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ログデータが明らかにする性年代別アプリの利用実態

スマートフォン 創造的破壊の10年 №2

  • 美和 晃

2018/03/13

ログデータが明らかにする性年代別アプリの利用実態

『情報メディア白書 2018』の巻頭特集「スマートフォン 創造的破壊の10年」の連載第2回をお届けします。

アプリ使用はせわしない

図1は月間平均の1日当たりのアプリ起動回数を示している(その定義上、使っていない日や人も平均の中には含まれている)。女性10代で99回ということは、使っている人は例えば150回ほど起動していてもおかしくないことになる。

だからヘビーユーザーはもっと多く起動している。スマホに依存するというのもよく分かるデータだ。

一番多いのは、LINEやFacebookメッセンジャーなどのインスタントメッセンジャー。その上の水色はTwitterやInstagram、Facebookといったソーシャルメディアなので、コミュニケーションニーズのために、いかに多くの回数、頻繁に起動しているかがよく分かる。また、男性よりも女性の起動回数が多い。

中高年女性がゲームアプリのメインユーザー

それでは、アプリ起動回数ではなく、アプリ起動時間に注目するとどんな傾向が見いだせるだろうか。

図2のピンク色のセグメントに注目してほしい。ここから分かるのは、なんと一番ゲームでよく遊んでいるのは中高年の女性であるということだ。

もちろんスマホ自体を持っていない中高年も多いが、スマホを持つと中高年の女性ほどゲームを頻繁にしている。パズル系と動物などキャラクターの育成ゲーム系の2種類が好まれている。

生活時間、仕事時間、家事育児介護などいろいろな時間があって、リアルな生活は拘束を受けているけれど、端末の向こう側には、もう一つの時間が流れているという感覚が浸透していると思われる。そのちょっとした時間についつい習慣で向こう側の時間を過ごしにいくという形で積み上がっていくのではないだろうか。

10代の女性で見ると、回数ベースのシェアが高かったのはメッセンジャーとソーシャルメディアであるが、時間量で見るとシェアは高くない。つまり、1回当たりの利用時間がかなり短いということを意味している。

動画アプリの利用が今後も拡大!

これらのコミュニケーション用途に使われているアプリが、スマホユーザーの「せわしなさ」を生む要因になっている側面が垣間見える。私たちはこの10年を通じて、よりショートアテンションになりつつあるのだ。

また、起動回数ではなく起動時間で分析すると、ゲームや動画共有といったジャンルのアプリが存在感を出し始める。特に10代男性が顕著で、回数ベースで見ると大したことはないが、時間量のシェアで見ると結構長い。YouTubeなどの動画共有アプリがよく使われていることを示しているのだろう。

冒頭でも述べた通り、この10年間は、多様なスマホ機種の発売、キャリア各社の戦略に基づくユーザーの契約の広がり、そして震災など社会的事件を背景としたコミュニケーションニーズの高まりに基づくメッセンジャーアプリの隆盛など、いくつかの契機が重なり私たちの生活をスマートフォン一色に変えていった。

その激しい変化の一方で、最近ではよく利用されるアプリの固定化も指摘され始めている。これまでのように、どんどん新しいアプリが出てきて、私たちのスマートフォンの新陳代謝を進めていくということにはならないかもしれない。

しかし、今後、通信環境がさらに発達していくことで―例えば2019年から2020年にかけての導入が見込まれ、開発が進む5G通信技術の普及など―、動画アプリなどはさらに利用が促進されていくことも予想される。

スマートフォンをめぐるエコシステムが成熟化してきたからこそ、このトレンドを分析していくためには、その外部の要因も含めて総合的に考察していく必要があるのだ。