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Youはどうしてニッポンコンテンツ好きなの?No.2

2021/06/24

実は、日本らしく分かりやすいコンテンツが求められている?〜グローバルコンテンツ調査ASEAN編〜

アニメ・ゲームなど日本のコンテンツが注目され、今後日本の新たなビジネスチャンスとして注目されています。特にASEAN(東南アジア諸国連合)各国での人気ぶりをニュースなどでお聞きになっている方も多いのではないでしょうか。

日本発のキャラクター・コンテンツの活用のヒントを探るため、電通と電通マクロミルインサイト共同で、2020年末から2021年始めにかけて「グローバルコンテンツ調査」を実施し、日本のアニメ、キャラクター、ゲームの認知度・人気度を調査しました。

第1回でご紹介した全体の傾向や中国・韓国の傾向に続き、今回はASEAN各国での結果を、電通グローバル・ビジネス・センターのストラテジーユニットに所属する筆者が3年間ベトナムに駐在していた視点から考察します。

※本調査の概要はこちら

 

ASEANでも認知度が高い「ドラえもん」。それに続く「名探偵コナン」「ポケットモンスター」

【図表1】ASEAN各国のアニメ・漫画コンテンツ認知度

グローバルコンテンツ連載第2回図表1

ASEANのどの国においても、アニメ・漫画コンテンツとして認知度が高いのが「ドラえもん」です。ドラえもんはASEAN各国においても古くからアニメの放送や漫画の出版が行われていたことが、認知につながっていると考えられます。

ベトナムでは1992年から漫画が出版され、昔からアニメも放送されており、幅広い世代に親しまれてきました。また、作者の藤子・F・不二雄氏は生前、印税を辞退し、現地に学びたくても事情があって難しい子供たちのための奨学金制度「ドラえもん教育支援基金」を設立。

他にも交通安全のキャラクターとして着ぐるみが小学校を回り熱狂されたり、現地に進出している多くの日本企業がキャラクターとコラボしたキャンペーンや商品展開に活用したりしています。コンビニやスーパーなどで日常的によく接触するニッポンコンテンツとなった結果、高い認知度を獲得したと考えられます。

また、ドラえもんに続いて認知度が高いのは、「名探偵コナン」や「ポケットモンスター」です。これらの作品も全国放送でテレビアニメが展開されているほか、漫画の流通や映画版の上映、「Pokémon GO」のゲームなど、多面的な展開が認知度につながっているのではないでしょうか。

グローバルコンテンツ調査連載第2回画像1
ベトナムのコンビニで販売されている名探偵コナンまん。中身はカスタード!

ASEANの特徴の一つが、日本では認知度11位の「NARUTO」がインドネシアで1位、マレーシアで2位に入っていることです。私がベトナム駐在時にも現地のアニメ好きスタッフに「好きな作品」を聞いたとき、一番は、NARUTOシリーズの「BORUTO」だという返答がありました。

【図表2】各国のNARUTO「イメージ」
グローバルコンテンツ調査連載第2回図表2

NARUTOのイメージ項目を見ると特に評価が高いのが、「クールな」と「オリジナリティーのある」の2つです。他、特にインドネシア・マレーシアで特徴的だったのが「伝統的な」コンテンツとして評価されていることです。

前述の現地スタッフになぜ「BORUTO」が好きなのかを聞くと、バトルなどの派手なアクションシーンと、いかにも日本らしい「忍者」の世界が舞台となっていることが挙げられました。

ところで、ベトナム人は真面目で働き方も日本人に近かったり、Hondaのバイクやエースコックのインスタントラーメンなど日本商品が生活に浸透していたりと、とても親日な傾向があります。

ただし、日本が好きといっても、実際に知っているのは、「寿司」、「天ぷら」などいかにも「日本」なものであり、ベトナムで人気の和食レストランもいわゆる日本っぽさを演出しているお店が多いように思います。

