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ブランドと生活者が交わる場所―ソーシャルコマースの時代がやってくる!No.2

2021/02/12

ソーシャルコマースが、なぜマーケティングを革新する概念なのか?

「ソーシャルコマース」とは、SNSなどのソーシャルメディア上で、生活者とブランドがコミュニケートし、その場で商品・サービスを販売する、新しい時代のマーケティング手法です。

基本的な解説や海外動向を紹介した前回に続き、今回は日本企業がソーシャルコマースを実際に活用するために押さえておきたいポイントをお伝えします。

ソーシャルコマースの一番分かりやすい形は、ソーシャルメディア上の誰かの「投稿」に、そこで紹介されている「商品・サービスの購入ボタン」が付いていて、欲しいと思ったらその場で決済まで一気に完結できる状態。Facebookなど大手プラットフォーマーの間で、「その場で直接決済できる機能」を実装する動きが加速している。
ソーシャルコマースの一番分かりやすい形は、ソーシャルメディア上の誰かの「投稿」に、そこで紹介されている「商品・サービスの購入ボタン」が付いていて、欲しいと思ったらその場で決済まで一気に完結できる状態。Facebookなど大手プラットフォーマーの間で、「その場で直接決済できる機能」を実装する動きが加速している。
<目次>
ソーシャルコマースは、マーケティングを革新する概念だ
1.SNS公式アカウントを“オウンドメディア”としてフル活用する
2.売り場だけじゃない。ユーザー視点に基づいた「全体設計」が最重要!
電通でもグループ横断で「ソーシャルコマースに特化したプロジェクトチーム」を発足

ソーシャルコマースは、マーケティングを革新する概念だ

ソーシャルコマースは、これまでは「情報収集」や「情報交換」の場だったSNSで、認知から購買までのプロセスがシームレスにつながったショッピング体験を実現します。あらゆるSNSが、そのままブランドの「売り場」になるのです。

これは、単純にEコマースの購買可能性を引き上げるだけでなく、従来のマーケティングの手法を革新し、生活者との関係に大きな変化をもたらすポテンシャルを秘めています。

その変化とは、以下のようなものです。

  • 企業の一方的な情報発信→企業と生活者の双方向コミュニケーションへ
  • 商品・サービスの“押し売り”→ブランドの世界観やストーリーへの共感による購買へ
  • 企業起点のコマース→生活者起点のコマース(生活者から生活者への情報発信)へ

企業がソーシャルコマースを活用する本質的なメリットは、こうした新しいコミュニケーションによって、生活者と継続的に良好な関係を構築できる点にあります。

前回の記事では、「ソーシャルコマースは、企業のどんなニーズに応えるのか」についてもお話ししました。

【ソーシャルコマースによって満たされる企業ニーズ】

  • ブランドの若返りを図り、若年層との関係性を強化したい。
  • ECプラットフォームに依存せず、新しいチャネルを広げたい。
  • これからECを始める、またはスモールスタートしたい。
  • 従来のデジタルマーケティングやマスマーケティングが効きにくくなっていると感じる。

業種を問わず、上記のような課題を抱える企業にとって、ソーシャルコマースは突破口になり得ます。

さらに付け加えるならば、コロナ禍でインバウンド需要も落ち込む現在ならではの視点もあります。グローバルなプラットフォーム上で展開するソーシャルコマースなら、国内にとどまらず、工夫次第で「世界中の生活者に商品を売れる」可能性がある、ということです。

国内の事業成長が鈍化する一方で、デジタルによりクロスボーダー化が進む商圏対応も視野に、コマース施策の開発が可能です。これも念頭に置いておいてよいでしょう。

もちろん、ただ導入しただけで成果が得られることはなく、しっかりと戦略を立てる必要があります。ここでは、大きく二つの視点でポイントを解説します。

1.SNS公式アカウントを“オウンドメディア”としてフル活用する

Eコマースを展開する多くの企業にとって、膨大な数のユーザーを抱えるECプラットフォームは重要なチャネルのひとつでしょう。しかし、ソーシャルコマースにおいてはSNS上の自社公式アカウントを“オウンドメディア”と捉えて活用し、その質を高めることが欠かせません。

SNSの公式アカウントを“オウンドメディア”として活用する際、 心がけたいポイントは三つです。

「指名検索」した生活者に、一番伝えたい情報を届ける

生活者は日々、欲しい情報を求めてインターネットを回遊しています。その中であなたのブランドに興味を持ち、ブランド名で「指名検索」する人は、購入ポテンシャルが高いユーザーだと考えられます。そのユーザーに、ブランド側が伝えたいことを最も伝えられる場が、オウンドメディアです。

大前提として、あなたのブランドに興味を持ってくれた人をしっかりとつなぎ留める“場”を用意しなければなりません。つまり、公式アカウントは常にアクティブである必要があるし、プロフィール欄などには伝えるべき情報をそろえる必要があるのです。

ブランドフィロソフィーを伝える

今は「共感」を軸にモノが選ばれる時代。ブランドの良さを一方的に押し付けるのではなく、生活者に「感じさせる」ことが大切です。共感に大きな影響を及ぼすのが、「ブランドフィロソフィー」です。

