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為末大の「緩急自在」No.29

アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.29

2022/10/24

為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。

為末大氏

──「センスとは、何か?」というへんてこりんなテーマでお話を伺ってまいりましたが、そのテーマでのインタビューは今回がラストとなります。よろしくお願いいたします。

為末:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

──前回の最後に「その『センス』は、使い回しがきくのか?」 というテーマを提示させていただきました。分かりやすい例でいえば、お笑い芸人の鉄板の芸、みたいなことです。

為末:芸人の方のことはよく分かりませんが、アスリートの分野だと一流になるとやっぱり「その人らしさ」が 際立ってきます。普通は「らしさ」がはっきりすると相手からすれば何をやってくるか読みやすいので不利なのですが、トップの方はそれでもなんとかしてしまうという強さがあります。きっと表面に見えているものよりももっと深くまで「らしさ」が構築されていて、その全容は相手には見えないんでしょうね。     

──分かるなー。いや、アスリートの世界のことは分かったつもりでいるだけなのですが、超一流の選手って、いわゆるルーティーンってやつですか。お決まりのことを、きっちりやりますよね。そこに、その人らしさ というか、センスを感じる。

為末:アスリートの場合、ポイントは体幹なんだと思います。どんな競技でもそうですが、「重力」に対して、どのような「姿勢」をとるか、ということが最も大事なんですよ。中心というか、軸というかが定まっていれば、体の末端の部分は自然とそこについてくる。

──うんうん。

為末:大事なことは「関係が見えるようになる」ということなのだと思います。腰をこう動かせば、手足はこうついてくる、みたいな。

為末大氏

為末:超一流のアスリートというのは、そうした関係性を学ぶ能力が優れているのだと思う。記憶力もそうですし、その記憶を編集して、物語化する力があるのだと思います。

──なるほどなー。自分のセンスの生かし方を知っているというか……。

為末:分かりやすくいえば、センスというより「クセ」と言ったほうがいいかもしれません。僕には、私には、こういう「クセ」があるのよね。その「クセ」を生かすにはどうしたらいいんだろう?みたいな感覚です。

──なんだか、すごく元気がもらえるお話ですね。クセって、たいてい悪いことのようにいわれがちですが、それがあなたのセンスなんだよ、と言われるとなんだかうれしくなります。

為末:個性とか、ダイバーシティ(多様性)と いうのは、そういうことなのではないでしょうか? 

──ですよね。「キミのその独特なセンス、好きだなー」とか言われると、どんな褒め言葉よりもうれしいですものね。

為末:そしたらもう、必死で走っちゃいますよ。こっちは(笑)。

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


アスリートブレーンズ プロデュースチーム 日比より

センスの3回目。超一流のアスリートは、関係性を学ぶ能力が優れている。以前、アスリートブレーンズのセミナーで、為末さんと新結合という話をさせていただきました。まさに、異物を取り入れ、関係性をつくる。そこに、新しい価値が生まれると。超一流のアスリートのように、新たな関係性を見つけにいく、関係性を自分のものにする、そういった取り組みの必要性を語られたようにも、感じました。ぜひ、新結合の一つの選択肢として、アスリートブレーンズの活用を、ご検討いただけるとありがたい です。

アスリートブレーンズプロデュースチーム 電通/日比昭道(3CRP)・荒堀源太(ラテ局)

為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。
アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら

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