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それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習No.2

2021/09/07

せっかくなら「積極的解釈」でいこう。

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。

2020年の春のことを今でもよく思い出します。2020年4月7日、「緊急事態宣言」発出。その前後から、スマホのプッシュ通知に新型コロナウイルスにまつわるニュースがよく出るようになりました。

タップして、すぐに読んで、もう一度頭から読み直して、うつむく。というより、どうしようもない現実にうなだれました。連日、発表されていくライブなどのイベントの中止。ズキッと心に痛みを感じました。

この痛みは、僕だけのものだったはずがないと思います。行きたかったイベントが中止になってしまった。歓迎会、送別会を飲食店ですることが難しくなった。予定していた家族の集いを延期せざるを得なくなった。あなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか?

先々の予定の中止だけではありません。先が見えなくなったことで現れた不安。
呼吸が浅くなるような閉塞感。これからどうなるのか? うまくやっていけるのか? まったくもってわからない…もどかしくて苦しくて、得体の知れない感情が心に渦巻いていきました。

HistoryにはStoryがある。ニュートンの場合は?

僕自身、不安に飲み込まれかけていました。くよくよしている自分を認めつつも、何もしないでただ待っているのも嫌でした。そんな時、僕自身がいつも講義やワークショップで話していることを思い出しました。
 

HistoryにはStoryがある。



未来に迷った時は、歴史をたどる。そこには、人間が残してきた物語があります。手と足を伸ばしてじたばたするように、これからの手掛かりを何か一つでも見つけたくて、過去に伝染病が流行した時のことを調べました。

目に飛び込んできたのがニュートンの逸話でした。ビビッと来ました。17世紀、ヨーロッパで猛威をふるったペストの渦中に、ニュートンもいたのです。大学に在学しながら万有引力の法則を発見したニュートンは、ペストによる大学の「休校期間」を「創造的休暇」と解釈していました。

この考え方を忘れたくない、そしてたくさんの人に知ってほしい!おすそわけをするような気持ちで、Twitterを開いてすぐにツイートしました。

想像以上の出来事が起きました。スマホの通知が止まらないのです。そこには、万を超える「いいね」が!

阿部広太郎さん

社会情勢を踏まえてしばらく休校期間にする、というのは大学側の解釈です。それをそのまま受け取って、もちろん休んでいてもいい。それも一つの生き方。

でもニュートンは違いました。「そういうものだから」で片付けず、この休みの時間を、創造するための時間と解釈して、可能性を広げました。もう一つの生き方をたぐり寄せる、なんと鮮やかな転換だろうと思いました。
 

「創造的休暇」

 

この言葉があることで、ステイホームの時間を何かに活かせないかと心が晴れてくるから不思議です。「こうじゃなきゃいけない」という考えに自分をしばりつけてしまいそうになる今。みんなが解釈の仕方を欲しているのかもしれない、そんな予感を抱きました。

せっかくなら「積極的解釈」でいこう。

僕は広告をつくる際、「物事をどう受け取るか」を積極的に考えます。ニュートンがそうしたように、現在の出来事をどう受け取るか? その解釈の積み重ねで、人の一生は大きく変わると思うのです。僕はみなさんに提案したいです。せっかくなら「積極的解釈」でいきませんか?

僕たちの一生は、過去、現在、未来と進んでいきます。時間は、過去から未来に向けて一方向に流れていく、というのが世間一般の考え方です。矢印で簡単に表すとこんな感じです。

過去→現在→未来

かつて僕もこのように捉えていました。過去の出来事は現在からでは取り返しがつかない、と。そして今、これから未来がどんな風に変化していくのか、たくさんの人が語っています。

来たるべき事態に備えるためにどうすれば良いかを考えていく。それはもちろんとても大切なことです。それでも、僕は思います。世の中が大きく変わっていく今こそ、真っ先に見つめるべきは「自分」という存在なのではないか、と。

阿部広太郎さん2

まず自分を、次に現在を解釈し直すことで、自分の心がはっきりしてきます。そして、自分の現在を真ん中にして、過去を、未来を解釈していく。過去に思いを馳せ、未来に手を伸ばすことで、どれだけ強風に吹かれようとも決して折れない柳のような芯が通ると思うのです。

過去に投げかけられた言葉はもちろん、先入観や思い込みで自分を決めつけて、未来をがんじがらめにしてしまうことが往々にしてあります。こういうもんだと諦めて、勝手に自分をみくびってしまう。それが僕はとてつもなく悔しいのです。

こうじゃなきゃいけないなんて、本当は一つもないはずです。自分の人生の中心は間違いなく自分なんだと知ることが、人生の主導権を取り戻すことになります。時間の流れは変えられません。けれど、今ここにいる自分自身から、過去さえも、未来すらも変えることはできると思うのです。自ら流れをつくることで、他人に、世界に振り回されなくなります。

そのためにも、目の前の出来事を鵜呑みにしない。食べ物をもぐもぐと咀嚼してよく味わうように解釈する。自分の身に降りかかることを、積極的に解釈することで、自分で自分を肯定し、自分らしく日々を歩んでいくことができると僕は思います。

それ、勝手な決めつけかもよ?
『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』
ディスカヴァー・トゥエンティワン、288ページ、1650円(税込)、ISBN 978-4799327371

勝手に自分を決めつけないための解釈、その具体的な方法については、僕の著書『それ、勝手な決めつけかもよ?』をぜひ。

今、「風の時代」とも言われています。かたちのないものが意味を持つようになり、想像力や思考力が問われていく。そんな時代をどう生きていくか? これから何が起ころうとも、どんな事態に直面しようとも、やはりはすべて解釈次第だと思うのです。

次回は、「自分の名前」について解釈をしていきます。

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