フィロソフィーとは、ブランドが大切にしている価値観や使命を言語化したもの。企業理念やブランドコンセプトと言い換えることもできます。フィロソフィーに基づいてアウトプットされる文章や写真は、ユーザーに共感されることで購買可能性を高め、後述するエンゲージメント形成にも貢献します。

継続的な双方向コミュニケーションで、ファンエンゲージメントを築く

ユーザーと双方向コミュニケーションを図れるSNSは、ファンエンゲージメント(ブランドとファンの強いつながり)を高める手段に適しています。

ファンエンゲージメントが高まることで、ファン起点の情報発信=UGC(User Generated Contents)による新規顧客獲得の効果も期待できます。さらに、ソーシャルコマースではUGCからダイレクトに購買が発生することも期待できます。

私はこれら三つのポイントに加えて、今後ますますブランドに求められるのが「正直さ」ではないかと考えています。個人が自由に情報を発信し、そこから消費活動が生まれるソーシャルコマースでは、信頼関係が人と人、ブランドと人をつなぐ鍵となります。

どんなに利便性が高くても、安心して買い物ができるブランドでなければユーザーには選ばれません。企業として情報の透明性や投稿の健全性を追求することが、ソーシャルコマース成功の必須条件となるでしょう。

2.売り場だけじゃない。ユーザー視点に基づいた「全体設計」が最重要!

ソーシャルコマースで押さえておくべきもう一つの視点は、CX(カスタマーエクスペリエンス)戦略から購買促進、CRMコミュニケーションに至るまでの「全体設計」です。

「ソーシャル」と聞くと、どうしても「SNS運用」というミクロなところに目がいきがちですが、あくまでもCX戦略における重要な施策のひとつであることを忘れないようにしましょう。つまり、「とにかくソーシャルコマースを始めよう」といって始めるものではないのです。

最初に着手すべきなのは、そもそも企業が持つビジネス課題を整理し、KGI、ターゲット、カスタマージャーニーなどを明確にすることです。その上で、KPIを定めてから、ようやくターゲットに合わせたソーシャルコマースのコンテンツ開発を行うのです。

繰り返しになりますが、ソーシャルコマースのコンテンツは、「売る」のではなく、生活者の心の動きを捉え、「買いたくなる」体験を提供する視点が欠かせません。また、前述の通り、「UGC」を意識した展開にも配慮したいところです。

同時に、コンテンツを効率よくベストなタイミングでユーザーへ届けるために、比較サイトやランキングサイトといった各種メディアでの露出も検討しましょう。つまり、SNSの公式アカウントへの流入経路の最適化を図るのです。

さらに、SNSと自社ECサイトだけでなく、蓄積されたデータを統合・活用したCRMコミュニケーション、ロイヤルティー向上のためのファンマーケティング展開も、あらかじめ計画しておきます。

このように、プランニングからコンテンツ開発、統合データマーケティングまでのCX戦略をトータルで設計する中で、ソーシャルコマースを展開していくことが大切なのです。

ソーシャルコマースは「CX戦略」の中で重要な役割を果たす概念だ。
ソーシャルコマースは「CX戦略」の中で重要な役割を果たす概念だ。

なお、全体設計のプロセスで常に頭に入れておくべきなのが「ユーザー視点」です。

  • 商品がちゃんとユーザーから見えているか?
  • 商品を見つけやすくなっているか?
  • 商品が魅力的に映っているか?
  • その商品をもう一度買いたくなるか?


これらを踏まえて戦略を立てることが、ソーシャルコマース成功の秘訣です。

電通でもグループ横断で「ソーシャルコマースに特化したプロジェクトチーム」を発足

前回記事でも述べたように、一言でソーシャルコマースといっても、扱うべき領域は非常に多岐にわたります。単なるSNS運用ではなく、カバーしなければならない範囲、求められるリテラシーが幅広く、奥深いビジネスなのです。

特にコミュニケーションプランニング、オウンドメディアを活用した良質なコンテンツの開発、オン/オフを統合したデータマーケティングは非常に重要です。

こうした課題に対応すべく、国内電通グループのバーチャル横断組織「Dentsu Commerce Room」は、特にソーシャル領域に知見の深い電通、電通デジタル、電通アイソバー、電通デジタルの4社で、「ソーシャルコマースに特化したプロジェクトチーム」を新たに発足しました。

詳しく知りたい方は、こちらの座談会記事もご覧ください!

これまで国内電通グループは、事業戦略構築、データ活用、エンターテインメントのコンテンツに至るまで、幅広い領域を統合したマーケティングで、企業のコマースに貢献するソリューションを提供してきました。包括的な戦略と計画が求められるソーシャルコマースは、「統合マーケティング」を提供してきた国内電通グループのシナジーが十分に生かせる領域です。

私たちは、ソーシャルメディアが若い世代を中心に最も重要なコミュニケーションプラットフォームとなった今、ソーシャルコマース領域に注力することは当然の流れであると認識しています。

ブランドの販売促進から売り上げアップ、そしてロイヤルティー向上までを実現するソーシャルコマースに興味をお持ちの方は、ぜひ私たちのチームまでお気軽にご相談ください。

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