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「RADIO AND TELEVISION IMPROVEMENT 2021」リポートNo.2

テレビとデジタルを統合して広告効果を可視化する

2022/04/18

さまざまな産業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む昨今。広告業界にも効率化や最適運用を目指した変革が広がっています。電通ラジオテレビ部門でも、広告主により良い広告サービスを提供するために、最新の技術を活用したソリューションやメニューを開発しており、さらには、デジタルだけでは成し得ない、ラジオ・テレビならではのコンテンツによる起爆施策も進化させています。

今回は、テレビ・デジタル動画の統合管理ダッシュボード「MIERO Digi × TV」(リリースはこちら)についてお伝えします。

※本記事は、電通ラジオテレビ部門が2021年11月10日~12日に実施したウェビナーの内容を記事化したものです。

テレビ広告とデジタル動画広告の共通指標を作る

デジタル広告の中でも、インストリーム(※1)やアウトストリーム(※2)といった動画広告の種類が近年、増えています。これらデジタル動画広告とテレビ広告を併用して、商品やサービスの認知施策を広く行い、そこからサイト来訪・資料請求、商品購入などのアクションにつなげたいと考えるケースも少なくありません。その際にプロモーションの効果を高めるためには、広告効果を可視化して柔軟にPDCAを回すことが必要です。

しかし、テレビ広告はGRP(※3)やTRP(※4)、デジタル動画広告はインプレッションや再生数というように、それぞれ指標が異なります。テレビとデジタル双方に広告を打っても、別々の指標やリポートで管理し、個別にKPIの最適化を図っていると、プロモーション全体のPDCAをうまく回せない、適切にプランニングができないという課題を抱えることがあります。

これらの課題を解消するために生まれたのが、「MIERO Digi × TV」(ミエロ・デジテレ)です。これは、テレビとデジタル動画を一つのメディアとして捉え、共通指標で横断評価してマーケティングの統合分析を可能にするソリューションです。

※1 インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画広告。

※2 アウトストリーム広告:ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面などに表示される動画広告。

※3 GRP:Gross Rating Point(延べ視聴率)。あるテレビCMを一定期間流した時の視聴率の合計。例えば、視聴率1%の番組にテレビCMを3回流した場合は3GRPになる。

※4 TRP:Target Rating Point(ターゲット延べ視聴率)。GRPが世帯視聴率を用いて算出するのに対し、TRPは個人視聴率をベースに算出する。

 

効率的な広告出稿を実現する、「MIERO Digi × TV」

「MIERO Digi × TV」(ミエロ・デジテレ)は、テレビ広告とデジタル動画広告、それぞれのリーチデータを取得し、電通独自のロジックで信頼性の高い統合リーチを算出。エリア・性・年代ごとのリーチ数を一つのダッシュボードでほぼリアルタイムで確認できます。

MIERO Digi × TV


さらに、統合到達数(UU)や、テレビ出稿をインプレッション換算することで統合インプレッションを算出。テレビとデジタルの共通指標により複数媒体横断の媒体間比較を提供。テレビ広告はタイム・スポット別、デジタル動画広告は、YouTube、TVer、ABEMA、Yahoo!、Facebook、Twitter、LINEなど、複数の媒体計測が可能で幅広い出稿状況への対応が可能です。

このソリューションによって、ターゲットにどれくらい広告が届いているかが把握しやすくなり、PDCAを回すときに大いに役立ちます。

例えば、テレビとデジタルの媒体横断のコスト効率を比較して次回の予算配分を決める、エリア別のリーチ(UU)単価を比較して効率の良いエリアを発掘する、といったことが可能になります。一つのダッシュボードでさまざまなデータが読み取れるので、マーケティング戦略における迅速な意思決定も実現できます。

また、テレビにおいては放送局別のアクチュアル達成率(※5)も本ダッシュボードで確認が可能で、テレビ出稿のモニタリング機能としての役割を果たします。

※5 アクチュアル達成率:放送前に買い付けた視聴率に対して、どれだけの視聴率を実際に獲得したかを示す割合。


 

さまざまなマーケティング結果を統合して見える化する

「MIERO Digi × TV」は、今後も機能を拡張していく予定です。統合リーチに加えて、統合フリークエンシーや広告接触者の態度変容率推計の共通指標を拡充。さらに、データクリーンルームと連携して、広告の出稿状況と広告効果を即時に可視化・分析できる環境を整える予定です。さまざまなマーケティングの結果を統合して、リーチから態度変容、購買などのアクションまでをわかりやすく視覚化することを目指しています。

併せて、データの計測条件の範囲の拡大と、提供費用を抑えたサービスラインアップの開発により、できるだけ多くのクライアントにご利用いただける環境を整えます。

次回は、テレビの広告枠バイイングのソリューション「RICH FLOW(運用型広告)」についてお伝えします。

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