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世の中を動かす「面白い」の創り方

DMCラボ・セレクション ~次を考える一冊~ №69

  • 川畑 茉衣

2017/07/28

世の中を動かす「面白い」の創り方

「ええやん!それ、オモロイな!」
「それはおもんないやろー」

私が6月までいた電通関西支社では、社内の打ち合わせやブレストはもちろん、クライアントとの会話や、同僚との雑談など、さまざまなシーンで「面白い」かどうかの議論がなされ、「面白い」かどうかが重要視されます。
(ちなみに、イケメンよりも、足が速い人よりも、「面白い」人がモテる、それが大阪です。マジです)

その中でも、ひときわストイックに「面白い」を追求し、数々の「面白い」を世に送り出し続けている中尾孝年さん(現在は東京本社)が「面白い」を生み出すためのノウハウを1冊にまとめた著書『その企画、もっと面白くできますよ。』(宣伝会議)を、今回は紹介します。

その企画、もっと面白くできますよ。

 

広告に「面白い」は必要か?

まず前提として、本書で語られる「面白い」は、笑いの感情、関西弁で言う「オモロイ」だけでなく、「感動する」とか「ワクワクする」とか「腹が立つ」とか、そんな人のいろんな感情を動かすものとして定義されています。

確かに、人は「面白い」と思うことには興味を持つし、人に話したくなるし、関わりたくなるもの。恋愛において「好きの反対は無関心」なんてよく言われるのと同じで、広告にとっても、一番悲しいのは興味を持ってもらえないこと。だからこそ、人が興味を持って行動したくなるような「面白い」が広告には必要なのです。


「面白い」を生み出す「?+?=100」の思考

では、世の中を動かす「面白い」はどうやって生み出せるのか。

それは、「面白い」を生み出す企画力と、「面白い」を世に送り出す「実現力」の
掛け合わせにある、と本書では語られています。

まず、「面白い」を生み出す「企画力」。
これに必要なことの一つに、頭の使い方があります。

企画する上で、よく陥りがちなのが、「99+1=?」の答えを探す考え方。
無意識的に答えは一つだと決めつけてしまう。このような、一つしかない答えを探す頭の使い方では「面白い」は生み出せない。「面白い」を生み出すために必要なのは、「?+?=100」の答えを考える頭の使い方なのだと、筆者の中尾さんは語っています。

「答え」にたどり着く為の方法は無限に存在します! だからくれぐれも答えは一つだと決めつけないようにしてください。一般的であろう、常識的であろうと思わないでください。既成概念に囚われていないか常に注意してください。(P.24-25)

つまり「面白い」は結果ではなく、結果を出すための方法なのです。

そしてこの「面白い」を可能にするために、絶対不可欠なのが「実現力」。
どんなに面白いアイデアも実現されないと存在しないのと同じ。

「いやー、すごい面白いんですけどねぇ」ってサラッと無かったことにされてしまうアレです。この業界で頻繁に見られる光景かと思います。

計算高すぎる「江口愛実」

本書では、この「面白い」を生み出し、実現させるノウハウが事例とともに生々しく(笑)、語られています。(なんなら成功事例だけでなく、失敗事例と反省まで!)
めちゃめちゃ面白いけど、よくこの案通ったなぁ。なんて思う事例も多数紹介されています。

その中でも、私が当時とても衝撃を受けた企画が、江崎グリコの「アイスの実」の広告キャンペーン「江口愛実」。

ご存じの方も多いかもしれませんが、AKB48の大型新人として突如、絶世の美女「江口愛実」が登場。雑誌の表紙やCMで大きく露出し、世間をざわつかせた後、「実はこの子CGでした!」とネタばらしするという、なんとも壮大なドッキリ企画です。

このキャンペーンの裏側やノウハウも、本書では「面白い」で世の中を動かす五つの秘策として包み隠さず紹介されていて、ここまで綿密に計算された「面白い」だったのか、と驚かされました。

いやいや、中尾さん、ここまで全部見せちゃって大丈夫ですか?(笑)

このように、本書では「面白い」を創り出すために必要なノウハウがぎっしり詰め込まれています。広告に限らず、企画やアイデアが必要な仕事に携わる方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

 

電通モダンコミュニケーションラボ

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