セカイメガネNo.4
不景気はない、やればできる
2013/06/12
台湾の発展は世界経済の影響を強く受けてきました。不景気も例外ではありません。しかし、台湾人は楽観的な性格で、目の前の困難をチャンスに逆転させてきました。広告業界で制作と営業に二十数年携わってきた私が感じたことを二つ紹介しましょう。
第一に、市民全員が「発明」に熱中していることです。8歳の小学生から警官、露天商、大学教授まで、幅広い年齢や職業の台湾人が発明に取り組んでいます。買い物するお金がなければ、身の回りのものを改造するしかないからです。節約できるだけでなく、その権利でひともうけできる可能性もあります。
節約や用途を広げることをきっかけに台湾で生まれた独自の発明品は、大きいものは業務用の自動製麺機、小さいものは消音ステーキナイフや磁気タイル、さらにはヒール部分を取り換えられるハイヒールなど多岐にわたります。その多くが世界市場に飛び出していきました。
2012年、世界三大発明展の一つであるスイスのジュネーブ国際発明展で、46カ国・地域中、台湾人が特別賞8、金賞45、銀賞52、銅賞25のメダルを獲得。3年連続の1位です。入賞率も97.6%となり、自らの持つ最高記録を更新しました。
私は、「台湾発明王」というテレビ番組で長年審査員を務めていますが、昨今の不景気でも台湾人の創作意欲は依然として高いことを感じます。
第二に、現代の台湾においては「安さこそ王道」「安さこそ流行」であるということです。例えばコンビニエンスストアのセブン−イレブンが展開しているプライベートブランド「7-Select」は、「安さとはトレンディーなライフスタイル」であることを強調しました。
この販売戦略は消費者の購買意欲を高め、関連商品の大幅な売り上げ増に貢献しました。不況の影響で、さまざまなブランド商品の売り上げが落ち込む中、「7-Select」は2011年には台湾10大ヒット商品に選ばれています。
環境がトレンドをつくり、トレンドが環境を変える。クリエーティブ・ディレクターとしてクリエーティブの力で新しい消費のトレンド、新しい生活態度を創造しなければならない。ビジネスチャンスはひらめきの中にあると私は信じています。
(監修:電通イージス・ネットワーク事業局)