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電通報ビジネスにもっとアイデアを。

企業の未来のためにできることNo.8

イノベーション・コンサルティングの世界へようこそ

2014/02/26

企業の永続的な発展に欠かせない、たゆまざるイノベーション。モノやサービスそのものの価値だけでなく、ブランドの「体験価値」が問われる時代に、企業のイノベーションを支えるコンサルティングサービスを電通はどのように提供していくのか。ブランドデザインや新事業開発、新商品・サービスアイデアの創出など、さまざまなイノベーション課題のコンサルティングに携わってきたコンサルティング室チーフコンサルタントの永井麻子さんが3回にわたりレポートします。

 

日頃の思考力とは異なる潜在的な力を引き出す刺激ツールと場を提供

電通のコンサルティング室が手掛けるイノベーション・コンサルティングの使命は、クライアント企業の「顧客価値」を増大させることです。顧客価値とは、ある企業が生活者や消費者、取引先企業などの顧客に提供するブランド価値のことですが、近年は商品・サービスが飽和し、モノやサービスの価値だけでは差別化が非常に難しくなってきています。さまざまな接点を介したあらゆるブランド体験を通じて、いかにブランドの価値を実感してもらうか、つまり「体験価値」が重視される時代なのです。

加えて、テクノロジーのグローバル化と大衆化・オープン化によって、企業がもっていたものづくりの土台もゆらぎ始めているともいえます。かつて誇っていた技術力の優位性も、他社にあっという間に追いつかれるケースが増え、オリジナリティのある商品・サービスの価値をいかに長く持続させ得るかが大きな課題になっています。

そのような時代の趨勢の中で、企業の成長戦略につながるブランドの再定義や再構築、顧客価値を増大させるイノベーションの創出が急務とされています。

イノベーションとひと口に言っても課題・テーマはさまざまですが、企業のあるべき姿の策定、企業の新たな屋台骨となるような新事業領域の探索や新商品・サービスの開発、さらには販売戦略の構築に至るまで、あらゆる局面で求められるのが独創的なアイデアの創出です。また、企業のあらゆる活動を推進する上で重要なカギとなる、社内的な課題のブレークスルーにおいても、突破力のあるユニークなアイデアの創出は欠かせません。

その独創的アイデアの創出や未来シナリオの構築のために、電通がこれまで顧客視点で培ってきたオリジナルの発想法をプロセス化し、クライアント企業と一緒に最適な「解」を導き出していくイノベーション・コンサルティング・サービスを私たちは提供しています。

われわれのイノベーション・コンサルティング・サービスの最大の特長は、電通のDNAともいうべき右脳型発想が根底にあることです。

従来から、アイデアの発想法一つとっても、数多くの「型」がありますが、その型にとらわれず、アイデアをぐるぐる回したり、ときには散らかしたりして、参加者自身の潜在的な力や想いを引き出す刺激ツールと場を提供する。あるいは、未来のトレンド・市場分析では、今後予想される事象にとどまることなく、一歩踏み込み、生活者の気持ち(マインド)に着目してアイデアを導き出す。そのような右脳型の発想とアプローチでクライアント企業の皆様と共にイノベーションの実現を図るのが、電通コンサルティングチームの役割であり、また強みでもあると自任しています。

自律的な成果を生み出す強力なサポーターとして

一方、イノベーションを追求するクライアント企業にとっては、革新的なアイデアの創出と共に重要になるのは、そのアイデアを実効性あるものにしていくことです。アイデア創出をゴールとするのではなく、そのアイデアを実際にカタチにして企業の成長に結びつけていく原動力を維持していかなくてはなりません。

アイデアの実効性を担保するために私たちが大切にしているのが、クライアントの皆様自身が「解」を導き出し、その「解」に対する深い理解と確かな腹落ち感を得るための最適なプロセスの提供です。たとえば、課題解決のためのワークセッションにおいても、どこまで議論を突き詰めて、どのような成果を得るのかは、各社各様のニーズがあります。それは、レディメードのプログラムを一律に提供することで実現できるものではありません。

それぞれの会社の事情とニーズに合わせたカスタムメードのプロセスの設計が重要となってきます。そこでも、「型」にとらわれない柔軟なプロセスデザインの力が求められます。コミュニケーション・ビジネスで培ってきた電通ならではの力が生かされる場面でもあります。

現在のコンサルティング室の前身でもあるブランド・クリエーション・センター(BCC)が立ち上がったのは2001年です。その少し前から、日本でもブランディングの重要性がいわれるようになっていました。私自身はその頃から、マーケティングサービス業務の一環として電通独自のワークセッションプログラムの開発や、当事者の主体性を引き出すファシリテ-ション型の課題解決サービスに深く関わってきました。

その業務の中で深く実感したのは自律的な成果の大切さです。クライアント企業の皆様に、自ら「解」を導き出すプロセスを体験いただくことで、アイデアそのものが非常に強固なものとなり、自信を深められ、強い意志のもと具現化に向けた大きなパワーを生み出す。それこそが企業イノベーションの核心的部分ではないかと思います。私たちの役割は、その強力なサポーターになることですが、具体的にどのようなサポートをするのか、次回と次々回に分けて紹介したいと思います。

次回は3月12日に更新予定です。

撮影場所:BICE