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実証!OOHが生む「世の中ゴト効果」No.2

第2回:OOHの「世の中ゴト効果」を実証せよ!

2021/12/21

街の屋外看板や電車内の広告など、家の外での広告接触を担うOOH(Out Of Home)。

OOHは効果検証が困難なため、今まではリーチ・サーキュレーションなど「どれだけの人が接触しうるか」が重要指標でした。しかし、実際にOOHを出稿する目的は、「世の中の話題にしたい」「話題化によって生活者の態度変容を効果的に起こしたい」など、リーチ・サーキュレーションでは説明できない効果を狙う企画が多くなってきていると強く感じています。

電通は、OOHにはこのような「世の中ゴト効果」があるのでは?という仮説から、効果検証プロジェクトを発足。実際に「世の中ゴト効果」を可視化しました。そこからさらに、効果的なプランニングを態度変容起点で行えるツール(β版)を開発。今後、利活用できるソリューションの開発に向けて始動していきたいと思っています。

OOH価値検証プロジェクト

OOHプランニングに携わる電通社員が集い、OOHの秘めた可能性や効果検証の方法を議論した第1回の座談会に続き、今回はOOHの配信プラットフォームを運営するLIVE BOARDの小林春輝氏を迎え、「世の中ゴト効果」の検証結果について語り合います。

第1回:OOHには秘めたる価値「世の中ゴト効果」がある! 

プロフィール写真
【参加メンバー】
小林春輝:OOH局にて位置情報データを活用したOOH広告の効果検証メソッド「OOH LIQUID」の開発に従事したのち、LIVE BOARDに出向。LIVE BOARDではドコモデータ(モバイル空間統計®※1+その他位置情報等)を活用したプランニングツールの開発サポートや、データドリブンなプランニング・効果検証を担当している。
 
福田博史:第3統合ソリューション局 シニアソリューションディレクター。さまざまなメディアのソリューション開発・立案を担当し、今回のOOHメディアの「世の中ゴト効果」プロジェクトの推進メンバーも務める。
 
粕谷厚介:アウト・オブ・ホームメディア局 メディアプランナー。OOHメディアを中心としたメディアプランニング~検証フェーズまでを一手に担う。幅広い業種へのLIVE BOARD
のセールス実績を持ち、日々、OOHの未来を開拓している。
 
古池茜:OOH局プランナーを経て、現在はデータ・テクノロジーセンターで「テレビ×デジタル×OOH」のトリプルメディアを活用したオン・オフ統合プランニング~効果検証スキームの開発まで携わる。
 
 ※1 「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの登録商標です 

 

ドコモデータ(モバイル空間統計®+その他位置情報等)を活用した高精度な効果検証基盤

福田:私たちが掲げる「世の中ゴト効果」とは、生活者が広告に接することで「みんながこの広告を見ている」「世間で話題になっているに違いない」という意識を生み出し、商品・サービスの内容理解や、購入・利用意向がリフトアップする、マスメディア特有の世の中の盛り上がりを見せる効果のことを指します。

今回、OOHの「世の中ゴト効果」を可視化するために活躍していただいたのがLIVE BOARDの検証基盤です。はじめに、LIVE BOARDの特徴を改めて小林さんにお聞きしたいと思います。

小林:LIVE BOARDはNTTドコモと電通による、OOH領域のジョイント・ベンチャー・カンパニーです。ドコモが保有するモバイル空間統計®・その他位置情報等を用いて、国内初となるインプレッション(広告視聴者数)に基づく広告配信を実現しています。狙いたいターゲット/モーメント/エリアに応じて適切な広告を配信し、その効果検証もできるOOHメディアである点が最大の特徴です。

LIVE BOARDのターゲティング

福田:いわゆるDOOH(Digital Out of Home:デジタルサイネージを活用した広告)ですね。従来のOOHでは難しかったプランニングを可能にするだけでなく、効果検証の基盤としても優位性があるんですね?

小林:従来のOOHの効果検証は、「OOHの視認エリアにいたと回答した人」にアンケートを実施し、実際にOOHを見たのかどうかも含めて、アンケート対象者の記憶や印象に頼らざるを得ませんでした。一方でLIVE BOARDは、ドコモの位置情報データを使い実際の来訪履歴も同時に確認することで、アンケート対象者を精緻に選定し、ブランドリフトや態度変容のリサーチを高い精度でご提供しています。

粕谷:OOHの「効果の見える化」に対するニーズは高いですね。実際、ある動画配信サービスのクライアントが定期的にLIVE BOARDを活用しているのは「調査がきちんとできるから」という理由で、こういったクライアントが増えている印象がありますね。

小林:ありがとうございます。これまでの調査から、LIVE BOARDによるOOH広告出稿の効果には3つの特徴があることが分かっています。
①リーセンシー効果(広告が購買行動に影響を与えること)が高い
②若年層への訴求効果が特に高い
③テレビ×デジタル×OOHの掛け合わせで、①・②の効果がさらに高まる

効果があることをイメージしていた人は少なくないと思いますが、きちんと数値で可視化できること、また、世代別にOOHの効果がどのように異なるのかも含めて高精度に検証できるのはLIVE BOARDならではの魅力だと私は思っています。

