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【グローバル】加速するサステナビリティ&サーキュラーエコノミーNo.9

SDGsの期限まであと9年。電通インターナショナルが達成したものとは?

2021/09/08

「ソーシャルインパクト: 2020ハイライト」

持続可能な開発目標(SDGs)の達成期限である2030年が9年後に迫る中、人々の企業へのまなざしはますます厳しいものとなっています。美辞麗句を並べるだけではなく、ヒトと地球の未来のために実際、どんな活動を行っているのか。世界中のあらゆる企業にとってそれを明快に示し、伝えることの重要性はかつてないほど高まっています。

そんな社会的状況の中、2021年7月、電通グループの海外事業を担う電通インターナショナルが、環境や社会の課題解決のために昨年行ったさまざまな取り組みをまとめた報告書「ソーシャルインパクト: 2020ハイライト」を発表しました。

私たちの野望は絶え間ないイノベーションの道標となり、世の中のより良き変革の推進力となること

という、電通インターナショナル社のグローバルCEO、ウェンディ・クラークによる力強いコメントから始まるこの報告書の概要を紹介します。

<目次>
電通インターナショナルのソーシャルインパクト活動を構成する3つの柱
再生可能エネルギーからの電力調達100%を達成
シニアリーダー層における女性の比率を35%に
世界各国、8633人の若者にデジタルを学ぶ機会を提供
そして2030年、電通グループが力を合わせてネットゼロエミッション達成へ
 

電通インターナショナルのソーシャルインパクト活動を構成する3つの柱

電通インターナショナルのソーシャルインパクト活動は
・「持続可能な世界」実現
・「公平で開かれた社会」実現
・「デジタル社会の価値向上」
の 3つの柱で構成されていて、報告書の構成もそれに沿ったものとなっています。

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で街から人の姿が消え、リモートワークが普及するなど、人々の暮らしが世界中で大きく変化した年でもありました。その中でも電通インターナショナルは、さまざまな環境問題や社会課題の解決に向けていくつかの目標を達成し、また、いくつかの目標では達成に向けた前進を果たしました。

再生可能エネルギーからの電力調達100%を達成 

電通インターナショナルの「持続可能な世界」実現のための活動の中でも、特筆すべきは「2020年末までに100%再生可能エネルギーから電力を調達する」という意欲的な目標を達成したことです。こちらは、企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ“RE100”の基準にのっとったものになります(※)。

また、フルタイム従業員(FTE)1人当たりの炭素排出量の85%削減(2015年比)も実現。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるオフィス閉鎖なども背景としてあるものの、パンデミック前の2019年にはすでに2020年の数値目標を前倒しで実現しており、電通インターナショナルが2030年までに達成を目指す「ネットゼロエミッション」に向けた力強い動きだといえるでしょう。

※RE100に準拠するためには、エネルギーを使用する国内でエネルギーを購入することが求められます。しかしながら、電通インターナショナル社の電力需要の 9.7%を占める9つの市場(ロシア、台湾、シンガポール、ニュージーランド、香港、 ケニア、スリランカ、ガーナ、アルゼンチン)においては、電通インターナショナル社が管理できない要因により、国内で再生可能エネルギーを調達することができませんでした。そのため、隣接する国で可能な限り多くの再生可能エネルギー証書(REC)を購入し、RE100が暫定的な手段として認める方策を採用しています(RE100の ガイダンスに沿って、欧州経済地域を単一市場とみなして報告しています)。
電通インターナショナルのオフィス
建物のサステナビリティに関する世界的評価基準BREEAMの認定を受けた、電通インターナショナルの本社ビル(イギリス・ロンドン)。この認定により、同社はイギリスで最もサステナブルな本社オフィスを持つ企業のひとつとなりました。

