Dentsu Design Talk第107回(2013年11月26日実施)は、「インディペンデント化するメディアプロデュース!!!」と題して、話題のライブ・ストリーミング・メディア「DOMMUNE」主催の宇川直宏氏と3331 Arts Chiyodaのデザイン・ディレクターでもある佐藤直樹氏(ASYL)を招きトークセッションを開催した。グラフィック、映像、そしてライブストリーミングによるSNSメディアへと、メディアの変遷と共にダイナミックに表現を変え続ける宇川氏の発想の原点を探った。
(企画プロデュース:電通人事局・金原亜紀 記事編集:菅付事務所 構成協力:小林英治)
宇川 直宏氏
映像作家
全方位的アーティスト
佐藤 直樹氏
アートディレクター
グラフィックデザイナー
半公共空間をメディアにする
最初に佐藤氏の近況からセッションはスタート。現在、秋葉原の廃校舎をリノベーションしたアートセンター「3331 Arts Chiyoda(以下3331)」の運営に関わっている佐藤氏。音楽家・大友良英氏の「Ensembles展」や漫画家・大友克洋氏の原画展「大友克洋GENGA展」などの開催により注目を集め、さらには民間運営のコミュニティースペースとしても成功を収めている。その成功要因として、佐藤氏は都市における「半公共空間」の重要性を語る。こういったイベントスペースは「外から人が入りやすいという状況を作らないと、中でいくら面白いことや突出したことをやっていても人は入ってこない」ことを指摘。「3331をちゃんとメディアにしていかないといけないので、本当にこれから」と意気込みを語り、セッションのメインとなる宇川氏の活動についての話に移った。
1961年生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学ぶ。美学校菊畑茂久馬絵画教場終了。肉体労働から編集までの様々な職業を経た後、88年より株式会社翔泳社でデザインをスタート。94年『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。2009年からは美学校で講座「絵と美と画と術」をスタート。2010年にオープンしたアートセンター「3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田3331)」ではデザイン・ディレクターを務める。多摩美術大学准教授(造形表現学部デザイン学科)務める。