オフショアの国、日本へようこそ
2024/10/09
GNUS代表取締役CEOの文分邦彦です。
日本企業のDXを進めるために「知っておきたい、デジタルプロダクトの今」という形で、DXやデジタルプロダクトに関することを中心にお届けする本連載。
第2回となる今回は、日本のAIエンジニアについてお話しします。
GNUS:デジタルプロダクトを通じた事業成長や事業変革のパートナーとして、2019年に電通グループ内に設立。新規事業や既存事業のDXの鍵となるデジタルプロダクトの企画やPoCから開発・運用、さらにはグロースまでを、国内外600人以上のネットワークメンバーから最適なチームを組成し、アジャイルなプロジェクトマネジメントを通じて支援している。
日本のAIエンジニアに起きていること
最近の円安を機に、「日本も、(グローバル物価が)安い国になったな」とか「オフショアの国になるんじゃないか」という声が聞こえてきていますが、私が米国に赴任していた5、6年前からもうすでに日本はオフショアに最適な国なのではないかと、米国内で言われ始めていました。
当時は、AIのエンジニアの採用コストが米国内で爆上がりしている時代でした。それと同時に、中国人の米国留学も増えており、ITエンジニアとしても評価され始めている時代でもありました。逆に、日本人の留学生は減少傾向であり、ニューヨークの有名大学の社会人MBA(テクノロジーコース)でもアジア系のほとんどが中国人留学生。日本人は1割もいない状態でした。
そんな中、酒飲み話として、こんな会話が繰り広げられていました。
日本が他国に比べエンジニアの年収が低いことは、解決されるべき問題です。ですが、現在の円安を考慮すると、その品質に対して投資がしやすいともいえるのが、日本のAIエンジニアが置かれている状況なのです。
重要なのはチーム編成
とはいえ、みなさんも開発プロジェクトなどにおいてエンジニアを採用する際には、もっと多様な観点で選んでいると思います。
この人は、プログラミングのスキル以外にどのようなスキルを持っているのかな?とか、どういうタイプのプロダクトが得意なのかな?とか、時には今のチームメンバーとの相性も考えるでしょう。
このように、チームのメンバーを選ぶということは、コスパだけでなくいろんな要素が絡んでくるものです。というのも、ITエンジニアに限らず、仕事のパフォーマンスというのは、どのようなチームで、どのようなプロジェクトにアサインされるかによって、大きく変わってくるものだからです。さらに、それが1人ではなく10人のチームになった時に、アウトプットの差はかなり大きくなります。
過去のGNUSのプロジェクトでは、同じエンジニアでも、このプロジェクトではすごく高いパフォーマンスを発揮しているのに、違うプロジェクトになるとパフォーマンスが低くなるというケースをいくつか見てきました。スキルや役割だけではない何かが大きく働いていると私たちは信じています。そのため、GNUSではクライアントの皆さまとのプロダクト開発のプロジェクトを開始する際に、チーム編成にたくさんのリソースを注ぎ込んでいます。
スキルとコストが合えばそれでいいという観点ではなく、それぞれのプロジェクトに最適な人をアサインし、最終的に最高のプロダクトをアウトプットするという観点から、スタッフィングを行っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんの組織のプロダクトチームや開発チームのスタッフィングなどに関する課題や悩みについて、ぜひ、ご質問ください。できる限り、連載で回答いたします。