セカイメガネNo.2
テレビはサッカーだ
2013/05/29
ブラジルはサンバの国、サッカーの国で、2014年には2度目のサッカーワールドカップを開催します。さらにブラジルはテレビの国でもあるのです。テレビを視聴する時間が世界の中でも長い国なのです。
ブラジルのような広大な国では、テレビが国民の一体感をつくり出します。数百万数千万のブラジル人が毎日テレビの前に陣取り、自分の人生と重ね合わせながらドラマを見ています。数カ月前、人気ドラマの最終回が放送された夜には、多くの国民が一斉にテレビをつけたため電力需要が急増し、政府が緊急措置として予備電源を開放して電力を融通する事態に陥りました。
ここ数十年の経済成長によって、多くのブラジル人がテレビを買えるようになりました。そのこともブラジルでテレビが成功している理由だと思います。学校教育のレベルがまだ低いブラジルでは、本や雑誌よりテレビの方が内容を理解しやすいのです(世界の広告賞を受賞しているブラジルの印刷広告の多くが、キャッチフレーズやコピーよりビジュアルで勝負しているのも、おそらく同じ理由です)。
広告業界はその辺りの事情をよく理解しているので、消費者の行動や好みに合わせて広告予算総額の約65%をテレビに投資しています。
ブラジルはインターネットの国でもあります。コンピューターやスマートフォンの小型画面はテレビに似ていて、なおかつ自分を見せ表現できる唯一の存在でもあります。フェイスブックに積極的に参加している国であり、ユーザー数では米国に次ぐ世界第2位です。
ところで、ブラジルで最も人気の高いスポーツの一つがテレビであるといったら皆さんは驚くでしょうか。ブラジル人はテレビで今放送している内容について、まるでサッカーのパスやゴールを楽しむように、ライブでソーシャルネットワークにコメントを書いているのです。
ブラジル人はハッピーで前向きで活気に満ちた国民です。ブラジル人はユーチューブを見ることも、ユーチューブで自分が他人に見られることも大好きです。アップロードした動画に映っている自分が誰かに発見され、次のゴールデンタイムのドラマに何かの役で抜てきされても少しも不思議でないのがブラジルなのです。
(監修:電通イージス・ネットワーク事業局)