パパの生態変化~コロナを経たパパと家族の子育て実態~No.1
家族時間は増えた。「変化を楽しめるかどうか」はパパ次第。
2022/09/09
パパの子育てにはまだ「ロールモデル不在」。多様なパパがそれぞれの形で子育てをしていました。さらにコロナ禍での環境変化により、家族との関わり方も働き方も変貌しています。企業にとってまだ未知数な部分も多いパパの行動や気持ちを知ることは、これからのマーケティングにおいて欠かせないポイントです。
パパラボが実施した「パパの生態変化~コロナを経たパパと家族の子育て実態~」の調査結果をもとに、子育てする父親の実態と、ココロや行動を動かすポイントを連載します。第1回は、「コロナ前後における変化の実態」にフォーカスをあてて紹介いたします。
【パパラボ】
「パパって、日本のポテンシャル」
パパラボはメンバー全員が、働くパパ。営業、ストラテジー、クリエーティブ、デジタル、メディア、コーポレート、さまざまな領域のプロフェッショナルが集ったいわばパパ専門のミニエージェンシー。パパと家族のターゲット研究を起点に、マーケティング支援・コンテンツ開発・男性育休取得推進支援などのソリューションを提供している。2019年、パパへのインタビュー結果をまとめた「多様なパパの生態研究」を公開中。
https://www.projects.dentsu.jp/papalabo/variety/
1日の在宅時間「パパは3時間増加!」
まずはじめは「在宅時間」の変化についてです。2019年と2020年のパパの平日の在宅時間を比較すると、1日3時間増加しており、その傾向は翌年になっても変わらないことが分かります。大きく過ごし方が変化したこの1日の時間を、パパたちはどんなことに使っているのでしょうか。
増えた時間は「家族との交流」「家事・育児」と「在宅勤務」へ
次に「どんな生活時間」に変化しているかに着目します。
コロナ前と比較して「家族」と「在宅勤務」にかける時間が増加しているパパが半数となっています。「子どもやパートナーと過ごす・会話する時間」「家事・育児にかける時間」を以前よりも確保しているようです。
「家族以外との交流や会話の機会」は、多くの人が減少…
一方でコロナ前と比較して「減った生活時間」はあるのでしょうか?
家族以外のコミュニティとの時間が減っているパパが多いようです。「仕事関連・知人や友人との飲み会」が7〜8割の人が減少しているのは仕方がないのかもしれませんが、「同僚との雑談・とりとめもない会話」「パパ友・ママ友との交流」までも、約5割の人が減少してしまっています。
「変化を楽しむパパ」と「ストレス増大のパパ」が二極化
家族と過ごす時間が増えて、家族以外のコミュニティとの時間が減ったコロナ前後の環境変化をパパたちはどのように捉えているのでしょうか?
「生活満足度が上がった」「家族関係が良くなった」というポジティブな意識の変化をしたパパの割合が高いことが特徴的です。一方で、「ストレス」に着目すると異なる傾向が見えてきます。「家事・育児のストレス」「仕事のストレス」は、「ストレスが増えた人・ストレスが減った人がそれぞれ2〜3割ずつ存在」しています。
在宅時間や生活の中で時間を割く内容が大きく変化している中で、その「変化を楽しむパパ」と「ストレス増大のパパ」と大きく2つのパターンに分かれている様子がみてとれます。
コロナ前後で、これまでの多様だったパパたちの子育て実態は、さらに大きく変化していることが分かりました。そしてこの「変化に対する行動や気持ちにも多様性が存在」するようです。次回はこのパパたちを7つに分類することで、多様なパパへの理解を深めていきます。