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【グローバル】世界の潮流はニュー・ノーマルへNo.2

2020/04/27

テクノロジーで、テレワークは当たり前になれるのか。

今、多くの企業で「テレワーク」への試みが実施・検討されています。かねてからオフィスに縛られず、世界中を旅しながら自由に仕事をするスタイルに憧れ、「夢は旅人になることです!」と周囲にもらしていた私としては、個人的な視点でもこの新しいビジネススタイルには可能性を感じています。

今回は、私の所属する国内電通グループの新会社 「GNUS(ヌース)」の事例から、テレワークに対する気付きをシェアします。

設立当初からリモートを前提としていたGNUSのワークスタイル

GNUSは、2019年8月に設立された「イノベーション・コンサルティング&ソフトウエア開発」会社です。特徴は、フリーランスのエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーたちとチームを組んで、デジタルプロダクトの開発をアジャイル(迅速)に行うこと。CX(顧客体験)やEX(従業員体験)の向上、DX(デジタルトランスフォーメーション)などを実現し、ビジネスの価値につなげる事業を行っています。

フリーランスの方々とはプロジェクトごとに、週に数度の打ち合わせを行いますが、メンバーの居住地はバラバラで、地方や海外から参加するメンバーも多数います。必然的にリモートでの共同作業が基本になっており、そのような環境下でも効率的に、かつ有機的なやりとりが行える仕組みが構築されています。したがってテレワークが強いられている現在でも、全く出社しなくても作業の質とスピードを落とすことなくプロジェクトが進められています。

GNUSのビジネスモデルの特徴
GNUSのビジネスモデルの特徴

どのツールを使うかで差が出る。文字コミュニケーションを通した創発の質

GNUSでの重要な業務の一つが「企画・提案作成業務」です。その中心的なインフラとなっているのがビジネス向けチャットツールのSlack。メールでのコミュニケーションと違い、文章を整理する必要がないため、創発的なやりとりに発展しやすいのが特徴です。

誰かが書き込んだ思いつきに他の人が乗っかることで、これまで雑談で行われていたような突発的なブレストが実現しています。わざわざ返信するほどでもないコメントだとしても、自分たちでカスタマイズした5000個以上の楽しい絵文字でリアクションをすることができ、考えたことを発信しやすい土壌がつくられています。

またトピックスごとにチャンネルが立てられることにより、議題ごとに異なったトーン&マナーの会話が並行して行われることも。プロジェクト別のチャンネルの他に、例えばビズデブ(事業開発)関連、情報共有、ファイナンス、法務、勤怠管理や飲み会など、さまざまな題材で40~50個のチャンネルが同時にやりとり可能。このようにSlackはGNUSのあらゆる企業活動のハブとなっているのです。

GNUSで使用している絵文字
GNUSで使用している絵文字

具体的な業務に関しては、それぞれの用途に特化された機能と、画面の見やすさや操作性の良さを持ったオンラインツールをSlackと自動連携させています。そのうちの一つが顧客管理システムSalesforceプラットフォームを、GNUSのビジネスモデルに適した形でカスタマイズしたGDP(GNUS Delivery Platform)という自社システムです。

提案フェーズごとに案件をまとめて管理するだけでなく、フリーランスのスタッフィングをする際に案件の作業範囲とスキルを鑑みて、マッチ度のスコアリングを表示。また、各案件にアサインされるフリーランス個々人との契約を管理するなどの機能を組み込んでいます。

GDP (GNUS Delivery Platform)の仕組み
GDP (GNUS Delivery Platform)の仕組み

ブレストに関してはTrelloというオンラインツールを活用しています。Trelloは、ボードに付箋を貼る感覚で、発言を共有できるのが特徴です。オンライン会議でなかなか発言するタイミングが見つからずに忘れ去られていってしまうアイデアも、書き留めることで全員にリアルタイムに可視化されるので、議論に持ち込まれるチャンスが全てのブレスト参加者に平等につくり出されます。「声のデカい人が全てを持っていく」のではない、アイデアの平等性がこれにより担保されています。

リモートだからこそ重要なのは、非言語コミュニケーション

こういったツールを使いこなせば、リモート環境でワークショップを開くことも可能です。お題に対して個人ワークやグループワークを行うこともできますし、即興で作った資料やメモをシェアすることもできます。

その際に参加者全員の顔が同時に見えていることは、円滑で情報量豊かにコミュニケーションを運ぶ上で大切な要素の一つです。特にZoomは、参加者の顔の一覧性が高い点がメリット。オンライン会議でカメラをつけることに抵抗があるという声も聞きますが、リモートでビジネスを進める上では相手の顔が見えることは安心感にもつながり、重要です。メークが大変という方には、メークを顔の上に合成してくれるようなツールを活用できることも、オンライン会議ならではのメリットかもしれません。

テレワークが推奨されるようになってからも、紙の稟議書やハンコが必要なので会社に行かなければいけないという声を聞くことがあります。しかし、これらの業務も社内規定を整備し、請求管理、契約管理、経費精算などをオンラインで可能にするツールで解決することができます。

例えばGNUSでは契約書関連の処理はDocuSignという電子署名システムを使用しています。オンライン上で署名ができるので、上司の都合の良いタイミングを狙ってハンコを押してもらう必要も、製本時にテープがズレてやり直す必要もありません。全てのドキュメントはオンラインで管理され、契約書としての効力もきちんと発生させることができます。

デジタルツール以上に大切な、社内のカルチャー

他にもいろいろと活用している便利なツールはあるのですが、テレワークを実現する上でデジタルツール以上に重要だと思うことが社内に根付いた「カルチャー」です。

  • それぞれのメンバーの役割を明確にし、アウトプットで従業員を評価し、十分に互いを信頼する。
  • 上下関係による圧力を働かせず、フラットな関係で全員がフェアに自分の能力を発揮することを奨励する。
  • 一人一人がチームの成果のために自身の貢献に責任感を持って自ら働きかける。

などなど。

内発的動機は良いアウトプットを生むための何よりの力になります。近年スタートアップで働くことを選ぶ優秀層が増えている理由も、ここにあるのではないでしょうか。働くことそのものに対するモチベーションづくりが、風土として整えられていることが重要です。

GNUSは、現在フリーランス以外の社員は十数名の組織ですが、大企業も経験した私たちだからこそお伝えできることもあると思い、Workstyle Innovation(働き方のDX)に関するコンサルテーションプログラムなども用意しています。

GNUSのWorkstyle Innovationコンサルティング
GNUSのWorkstyle Innovationコンサルティング

今、多くの企業で臨時的なテレワークの実施や対策が強いられています。この取り組みを持続可能なものにすることで、従業員一人一人に働きやすさと働きがいを提供する社会にすること。そして一人一人のポテンシャルを引き出すことで強いチームをつくること。それが今、世の中に託された宿題だと感じています。

そして究極的にはリモートな選択肢のある社会が定着し、「旅人になる夢」が実現しやすい社会がつくられていくことが、試練の渦中にある世の中で、私が抱く希望です。

お問い合わせ:support@gnus-inc.com