AIによる自動生成ツールでCXを向上!「CXAI」とは?No.2
AIでのクリエイティブ内製化・金融業界編。加速度的に増加する「パターン」に備えよ!
2021/07/21
電通グループ4社共同で、クリエイティブ自動生成AIソリューション「CXAI」(シーエックスエーアイ)をリリースしました。
CXAIの導入で、企業はクリエイティブの内製化(インハウス化)が可能となります。具体的にはどのように進み、何が可能になるのでしょうか。今回は金融業界を例に、電通AIプロジェクト「AI MIRAI」を統括する児玉拓也がご紹介します。
<目次>
▼さまざまなAIモジュールの組み合わせで、企業のクリエイティブを内製化する「CXAI」
▼加速度的に増加するランディングページやバナーの「パターン」にどう対応する?
▼すさまじい数の「パターン」に悩むAさんを、「CXAI」は救えるか?
▼「自動化できる部分だけ自動化する」、それだけでも大きな効果!
▼「CXAI」トライアルパートナー、募集中です
さまざまなAIモジュールの組み合わせで、企業のクリエイティブを内製化する「CXAI」
デジタルマーケティングにおけるクリエイティブの内製化(インハウス化)を支援するAIサービス「CXAI」がリリースされて、約2か月。事前に想定していた以上の、さまざまな業種・業態のクライアントからお問い合わせを頂いています。
大企業だけでなく、スタートアップ企業や制作会社からもお問い合わせを頂き、サービスメニューの拡充を進めています。
さて、いきなり「AIで」「クリエイティブの内製化支援」と言われても、どう導入を進めたらいいのか、何が可能になるのか、イメージが湧きにくいかもしれません。
そこで今回は、ある保険会社の架空事例を想定し、クリエイティブの内製化がどのように進むのかをシミュレーションしてみたいと思います。
加速度的に増加するランディングページやバナーの「パターン」にどう対応する?
「可能になった、って言われてもなぁ……」
ある保険会社で、新規顧客向けのマーケティングを担当しているAさんは、PCのディスプレーを前に、悩んでいました。
この企業ではデジタルマーケティング推進の流れをいち早く察知し、環境を整えてきました。
サイト来訪者の閲覧傾向、興味のある商品などをデータベースに蓄積し、シナリオに基づいてマーケティングオートメーションを活用した結果、来訪者に応じてランディングページやサイト内のバナーを切り替えられるようになったのです。
社内で華々しくローンチし、その可能性は無限大に見えました。そしてAさんの上司は、Aさんに向けてこう言ったのです。
さっそく来月から、このプラットフォームを活用し、お客様ごとにシナリオを考えて、おすすめ商品のバナーを出し分けるテストをはじめてくれ。
もちろん失敗しても構わない。できるだけ多くの可能性に挑戦して、PDCAを回すことが大事だ。今回、それが可能になったんだ
とはいえ、この上司の言葉こそがAさんの悩みの種でした。
なにしろ、保険商品だけでも10以上。それらを、どのようなユーザーにおすすめするかのシナリオもたくさん描けます。
加えて、商品のバナーと一口に言っても、ウェブサイト、アプリ、モバイル、メルマガなど、サイズも特徴もまちまちな顧客体験チャネルが10以上もあるのです。
さらにコピーやグラフィックなどのABテストをするとなると……気が遠くなります。
単純に掛け算をしただけでも、すさまじいパターン数になってしまうのでした。
限られた予算で、どこまでできるだろうか。
社内にデザイナーはいます。しかし社内デザイナーにそこまで高度なスキルはなく、また部署も違うので、ちょっとした修正やリサイズを頼むのも気が引ける関係。
外部の制作会社のクリエイターを信頼していないわけではないが、パターンが増えるほど、手戻りやミスの可能性も増える。ミスがあれば機会のロスに加え、差し替えるのに時間がかかる。
すさまじい数の「パターン」に悩むAさんを、「CXAI」は救えるか?
そこでAさんは、CXAIの「バナー生成・リサイズモジュール」の活用を検討しました。
これは、あらかじめバナーのレイアウトパターンを登録しておけば、AIがそれぞれの要素を配置して柔軟にレイアウトを変更し、リサイズしてくれるものです。
シナリオ設計やコピーライティングなどの「人間ワザ」が求められる部分は人間が対応し、「リサイズ」という最も手数がかかる部分から自動化することで、クリエイティブの内製化を進めていくことになったのです。
これにより、制作会社に依頼するのは「基本となるパターン」(15種類/月)の制作だけで、そこから先の作業はCXAIと、社内デザイナーの力を借りて進めることができるようになりました。
こうして見ると、単に省力化だけでなく、レイアウトパターンを複数試すことでABテストが可能になる、制作・修正スピードが上がるなどの効果がありそうです。
それだけでなく、仮に今後Aさんが異動になったり、制作会社に体制変更があったりしても、ノウハウが損なわれることなく業務の継続が可能になるのです。
こうしてAさんは、今まで以上に多くのパターンのクリエイティブを運用し、より多くのユーザーに新商品の情報を届けることができました。
「自動化できる部分だけ自動化する」、それだけでも大きな効果!
「クリエイティブを内製化する」というと、どうしても社内でデザイナーやクリエイターを抱え、何から何まで自社で完結しなければならないイメージを持たれるかもしれません。
また、「AIの活用」というと、今までの仕事のやり方をすべて破壊して、機械に置き換えていくようにも聞こえます。
しかしAさんの例で見てきたように、クリエイティブの製作プロセスのすべてを内製化する必要はありませんし、すべてをAIに任せる必要もありません。
CXAIによって自動化できる部分を自動化し、「社内と社外の役割分担を変える」ことも、内製化の一つと言えます。そしてそれだけでも、大きな効果が得られる可能性があるのです。
次回は、ある小売・流通業界の企業を例に、今回とはまた違ったCXAIの活用法をご紹介したいと思います。
「CXAI」トライアルパートナー、募集中です
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