~地方紙は今、読者との絆を財産に、新機軸の取り組みにチャレンジしている~
今、地方新聞社は、地元での強いネットワークを生かし、新たな事業を創出、地域活性化に大きく寄与する取り組みを展開しています。各社は従来の枠を超え、新領域で次々と地方創生につながる成功事例を生み出しています。本コラム「地方創生に挑む地方新聞社」では、そんな取り組みの中からユニークな事例をピックアップし、6週連続でお届けします!
地方創生に挑む地方新聞社(2)
信濃毎日新聞社
家族のはなし
デーリーメディアならではの驚きの手法に挑戦
信濃毎日新聞社が2013年、創刊140周年記念として企画したのが「家族のはなし」。翌年には第2弾も実施した同企画は地域の人々の思いを集め、紙面だけでなく映像や音楽で共感を誘う趣向だ。それは新たな挑戦の連続で、読者からは「信毎もここまでやったか」との声も寄せられたという。
創刊記念日の13年7月5日の紙面では見開きで家族にまつわるエピソード募集を告知。翌日からは130日連続で1文字だけの小枠広告を掲載した。11月17日の「家族の日」には別刷りを発行し、読者の投稿や、長野県出身のお笑い芸人・鉄拳さん書き下ろしのパラパラ漫画全1918コマを掲載。小枠130日分の文字をつないだメッセージも披露した。さらに鉄拳さんの全1918コマのパラパラ漫画を新聞印刷機で印刷しながら撮影し、その動画をユーチューブで公開。国内外から3カ月間で66万回以上のアクセスを獲得した他、アドフェストなど海外広告賞の受賞、そして文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」選出にもつながった。