loading...

ニューノーマル社会で加速する!動画配信サービス利用者の最新動向No.1

2020/10/23

「テレビのネット接続率」が50%を超えた!その意味は?

2015年ごろから利用が広がってきた動画配信サービス。

ここ2、3年で複数の海外大手プラットフォームの日本参入が進み、今年に入ってからは地上波テレビとインターネット同時配信開始のニュースもありました。

テレビと動画はこれから数年、未来に向けて大きな変革期を迎えることになるでしょう。

OTTと呼ばれる端末を問わない動画配信サービスの視聴者数も、通信速度環境の進化とともに年々増加しています。特にこのコロナ禍のステイホーム期間を経て、利用率、視聴時間ともに増加傾向にあります。

本連載では、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)が「2019年12月」(コロナ禍以前)と「2020年6月」(コロナ禍以後)に行った、国内動画配信サービス利用実態調査(※1)を基に、今後の動画配信サービスについて考えていきます。

<目次>
2020年、ネット接続&動画接触事情はどうなった?
テレビのネット接続率が50%超え!テレビ画面に何を映す?
「コネクテッドTV広告」を活用した新しい広告プランニング

2020年、ネット接続&動画接触事情はどうなった?

まず、動画配信サービスの視聴デバイスについて、「2019年12月」と「2020年6月」のデータを比較してみました。(複数回答のため、それぞれの合計は100%以上となります)

動画配信サービスの視聴デバイス
特に目立つのがテレビ受像機での視聴の増加です。2019年12月時点で20%だったものが、半年で3ポイント上昇し、2020年6月では23%となっています。反対に、スマートフォンの視聴は47%から43%に低下しています。

この変化には、コロナ禍におけるステイホームが影響していると思われます。テレビ受像機での視聴の伸びには、次に示す二つの背景があります。

①外出自粛によりリビングでの視聴が増えた

1点目は、視聴場所の変化です。外出自粛の影響でリビングでの視聴が増え、外出先での視聴が落ちています。

リビングでの視聴が増えることで、誰かと一緒に見る「随伴視聴」も伸びました。画面の大きなテレビ受像機で、家族と一緒に動画配信サービスを見る機会が増えたのでしょう。特に配偶者との随伴視聴の伸びが目立ちました。

動画配信サービスの視聴場所

②テレビ受像機のインターネット接続率が増加

2点目は、①とも関係しますが、テレビ受像機のインターネット接続率の増加です。下のグラフのように「2019年12月」時点でも、41.6%の人がテレビ受像機をインターネットに接続していると答えていました。

現在販売されている最新のテレビ受像機の多くが、簡単にインターネット接続可能な「コネクテッドTV」ですし、あるいはテレビ受像機に装着するだけで動画配信サービスを簡単に見ることができるスティック型端末も各社から発売されています。

テレビのネット接続率

そして「2020年6月」の調査ではテレビ受像機のネット接続率は50%を超えており、わずか半年間で約9ポイントの上昇を見せています。まさに今、テレビ受像機でのインターネットの接続率が急速に増加しているのです。

ただし、先ほどテレビ受像機での動画視聴が今年6月に23%まで増加したと述べましたが、この「インターネット接続率約50%」という数字には「ネット接続していても実際には動画配信サービスを見ていない人」も含まれます。

つまり、この50%のうち約半数は実際にテレビ受像機で動画視聴経験があり、約半数はまだ視聴経験はないが、視聴の可能性があることを表しています。

視聴環境が整ってきたことにより、何らかのきっかけがあればテレビ受像機での動画配信サービスの視聴が一気に加速し、スマートフォンやPCでの視聴率に追いつくほどのポテンシャルを持っているといえます。

テレビのネット接続率が50%超え!テレビ画面に何を映す?

