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電通報ビジネスにもっとアイデアを。

採用課題は、経営課題。採用にもクリエイティビティを。No.3

アイデア実現型インターンシップに込めた、三つの視点

2020/06/05

アイデア発想型から、実現型のインターンシップへ

コロナ禍の影響で、2021年卒の就職活動の長期化が懸念されていますが、一方では、2022年卒向けのサマーインターンシップの時期が近づいてきました。

2022年卒向けの合同説明会もオンラインに移行しつつある中、インターンシップの在り方を検討している企業も多いかと思います。

インターンシップは学生にとって、企業のことを知る大切な機会であり、また企業にとっては多様な学生と接点をもてる貴重な場です。

私たち電通若者研究部(電通ワカモン)は、2015年から「電通ワカモンインターンシップ」をプロデュースしています。2016~18年は「ココロを動かす教室」というタイトルで、 “アイデア発想型”のインターンシップを実施していました。

電通には、大切にしている二つの力があります。それは、「考える力」と「実現する力」です。2019年は、前年までのように「考える力」に特化するのではなく、「実現する力」にもフォーカスしたインターンシップを策定。

これまでとはガラッとコンセプトを変えて「アイデアで終わらせない」をテーマに据えました。インターンシップ参加者は、それぞれが「ほうっておけない」と思っている課題を持ち込み、それを解決するアイデアを考え、実際に実現することに挑戦。

アイデア実現型インターンシップへシフトするにあたり、重視したことは「学生が主役となって参加できるプログラムであるか」。そう考えた理由は、三つあります。

 ①“大人→若者”ではなく、“世の中→若者”という矢印づくりに挑戦したかった

大人と若者の間には、知らず知らずのうちに、ミゾが生まれています。「なぜ若者ってそんなに○○なの?(熱くならないの?お金を使わないの?)」というフレーズをよく耳にしますが、これは大人が自分たちの価値観をベースに若者のことを見ている、つまり彼らの行動や価値観を断片的に捉えているから出てくる言葉です。

そういう“大人→若者”の一方通行の矢印が、インターンシップでも起きていました。どういうことかというと、企業のインターンシップやビジネスコンテストの多くは、経験、実績のある大人(企業)が、学生のアイデアを講評して終わりという、アイデアコンペ型が主流です。

しかし評価は一つではないし、順位も審査員によって変わるものです。アイデアコンペ型もひとつの正解のカタチですが、違う矢印のインターンシップがあってもいいのではないか。今回、私たちは、学生がクラウドファンディングを使ってアイデアを実現するインターンシップを行い、“大人→若者”ではなく、“世の中→若者”という新しい矢印づくりに挑戦しました。

②学生が、自分主語で結果までを語れるようなインターンシップにしたかった

2019年4月に電通ワカモンは、「若者まるわかり調査2019」を実施しました。その結果、今の若者は、“「自分」のスキルアップやキャリア構築をしたい”というマインドを強く持っていることが見えてきました。そこで、インターンシップで取り組むテーマも、参加する学生自身が「やりたい」と思って取り組めるテーマにする必要がありました。

ワカモン調査1

ワカモン調査2

ワカモン調査3
 

調査結果から、若者は、限られた時間の中でどういう見返りがあるのかという“タイムパフォーマンス”を重視することも分かりました。そこで、クラウドファンディングを通して参加者に、「自分で挑戦したことに対する結果を明確化させたい」という狙いもありました。

主役は、インターン生一人一人。私たちは、講師というよりも、生徒のアイデアを実現するためのサポート役としてインターンシップを進めました。

 ③“アイデアを実現するためのアイデア”を考える面白さを伝えたかった

何もないところに新しい何かを作り出す“0→1(ゼロイチ)”のアクション。 “アイデア発想型インターンシップ”は、課題を解決するアイデアを考えることに重きを置いたプログラムです。これを“0→0.5”と表すとすると、 “0.5→1”の後半部分、つまりアイデアを実現するためのアイデアも、私たちは、日々、仕事の現場で考えています。そしてそこにも、電通の仕事の面白さが詰まっているのです。

これまでは学生にとって、どこの企業に入るかを選ぶ「就社」の時代だったとしたら、今は本当の意味での「就職」の時代を迎えています。終身雇用の崩壊、副業解禁などの流れの中で、自分のやりたいことを実現するためのスキルを得たいと思っている若者に、電通流のアイデア発想&実現に向けてのコツを伝えることが重要だと考えました。

以上の視点を踏まえて、インターンシップのプログラムを開発しました。プログラムでは、アイデア発想に必要なコンセプトの立て方や、インサイトの掘り下げ方、そしてアイデア実現に必要なプロジェクトマネジメント法やPRの考え方などを、電通ワカモンがインプット。6日間のプログラムを経て、学生は自分のアイデアを日々ブラッシュアップしていきました。そして、インターン生一人一人が、チームや予算を管理するプロジェクトリーダーとなり、クラウドファンディングを通して資金を調達し、アイデアを実現するところまで取り組みました。

次回は、実際に学生が取り組んだプロジェクトを紹介します。

ワカモンロゴ高校生・大学生を中心に10〜20代の若者の実態にとことん迫り、若者と社会がよりよい関係性を築けるようなヒントを探るプランニング&クリエーティブユニット。
https://dentsu-wakamon.com/