シニアリーダー層における女性の比率を35%に

「公平で開かれた社会」実現のための活動でも、電通インターナショナルは社内外でさまざまな施策を行いました。社内の取り組みとして特に画期的だったのは、世界的に「機会の平等」を促進するためにチーフ・エクイティ・オフィサー(最高公正責任者)をまずはアメリカ地域で任命し、今後順次、APAC(アジア太平洋)とEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)の2地域でも任命していくことを発表したことです。

また、ジェンダーによる格差の解消についても、女性リーダーシップの登用を社内外で促進しました。電通インターナショナルではシニアリーダー層における女性の比率が、2019年の約32%から2020年には約35%に向上。2025年までにその比率を50%にまで引き上げることを目標にしています。

社外においては、女性の起業を促すためのグローバルなメンターシッププログラム「フィメール・ファウンドリー」を複数の国とエリアで展開。これまでに100人以上の起業を志す女性たちにメンター活動を行い、彼女たちの夢の実現を後押ししています。

ウェンディとアナの写真
電通インターナショナル社グローバルCEOのウェンディ・クラーク(写真左)と、チーフ・サステナビリティ・オフィサーのアナ・ラングレー(同右)。同社のソーシャルインパクト活動をパワフルにリードする女性たちです。

世界各国、8633人の若者にデジタルを学ぶ機会を提供

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で在宅期間が長引く中、電通インターナショナルは「デジタル社会の価値向上」のための活動も積極的に拡大しました。

貧困エリアを含む地域の、10代半ばから後半にかけての若者を対象にしたデジタル教育プログラム「ザ・コード」をステイホーム期間中も受講できるよう、オンラインにも対応して合計4255人の若者たちに展開。このプログラムはこれまで世界11カ国(イギリス、アメリカ、カナダ、中国、シンガポール、ポーランド、ブルガリア、デンマーク、メキシコ、フランス、UAE)の若者たちに、これからの時代をよりよく生きるために欠かせないデジタルスキル向上の機会を提供しています。

他の関連プログラムと合わせて、昨年1年間で電通インターナショナルがデジタル教育プログラムを提供した若者の数は8633人。2020年までの累計では3万人弱となり、「2030年までに累計10万人の若者にデジタル教育を提供する」という目標の達成に向けて順調にその数字を伸ばしています。

「ザ・コード」の参加者
イギリスの民族マイノリティが多く住み、所得が比較的低い地域の若者たちを対象に含んで行われた「ザ・コード」の参加者たち。彼らは実際のクライアントブリーフを基に、デジタルスキルのみならず、メディアプランニングの方法なども学んだそうです。

そして2030年、電通グループが力を合わせてネットゼロエミッション達成へ

「ソーシャルインパクト: 2020ハイライト」ではこの他にも、国連のイニシアチブの下、アイソバー(Isobar Global)を中心とする電通インターナショナルの世界中のスタッフが力を合わせて取り組んだ「ゼロ・マラリア」キャンペーンや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という緊急事態に果敢に対応した世界各地の事例などが多数紹介されているので、ご興味のある方はぜひ、こちらのページからダウンロードしていただければと思います。(英語のみ)

そして、これまで紹介してきた電通インターナショナルの取り組みのゴールは2030年。電通グループの国内事業を担う電通ジャパンネットワークと同じゴールに向けて、つまりは電通グループ全体の到達点として、私たちは「2030 サステナビリティ戦略」を掲げています。

「2030 サステナビリティ戦略」
電通グループとしての共通戦略「2030 サステナビリティ戦略」。ソーシャルインパクト活動と共通する3つの柱のもと、気候変動対策からデジタルシチズンシップまで、具体的な数値を含む目標がまとめられています。

2030年まであとわずか9年。業界の中でも他社に先駆けて打ち出された「2030年までにネットゼロエミッションを達成する」をはじめとする目標の数々を実現するために、そしてウェンディ・クラークのいう「世の中のより良き変革の推進力」たる存在となるために、これまで以上に電通インターナショナルと電通ジャパンネットワーク間のシナジーが必要とされ、また、推進されていきます。

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