こうしたコネクテッドTV(スマートTV)やスティック型端末を用いた動画配信サービス視聴が一般化する中で、これまでは「放送局コンテンツ」(=テレビ番組)の視聴のためにだけ使われていた「テレビ画面」を、動画配信サービスと既存放送局で奪い合う現象が起きてくるでしょう。

ただ、視聴者は全ての動画配信サービスをテレビで視聴するようになりつつある、というわけではないようです。

今回、18の動画配信サービス別に視聴デバイスを調査したところ、特にSVODと呼ばれているサブスクリプション型サービスであるNetflixやAmazonプライム・ビデオ、DAZNなどの「スポーツ、海外ドラマ、映画を多く含む動画配信サービス」において、利用者の30%以上が「テレビ受像機で見ている」と答えました。

一方で、YouTubeを含む「ユーザー投稿型動画配信サービス」のテレビ視聴は、10%以下に留まっています。ユーザーは、意識的に「テレビ画面で見るコンテンツ」「スマホなどのデバイスで見るコンテンツ」を選んでいるのです。

かつてのように「まずテレビの前に座って、そこに流れているものを見る」のではなく、「テレビ画面で見たい理由があるコンテンツに対してはテレビ受像機を使う」という姿勢に、視聴者が変化してきていることが見て取れます。

「コネクテッドTV広告」を活用した新しい広告プランニング

インターネットに繋いだテレビでの動画視聴が増えることに伴って、今注目されているのが「コネクテッドTV広告」です。

既にアメリカにおいては、動画広告の総配信数をデバイス別で見ると、コネクテッドTVのシェア率が最も高くなっているプラットフォームも出てきています。今や、モバイル(スマートフォン、タブレット)端末での動画広告インプレッション数よりも大きく、十分な配信規模を確保できるようになっているのです。

以下の図はeMarketerの調査によるコネクテッドTV広告市場予測です。2019年時点で約70億ドルの市場規模となっており、2023年には140億ドルまで成長すると予測されています。

コネクテッドテレビ広告費の推移
出典:eMarketer,Oct 2019年10月 ※2 を参照

多くの家庭がケーブルテレビや衛星放送と契約していたアメリカでは、コネクテッドTV広告の広告在庫数の増加が課題でした。しかしその後、より利便性の高いコネクテッドTVの普及に合わせて「コードカッティング」と呼ばれるケーブルテレビや衛星放送の契約解除行為が増加。2018年頃からは、コネクテッドTV広告インプレッション数がモバイルでの動画広告インプレッション数を上回るようになりました。

日本でもコネクテッドTVが増え続け、広告の配信数が十分確保できる状況になるとともに、この市場が急速に成長してくると予想されます。それに伴い、コネクテッドTV、モバイル、PCといった各デバイス、プラットフォームを横断したキャンペーンが増え、それを前提とした指標も発達し、それらの効果分析を従来のテレビの指標とも比較するようになるでしょう。

デジタルを生かした統合キャンペーンならではの効果の可視化・最大化、広告予算の最適化を行っていく、そういう時代になると思います。

 
※1 調査概要
CCI 国内動画配信サービス・プレイブックについて
https://www.cci.co.jp/news/2020_08_13/1-104/
 
CCI 国内動画配信サービス詳細レポートについて
https://www.cci.co.jp/news/2020_08_31/01-23/

※2 出典:eMarketer 2019年10月
・コネクテッドTV(Hulu,Roku,YouTube等の)上のデジタル広告費
・コネクテッドTV上のディスプレイ広告とインストリームビデオ広告を含む
・トラディショナルリニアTVとアドレッサブルTVのネットワーク販売広告インベントリーを除外

【オンラインフォーラム告知】

CCI BROARD CASTING FORUM
https://www.cci.co.jp/seminar_BCForum/2020.11.27/
11月27日に開催される上記オンラインフォーラムにて、「コネクテッドTV」に関するパネルディスカッションを行います。ご興味のある方はぜひご聴講ください。
新規CTA
新規CTA