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ArounD 30 ○○をもっと面白くするアイデアNo.11

「勘違い」をもっと面白く

2017/02/16

電通の若手アートディレクターが考える「○○をもっと面白くするアイデア」をご紹介。今回は、唐木田奈緒さんによる「勘違いをもっと面白く」です。

勘違いをもっと面白く

表現のモチーフとしての「モザイク」

──なぜ「勘違い」というテーマにしたのですか?

唐木田:もともとモザイクって、表現のモチーフとして面白いな、と思っていました。抽象化することでシンプルな色の連続になり、そのままの写真で見るよりもキレイだなと。モザイクの役割は、そのものを分かりにくくするということ。そこから離れないで表現できないか考えて。モザイクのフィルターをかけたら、全く別のものが似通って見えたら面白いよね、と今回のテーマになりました。

モチーフ選びは結構悩みましたね。分かったときの意外性がないとダメだなと思い、最初は「から揚げ」と「プードル」。面白さはあるのですが、モザイクにするとただの茶色の塊(笑)。他に「富士山」と「かき氷」とか。絵的にはキレイなのですが意外性が弱く、最終的にはこの「パンダ」と「大福」に落ち着きました。

PANDA  PANDA? This is DAIFUKU.

密度の濃いアニメにディテールの大切さを学ぶ

──最近関心のあることを教えてください。

唐木田:最近はアニメーションをたくさん見ています。テレビも映画も、新作から昔のものまで、ここ1年くらいで30作品以上は見たと思います。特に2016年は質の高いアニメーション映画が数多く公開されて、あらためてアニメのすごさに驚かされました。全てのシーンの隅々まで魂が行き届いていて、作り手の思いが伝わってくるんです。

中でも最近特にその思いを強く感じたのが「となりのトトロ」です。たまたま再放送をやっていて、小さい頃何度も見てたし、新しい発見や驚きは期待せず何げなく見ていたのですが、あらためて見たら、もう圧倒されて。キャラター設定の奥深さとか、子どもらしい自然な動きやせりふの言い回しとか、ワクワクするシーン設計とかとか。とにかくものすごいこだわりで、高解像度なんですよね。密度が濃いっていうんでしょうか。

もちろん言わずもがなの名作ですし、そんなの知ってるという方は多くいらっしゃると思うのですが、以前の自分はその素晴らしさをちゃんと理解できてなくて。今はたくさんのアニメを見たおかげか、ずいぶんと私の「受信力」が上がったんだと思います。

このディテールへのこだわりは、私たちの仕事でもとても大切な部分なので、この感動を忘れないように、普段の制作に生かしていければよいなと思います。