福田:精度の高い調査だからこそ、「世の中ゴト効果」の検証も可能になる。この検証基盤ひとつとっても、LIVE BOARDにはOOHの常識を変える大きな可能性があると感じます。

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「世の中ゴト効果」の正体は、CM印象/人気感/売れ行き感

福田:これだけ優れた検証基盤があれば、OOHの「世の中ゴト効果」を証明できるはず。そのような仮説のもと、私たちはLIVE BOARDを活用した検証を進めました。ポイントは、「単に広告を認知したときと比べて、“世の中で話題になっている=他者推論が発生したとき”のほうが生活者の購入・利用意向を高める」という点。これをどう検証するのか、けっこう試行錯誤したんですよね。

OOH広告を認知した人の意思決定の要素と流れ

小林:そうですね。OOHの持つ世の中での話題感が購入・利用意向にどう影響を与えているのかを突き止めるために、生活者の広告認知から購入・利用意向までの一連の意識を構造化する作業が非常に大変でした。

調査報告などで「相関関係がある」という言葉を耳にする方も多いと思いますが、その分析では「因果関係」までは明らかにできません。仮に「世の中での話題感」と「購入意向」に相関関係があったとしても、「世の中で話題になっているから、購入意向が高まった」のか、「購入意向が高まっているから、世の中でも話題になっていると感じるのか」までは分からないのです。

福田:なるほど、どの要因が、他の要因に対して影響を与えているのか、その因果まで明らかにする必要があったのですね。

小林:そうです。因果関係の仮説は無数にあるので、事前にクロス集計や相関分析をかけることで、より良い仮説を絞り込んで検証を行いました。その結果、3つの要素が「世の中の話題感」の正体であることが分かりました。

①CM印象
世の中の人は、このCMが印象に残っているだろう
②人気感
世の中の人は、これが好きだろう
③売れ行き感
世の中の人は、これを購入・利用したいと思っているのだろう

「世の中の話題感」3つの要素

広告の認知から「世の中ゴト」を介した購入・利用意向は、単純に個人で意思決定をした購入・利用意向と比較すると、1.43倍に高まることが明らかになりました。

福田:これまで、生活者の態度変容を調べるときは、本人の中での意識の差を検証するケースが一般的でした。今回、実は「世の中の人がどう思っているか」という生活者の推論が、興味や購入・利用意向に影響を与えることが分かり、「世の中ゴト効果」という新しい評価軸を確立できたことは大きな意義があったと思います。

小林:今回はLIVE BOARDの59件の調査事例を活用して、購入・利用意向と「世の中ゴト効果」の因果関係を証明することができました。しかし、「実際に購買した」という部分に関する因果関係は案件数が足りず、十分な検証が行えませんでした。今後、LIVE BOARDの事例が増えることで実際の購買との因果関係まで明らかにしたいと考えています。

OOHは生活者の購入・利用意向を高めることができるメディア!

小林:なお、15〜69歳の年代では「世の中ゴト」を介した購入・利用意向は1.43倍に高まりますが、15〜29歳の若年層では2.44倍になることも明らかになりました。若年層が特に効果が高いという、この調査結果は意外でした。

福田:そうですね。若年層がSNSをはじめ、スマートフォンを中心に生活している中で、屋外にあるOOHメディアの効果が高いという結果には、私たちも驚きました。

小林:一般的に、若年層は「明るさに反応しやすい」傾向があるためか、弊社の調査事例にも若者層は「DOOH(デジタルOOH)広告の視認率が高い」「DOOH広告の視認態度が良い」といった特徴が見られました。視聴態度の良さが結果に影響したのでは、と私は感じています。

若者層は「DOOH(デジタルOOH)広告の視認率が高い」
福田:新しい発見ですね。今回の検証結果が全体のコミュニケーションにどのぐらいのインパクトを与えるのかも明らかにする必要があると思いますが、「世の中ゴト効果」を利活用するための良いスタート地点になったのではないでしょうか。

粕谷:私もそう思います。以前から、クライアントも肌感で「世の中ゴト効果」を感じていましたが、今回、それをきちんと可視化できたことで、OOH活用について非常に納得感を持っていただけるようになりました。特に「若年層に効果がある」という部分については、近年、デジタルに代わるコミュニケーションを模索しているクライアントも多いので、その解決策の一つとしてご提案できると考えています。

古池:私も、ここ1年間LIVE BOARDに関わる中で、クライアントから「LIVE BOARDは誰に効果があるの?」といった質問を頂くことが多々ありました。そのお問い合わせに対して、根拠のある数値をもとに「若年層に効果が高い」とご説明できることは、プランナーとしても非常に心強いです。

福田:若年層はもちろん、そもそも年代に限らず生活者の購入・利用意向を1.43倍に高めること自体、コミュニケーションの手段として大きなポテンシャルを感じますよね。他のメディアでも購入・利用意向を高める努力はしているものの、5〜10%アップを見込むことに苦労するケースも少なくありません。その点、OOHメディアによってブランドリフトの大幅な上昇をたくらむことができるのは、非常に魅力的だと思いました。

では、今回の検証結果で分かったOOHの「世の中ゴト効果」を活用すると、どのような価値や未来が創れるのか?次回はその議論を深めていきたいと思います。

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