューションを目指しています。PayPayで商品を購入した顧客の細かい情報をデータ化し、将来的にはクライアントがどの顧客にどう購買を促すべきか把握できる世界がつくれたらと思います。

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江田:今はビーコンという技術で、位置情報の提供を許諾しているユーザーの来店を知ることができ、誰にどのタイミングで何の情報を送るのかも考えなくてはいけません。

前川:多くの顧客情報を持つプラットフォーマーは、デジタル販促によってできるマーケティング活動の幅が広がっています。様々な選択肢から導き出した1つのマーケティング戦略がクライアントにどのような価値をもたらすのかを考えることが重要です。

また現在はリアルの空間がインターネット化しており、オンラインで当たり前の手法がオフラインでも活用できるので、収集したデータをどう顧客体験に還元するかが鍵になります。

佐々木:デジタル販促がさらに進化すると、今後何ができるようになりますか?
岡田 PayPayとしては、ユーザーのことを一番知っているお財布になれればと思っています。そのユーザーがどういう行動をして何を買ったかを知れれば、一人一人に最適な情報を届けられるでしょう。

小林:クライアント目線で言えば、デジタルマーケティングの戦略によって、企業のブランディング向上が図れればと思っています。

江田:ここから先、磨いていくべきはユーザー体験の向上です。お店の中にいるかいないかで顧客の欲しい情報は異なるので、良いタイミングで顧客に情報を届けられれば、ユーザー体験の向上が望めると思います。

LINEリサーチで、「自分に合った情報を求めているか」という質問をしたところ、81.6%が「欲しい」と回答しました。なので、顧客は企業に自分の情報を提供する際に、企業側に自分に適した情報を求める傾向があると言えます。

突破考
しかし気をつけるべきことがあって、1to1コミュニケーションの中でも自分の家族構成などを特定されるメッセージに嫌悪感を持つ顧客が一定数います。顧客が何の情報を「嬉しい」「いやだな」と思うのかを把握することが重要だと考えます。
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前川:ユーザーの気持ちはアルゴリズムだけでは解決できず、結局人が考えなくてはいけないので、科学と顧客体験設計をどう組み合わせるかが重要だと思います。

佐々木:デジタル販促の分野でデータクリーンルームはどんな役割を果たしますか?

前川:データクリーンルームのメリットは、クライアントが様々なデータを個人情報が守られた環境下で可視化でき、それをマーケティング戦略に生かせることだと思います。例えばテレビ広告には顧客の購買行動につながるtoCと商品が棚に置かれるtoBの価値があります。そういった情報がデータクリーンルームにはあるので、それをどう活用すべきかを考えることが重要です。

番組視聴はこちらから。
電通の事業変革についてはこちらをご覧ください。

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