同じように、ASEAN各国でも全般的に「いかにも」な分かりやすい日本文化や、それを表現したコンテンツが人気を集めていることが調査からもうかがえました。

インドネシアで認知度・視聴経験が高い「キャプテン翼」

ASEANのスコアで特に特徴的だったのが、インドネシアでの「キャプテン翼」の認知度・視聴経験の高さです。他国では認知度30%前後、視聴経験が15%前後の中、インドネシアの全体認知度は72%、視聴経験が46.5%でした。また、インドネシアの世代別で見ても視聴経験が10代で33.3%、20代で58.7%、30-40代で48.0%とどの世代においても高くなっています。

 【図表3】各国のキャプテン翼 認知度・視聴経験

グローバルコンテンツ調査連載第2回図表3

【図表4】キャプテン翼 インドネシア世代別 認知度・視聴経験

グローバルコンテンツ調査連載第2回図表4

ASEANでは、サッカーの人気がとても高いです。私の駐在していたベトナムでも、代表戦になると仕事よりも試合の応援が優先になったり、勝利すると夜中まで騒いでいたりと、かなりの熱狂具合でした。

そんなASEANの中でも、特にインドネシアの国内リーグは最も熱狂的なリーグとも呼ばれるほどサッカー熱が高く、サッカーを題材とした「キャプテン翼」との相性が良いのでしょう。

また、イスラム教徒が大半を占めることから放映されるアニメの検閲が厳しく、視聴できる数が限られている中で、「キャプテン翼」は2002年の日韓ワールドカップ以降、定期的に放映されていることも、全年代にわたって認知・視聴されている理由でしょうか。

まだまだ違いが大きい、都市部と地方の生活スタイル

日本のアニメやキャラクターなどのコンテンツはASEANに浸透してきています。書店で現地語に翻訳された漫画が販売されたり、動画配信サービスでアニメが放映されたり、企業によるコンテンツ活用も盛んに行われるなど、日常的に触れられる機会が増えています。しかし、このような状況はまだ都市部でしか起きておらず、まだまだマス層に拡大しているわけではありません。

2019年までのベトナム駐在時、イベントなどでさまざまな都市を回りましたが、一歩ホーチミンを離れると、日本のアニメやキャラクターなどのコンテンツを見かけることはほとんどありませんでした。

都市部と地方では生活スタイルも大きく異なります。例えば、都市部ではスーパーでの買い物が主流になり始めていますが、地方での買い物は路上店での買い物がメインです。そこでは、販促のためのPOPやPR動画などに接触する機会もありません。

また、地方でもスマホの保有率は高いですが、まだまだ金銭的余裕がないため、スマホを利用するときはカフェのWi-Fi経由で利用するということが主流です。ベトナムのTV局や制作会社は自社の番組をYouTubeにアップしているため、カフェでスマホを通してベトナムのTV番組を見ることも日常茶飯事。ベトナムに限らず、ASEANの地方は、ニッポンコンテンツにとって未開拓のエリアと言えます。

ASEANは全体的に急成長を遂げつつあり、今後の発展にあわせた新たなコンテンツビジネスの可能性にあふれています。しかし、日本のものをただ展開するのではなく、人気のスポーツや文化を理解して共通点を探ったり、忍者などわかりやすい日本の伝統的な面が日本とは違うふうに受け止められることを考えてみることが重要かもしれません。
グローバルコンテンツ調査連載第2回画像2

グローバルコンテンツ調査連載第2回画像4
ベトナムでは路上店舗がまだまだ生活者の日常を支えている
<調査概要>
タイトル:グローバルコンテンツ調査
調査手法:インターネット調査
調査時期:[日本]2020年12月17日~24日
[米国][中国]2021年1月4日~13日
[韓国][タイ]2021年1月5日~14日
[ベトナム][インドネシア]2021年1月6日~16日
[マレーシア][英国] 2021年1月8日~18日
対象者:各国10代~40代男女
コンテンツ日常接触者(対象コンテンツ:漫画、アニメ、各種ゲーム)
調査内容:日本を中心としたコンテンツ(漫画・アニメ)、ゲーム、キャラクターのパワーの把握。
     日本や日本企業に対する期待度、各国消費者の価値観など。
調査機関:電通マクロミルインサイト、電通
※日本の人気コンテンツに加え、海外の人気コンテンツも一部選択肢として用意し、認知度やイメージといった項目に分けてアンケートを実施し、分析しています。

 

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