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1万人調査で判明した、生活者に重視される企業の“魅力”

鍛えよ!コーポレートコミュニケーション力 №2

  • 萬石 隼斗

2017/09/14

1万人調査で判明した、生活者に重視される企業の“魅力”

電通パブリックリレーションズの研究組織「企業広報戦略研究所」のさまざまな調査・研究を起点に、「鍛えよ!コーポレートコミュニケーション力」と題して連載を行っています。今回は、2017年3月に調査した第2回「企業魅力度調査2017」について、性年代別の視点からレポートをお届けします。

Point
生活者は、性年代別で重視する企業の魅力が異なる!
・「人的魅力」はM1(20~34歳の男性)が最も重視しているが、他の属性も重視している。
・「商品的魅力」は女性に重視される傾向がある。
・「会社的魅力」は一般的な生活者にはあまり重視されていない。
・企業の活動(Fact)を情報発信する際は、ターゲットの属性に合わせて戦略的に決めるのがよい。

 

性年代別に重視される企業の魅力の3要素

連載第1回でもお伝えしたのですが、企業魅力度モデルは企業の行動(Fact※)を「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素に分類し、分析しています。この3要素のうち、生活者がどの要素を重視しているのか、性年代別(M1:20~34歳の男性、M2:35~49歳の男性、M3:50歳以上の男性、F1:20~34歳の女性、F2:35~49歳の女性、F3:50歳以上の女性)にまとめたのが以下のグラフです。
※企業行動そのもの、およびそれに伴う事実ベースの企業構成要素。

属性別3つの魅力の構成比

性年代別に見て、まず目に付くのは、M1の「人的魅力」重視です。42.1%と唯一4割を超えています。また、「人的魅力」はM1以外の属性も、おおむね重視しています。

「人的魅力」とは、リーダーシップや誠実さなど、企業を構成する個人や事業活動を通じて周囲に感じさせる法人としての魅力を指します。すでに多くの企業が、企業トップはもちろん、名物社員や若手社員を生活者との“接点”となる自社サイトや企業説明会など企業コミュニケーションの場に登場させています。これらの手法が実際に生活者に好ましく思われていることが分かります。

次に、女性(F1~F3)を見てみると、「商品的魅力」の数値が「人的魅力」よりも高いか、ほぼ同値となり、男性に比べて「商品的魅力」に敏感です。

「商品的魅力」とは、商品・サービスの独創性やアフターサービス力、コストパフォーマンスなど、商品・サービスを通じて伝わる魅力を指します。このことから、女性に対する情報発信においては、商品・サービスにフォーカスする方がよいことが分かります。多くの女性誌や女性向け情報アプリで、商品やサービスの「お得情報」や「活用術」などが好まれるのも、こういった女性の心理と合致しているといえるでしょう。

なお、残る「会社的魅力」とは、成長戦略や収益性など、優れた財務パフォーマンスとそれらを支える仕組みや取り組みに関する魅力を指します。投資家やビジネスパーソンなど企業のビジネス面に関心が高い層にとっては重要な指標といえますが、性年代別の分析では大きな割合は占めていません。

各属性に響く魅力にフォーカスしたコミュニケーションを

「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素をさらに細かく、6領域(リーダーシップ、リスク・ガバナンス対応、ソリューション力など)に分類し、18項目でデータを見てみます(18項目の詳細は第1回参照)。

属性別の18項目の反応

表の中で色付けされている項目は、全体の数値よりも3ポイント以上高い数値(赤色)と低い数値(青色)を示しています。

各属性の主な特徴は以下の通りです。

M1:「人的魅力」のリーダーシップと職人のこだわりが高い数値を示している一方、「商品的魅力」は全体的に低い。

M2:職人のこだわりが高いが、それ以外に目立った特徴なし。

M3:全体よりも3ポイント以上低い数値はない一方、全体よりも数値が高い項目が「人的魅力」で4項目、「会社的魅力」「商品的魅力」でもそれぞれ3項目、2項目あるなど全体的に敏感。中でも「人的魅力」のアイデンティティーは全体よりも9.2ポイント高くなっている。

F1:全体的に低い数値が目立つが、「商品的魅力」のソリューション力において高い数値を示している。

F2:「人的魅力」と「会社的魅力」では全ての項目において、全体よりも3ポイント以上低い数値を示している。また、「商品的魅力」においても、目立った特徴はない。

F3:F1、F2と異なり、全体よりも3ポイント以上低い項目はなく、「会社的魅力」の社会共生と「商品的魅力」の安全性・アフターサービス力・クレーム対応の2項目で全体よりも3ポイント以上高くなっている。

属性別に反応しやすい魅力が分かれば、コーポレートブランドや商品ブランドのコミュニケーションにおいて、企業の行動(Fact)のどのような側面を重点的に打ち出していけばいいのかのヒントになります。例えば、M2層向けの商品展開を行っている企業であれば、その商品の開発に当たって、どのように職人のこだわりが生かされているのかという企業活動を中心に据えて発信していくのもいいかもしれません。自社がターゲットとする生活者の属性の特徴を踏まえて、今後のコミュニケーション活動に生かしてみてはいかがでしょうか。