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キメゾーの「デジタルソリューションがよく分かっていねえ」No.6

くちこみデザイナー (iPR局 西山守)

2014/02/25

口コミは戦略的に扱える。そう言えてしまうほど「くちこみデザイナー」の威力は絶大だ。 「2013年度PRアワード優秀賞」も獲得したこの電通オリジナルツールの神髄に、 デジタルリテラシーゼロのキメゾーが迫るとか、迫らないとか。

西山氏とキメゾー

──今日は俺が話す。

西山:はい?

──「くちづけ」のデザインに関して言えば、俺の右に出るヤツはいない。

西山:何のことでしょうか。

──「くちづけデザイナー」の話だろ?

西山:いや、「くちこみデザイナー」です。

──いつ名前を変えたんだ?

西山:はじめからこの名前です。

──知ってたぜ。これは誰が作ったんだ?

西山:電通のiPR局とプラットフォーム・ビジネス局、電通パブリックリレーションズの知見を合わせて作りました。

──はっきり言っちゃえよ、お前の手柄だろ?

西山:いえ、チームの手柄です。

──周りを立てる、模範的な社会人め。そもそも、なんで作ったんだ?

西山:今までの口コミって、偶然に起きるか、プランナー個人のスキルによるものか、どちらかでした。ただこれからは口コミを戦略的に仕掛けていくためのノウハウが必要だよね、と思ったのが発端です。

──口コミなんて、雨とか雪とかと一緒で、自然現象だろ。そんなことも知らないのか。

西山:口コミって自然に起きているように見えて、どこかに絶対、情報の発信源があるんです。
その導火線はメディアであることが多いので、何のメディアがきっかけで、どのような動きで口コミが発生しているか、を体系化するためのツールが「くちこみデザイナー」です。

──壮大な話だな。

西山:ブロガーを起用するCGMマーケティングが盛んになってから、継続的に口コミの測定はしていたのですが、戦略PR的な観点で口コミを起こすという発想は中々なかったので、「くちこみデザイナー」は生まれるべくして生まれたツールとも言えます。

──くちくち言うから、お前の口ばっかり見ちゃうぜ。

西山:やめてください。

──どうやって中味を詰めていったんだ。勘か?

西山:勘なら、くちこみデザイナーの意味がありません。成功事例をとにかく集めて、口コミの拡散の順番を徹底的にパターン化しました。

また、口コミや情報ネットワークを研究している大学の先生の論文を読んだり、ヒアリングをしたりして精査していきました。確実に口コミの「パターン」はあります。

──でも、今までも口コミを仕掛けてきたヤツはいるわけだろ? 「くちこみデザイナー」って本当に必要か? 俺の生活は楽になるのか?

西山:例えばオリエンテーリングという山を登るアクテイビティも、自然とゴールにたどり着ける人はいます。だけど大多数の人には「目印」「コンパス」が必要。

口コミの起こし方も同じで、「くちこみデザイナー」という「目印」「コンパス」があった方が、より多くの人が迷わず口コミを起こせます。

──具体的に誰かの役に立ったことはあるのか? あと、俺の生活は楽になるのか?

西山:身近な例ですが、例えば電通で「日本の広告費」を毎年発表しているのですが、2012年の発表の際は、2011年版の口コミを分析し、どのメディアが導火線、つまり「キーアカウント」か、を突き止めました。

「2012年 日本の広告費」に関するTwitter上のユーザー分布

「2012年 日本の広告費」に関するTwitter上のユーザー分布

そして、そのメディアを集めてレクチャーした結果、口コミが前年比30%増となりました。

──なんかお前すごいな…震えてきたぜ。

西山:口コミの分析やプランニングだけでなく、 キャンペーンにおいて、タレントだけが目立って、タレントが口コミの中心になっていないか? 口コミが、ちゃんと商品ターゲットの間で広がっているか?など、細かく注意しながら進めています。

──口コミ職人みたいだな。

西山:そうとも言えるかもしれません。ただ、口コミはあくまで手段ですので、それを使って、いかに目的を達成するかを大事にしています。

──最後に教えてくれ。どうやったら俺は話題になる?

西山:そうですね…素肌を露出するのはやめた方がいいかもしれません。あとは髪型と服装とキャラと言葉の内容を、チューンアップする必要があります。

それから…。

(うなだれるキメゾーに、西山さんのアドバイスはいつまでも続いた)