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価値観の意味、本当に理解してますか?

なぜか元気な会社のヒミツNo.2

2019/12/05

価値観の意味、本当に理解してますか?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか?電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。

2回目は、佐賀県を発祥の地とするアイ・ケイ・ケイのケースです。

ウェブ電通報「カンパニーデザイン」連載記事は、こちらから。
 
 

アイ・ケイ・ケイ

人を引きつける力で次々に新たな挑戦を仕掛ける

九州を拠点に全国でウエディング事業を手掛けるアイ・ケイ・ケイ(IKK)。7期連続増収を達成し、就活学生から圧倒的人気を誇る。その躍進を支えていたのは、現場の活力であった。

話し手:金子和斗志氏(アイ・ケイ・ケイ 社長)
聞き手:中野武氏(電通 第1統合ソリューション局)
 
アイ・ケイ・ケイ 「お客さまの幸せと感動のために」を理念に、全国18カ所でゲストハウス・ウエディング事業を展開。2020年夏には、東京に新規出店を予定。
アイ・ケイ・ケイ
「お客さまの幸せと感動のために」を理念に、全国18カ所でゲストハウス・ウエディング事業を展開。2020年6月には、東京に新規出店を予定。
ゲストハウス・ウエディング式場の様子
ゲストハウス・ウエディング式場(写真は昼礼時の様子)

全ての社員が発言する会社しか生き残れない

「うちの社員の半分は、元々ウエディング業界志望ではなくて、IKKで働きたいと来てくれた人たちなんです」。学生就職人気ランキング(九州・沖縄エリア)では2年連続ナンバーワンのIKKを訪ね、現場社員の活力に圧倒された。

毎日行われる昼礼でも、次々に発言する社員の声に全員が真剣に耳を傾ける。「マネジメントから現場まで全ての声を吸い上げることが大切」だと金子氏は語る。「例えば、毎月1回、3行程度の業務改善策を出す場を設けています。新しい挑戦は失敗もありますが、そこからまた学べばいいんです。結局、全ての部署や階層の社員が発言する会社しか生き残れないと思います」と強いまなざしで続けた。現場の力を最大限に引き出す金子氏の魅力に社員も学生も引きつけられるという。

毎日行われるという昼礼で、生き生きと発言する社員
毎日行われるという昼礼で、生き生きと発言する社員
発言する社員の声に、全員が真剣に耳を傾ける
発言する社員の声に、全員が真剣に耳を傾ける

「自分以外は、全てお客さま」の360度発想

社内には「自分以外は、全てお客さま」という独自の価値観があると金子氏は教えてくれた。上司も部下もみんながお客さま、そう捉えることで、お互いが助け合い、主体性が生まれる。画一的なルールで縛るのではなく「お客さまのために」という徹底した価値観の浸透と、その下で社員個々に与えられる自由度。IKKの「人を引きつける強さ」の秘密が垣間見えた気がした。社員がどんどん挑戦できる現場環境を整え、その上で若い人たちが次に活躍できる場を開拓するために、自分は「未来の事業を仕掛けていく」という金子氏。「会社の中で、僕が一番若いですよ。気持ちは」と言い放ち、自らも次々に挑戦を続ける金子氏のパッションが、現場の活力を生み出す源泉になっているのだろう。

アイ・ケイ・ケイ 社長・金子和斗志氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・ 中野武氏(同右)「僕は危機感だらけの人間、と言いながら、新しい挑戦に目を輝かせる金子氏。海外展開や東京進出など、挑戦を続けるIKKの今後に注目したいと思います」(中野)
アイ・ケイ・ケイ 社長・金子和斗志氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・中野武氏(同右)「僕は危機感だらけの人間、と言いながら、新しい挑戦に目を輝かせる金子氏。海外展開や東京進出など、挑戦を続けるIKKの今後に注目したいと思います」(中野)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#02

金子社長のコメントには、「価値観」というワードが頻繁に現れる。ありがちな「社員には、会社や社長の持っている価値観をきちんと理解してほしい」ということなのかと思いきや、そうではない。むしろ、真逆だ。自分の「価値観」をしっかり持っている人と、共に働きたい。役職や年齢、ましてや性別など、一切関係ない。何のためにIKKに入って、何のためにIKKで仕事をしているのか。そのことを日々、自身に問いかける姿勢が何より大事なのだと言う。

話は、そこでは終わらない。自身の「価値観」と向き合うと同時に、他人のそれぞれの「価値観」を敬い、他人の「価値観」から学ぼうとすることが大切、と続く。さすがは、邸宅を丸ごと使って行うゲストウエディングという様式を、九州で初めて手掛けた人物だけのことはある。接客から料理、カメラマンまで、すべてIKKの社員がワンストップで提供する。それも、お客さまごとに違うオーダーメイドのウエディング。徹底した繊細さと大胆さが求められる仕事だが、その本質は「価値観」にあり、と言われると大いに腑に落ちる。

ボトムアップとトップダウンというワードはよく耳にするものだが、金子社長はそこにミドルアップとミドルダウンの2ワードを加える。「全ての社員が発言している会社」とは、全ての社員が自身の「価値観」と向き合い、それを発信するとともに、上も下も関係なく他人の「価値観」を敬い、それを吸収し続けている、ということだ。人こそ企業にとっての最も大切な財産、とは使い古されたフレーズのように思いがちだが、金子社長の理念や信念、そして実行力に触れると、そう考えてしまう自分がいかにも古い人間のように思えてくるから、不思議だ。その不思議な魅力が、今日も人を呼び、人を育てている。

「なぜか元気な会社のヒミツ」#01は、こちら
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