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「スマホと日本人」No.2

ビデオリサーチ+電通総研共同リポート「スマホと日本人」(後編)

2015/06/24

“携帯電話を再定義する”を掲げてiPhoneが登場したのは2007年1月。
それから約8年で世の中にはスマートフォン(スマホ)があふれ返るようになった。スマホの登場で私たちの生活は大きく変わったが、具体的に何が変わったのか。ビデオリサーチと電通総研メディアイノベーション研究部による調査で、そのアウトラインが見えてきた。今、スマホと日本人はどう関わっているのか。第1回に続き、「事実3」「事実4」をリポートする。


事実3

短時間に高頻度で起動。特に10代女子

〈解説〉

スマホはコミュニケーションツールである

SNSアプリは一度起動されると、短時間のうちに何度も起動を繰り返す「反復性」が高く、恐ろしくせわしないことが分かる。つまり画面を見る行動としては静的だが、意識活動の面では非常に動的といえる。アプリ起動頻度からはスマホは手の中のパソコン的な情報収集ツールというより、携帯電話から進化したコミュニケーションツールであるといえよう。

〈調査チームコメント〉

“しない・させない”既読スルー

SNS、中でもLINEの利用が突出しています。特に10代女性の場合、LINEを起動して10秒以内にブラウザーなどでネット上のコンテンツを見たり、ツイッターなどの別のSNSアプリを立ち上げたりすることもあります。本調査では、若者が「既読スルー※」を回避するため反射的に行っている行動を具体的なデータで把握しています。

全国の男女(15〜69歳)1000人の起動データを分析。
データは、2014年10月1〜31日の1カ月間のもの。SNS分野のアプリが起動されてから、同分野内で次の起動が生じるまでの時間間隔を示した。

事実4

実はF2、F3がゲームにハマっていた

〈解説〉

10代は1日4回、50代は約10回起動

ゲームアプリの起動率は、男女どの年代でも比較的高い傾向にある。このグラフは、ゲームの内訳を女性の年代別に示したもので、10代が1日4回程度なのに対し、40代は約8回、50代は約10回と、大人の方がゲーム好きであることが分かる。教育、パズル、カジュアルなどのサブカテゴリーや、具体的な使用アプリを知ることができるのも本調査の特徴だ。

〈調査チームコメント〉

楽しんでいるゲームはゆるゲー

女性は年齢が高くなるにつれて「ねこあつめ」のような“ゆるい”ゲームや、“育てゲー”やパズルなどの利用が増えています。これは従来のガラケーにもあったミニゲーム、ゲーム専用機の脳トレなどからの移行では、と分析しています。この他20〜40代の女性は、育児に関係すると思われる教育系も起動していました。

全国の男女(15〜69歳)1000人の起動データを分析。データは、2014年10月1〜31日の1カ月間のもの。ゲームアプリを18に分類した。


 

他にもこんなことが明らかに!

 

トピック①
コミュニケーションの再定義
LINEを中心に高頻度にコミュニケーションを繰り返す使い方はスマホ利用者全般に共通する。情報やメッセージが頻繁に飛び交う、いわば「瞬速伝達圏」ともいえる空間がスマホの普及とともに台頭している。

トピック②
スマホ利用のピークは午後10時
外出先よりも自宅で利用する傾向が強く、中でも午後10時が全年齢層で利用のピークになる。これを踏まえたプランニングがマス・デジタルの双方に求められることは間違いない。

トピック③
10代女子は映像好き
10代女性は文字ではなく写真系のアプリや、SNSなどでのコミュニケーションが活発。イメコミ(イメージング・コミュニケーション)とでも呼ぶべきものではないか。

トピック④
動画共有ではパソコンが健在
20〜30代の男性では、パソコンを利用してユーチューブやニコニコ動画を見ていることも分かっている。スマホだけに偏っていると思いきや、ユーザーは賢く使い分けているようだ。


Cloudish by AppApeとは
「5万人超のスマホユーザー(アンドロイド)から収集したアプリ利用データを基に、時間帯・日別でのアプリ利用動向、利用アプリ間の関連性、個別アプリのライフサイクル の予測・分析をするプラットフォーム。ビデオリサーチインタラクティブがマイクロソフトと共同で提供。エクセルベースの分析テンプレートを使うことも特徴の一つ。